更新日:2024.07.08/公開日:2017.3.1
こちらのコンテンツは、院長の豊福一朋が自身のこれまでの研究ならびに経験、関連書籍、学術報告などをもとに独自に作成したものです。将来において当院における治療方法、治療後の処置、使用機器、治療の流れなどについて内容が変更となる可能性があります。院長の経歴はこちらをご覧ください。
1)顔・首・からだの多発したイボの治療
顔、首(頸部)、胸、腹、背中にたくさんできたイボはやっかいです。特に、ウイルス性で知らないうちに数が増えていくイボ(尋常性疣贅、ウイルス性疣贅)は、患者様ご本人が気になるようになった時には100個以上になっていることも良くあります。イボが増えて下のような事に困ったことはありませんか?。
- 化粧でも顔のぶつぶつが隠せない
- 光の加減で顔の凹凸が目立つ
- スカーフが着用しずらい夏場に首のぶつぶつが隠せない
- 海水浴やプールで水着が着れない
- 温泉で人の目が気になる など
イボの治療では、イボをきれいに取り、再発を防ぐには治療のダメージを最小限にしつつ、1回の治療でできるだけ多くのイボを除去することが重要です。
しかし、数百個もあると、治療できるクリニックが限られてきます。山手皮膚科クリニックでは最高峰の性能を有するスキャナ付き炭酸ガスレーザー「コア」で、皮膚へのダメージを抑えた方法で多発するイボを一掃します。
山手皮膚科クリニックではイボのレーザー治療を20年おこなっています
山手皮膚科クリニックではイボのレーザー治療を20年前からおこなっています。最初の10数年は通常の炭酸ガスレーザー(レザック スーパーパルスモード搭載炭酸ガスレーザー)をつかっていました。300個の治療で1時間程度かけてイボを取っていました。しかし、500個以上ある方はざらです。1000個以上という方もけっこういらっしゃいます。500個以上となると2時間の昼休みをつかって取っていました。
2017年からシネロンキャンデラ社の「コア」というスキャナ付きフラクショナルモード搭載炭酸ガスレーザーを使っています。「コア」は照射設定を完全にコンピューターで制御できる炭酸ガスレーザーの最高機種です。傷や瘢痕治療、顔のリジュビネーション(若返り)などに使う美容目的の高いレーザーです。高価な機器で、コア1台が従来型炭酸ガスレーザー4~5台分の値段です。
私はこれをイボの治療に使ってみたのですが、驚くほど治療との相性がよいのがわかりました。なんといっても治療スピードが1秒に4ショットと速いのです。部位にもよりますが1時間で400~1000個の治療が可能です。2時間で2000個のイボも取れます。
それに、さすが美容目的に設計されたレーザーです。なんといっても治療面がカンナで削ったようにきれいなのです。それゆえ、治療の傷の治りが早く、治療後に瘢痕を残す可能性が非常に低いことがわかりました。
山手皮膚科クリニックでは、スキャナ付き炭酸ガスレーザー「コア」を使うことで、以下のような内容の治療を提供しています。
期待はずれのない治療を提供します。
WEBで「いぼ、レーザー治療」と検索すると「いぼ取り放題」というクリニックを結構見かけます。
しかし、「取り放題だったが、帰宅してよく見てみると小さいイボがまだたくさん残っている。」、「取り放題ということだったが、治療時間が決まっていて途中イボを残して終わってしまった。」、「取り放題は顔または首限定で、胸、腹、背中の治療は断られた。」
などの不満が多いも事実です。
また、「治療前に費用の話がなく、治療終了後に予想外の高額な治療費を請求された。」、「見積もりで費用が高額て諦めた」
というようなこともあります。イボ1個の除去費用はWEBからはだいたい550円~3000円のようです。
山手皮膚科クリニックでは他のクリニックにはない高性能な炭酸ガスレーザーを使い、1個330円※という安価は費用で治療をおこなっています。そして、なぜ、そんなに安いのか?それは、このページの中ごろに書いていますがレーザーの性能がすごいからです。
※1個330円は1回あたり治療する個数が300個以上の場合です。300個未満では最低料金があります。詳細は「スキャナ付炭酸ガスレーザーによるイボ治療費用」に記載しています。
初回の診察時に治療をおこなわない理由
山手皮膚科クリニックは、当日の治療をおこなわず、診療(希望でテスト照射)→見積もり→治療の手順で行います。当日おこなわない理由は次のとおりです。
- 診察では、イボかどうかの診断を行い、治療やダウンタイムの説明をおこないます。できるだけテスト照射(3-4個)を受けていただき、レーザー治療がどのようなものが体験いただきます。治療について十分ご理解いただき、実際のテスト照射で治療部位がどのように治っていくかを体験していただきたいです。
- 見積もりでは、数を計測して治療の金額を確定します。プライバシーの観点からお部屋を、そして治療する医師がみずから数える時間枠を確保します。計測では希望される部位すべて(顏、くび、デコルテ、ワキ、胸、腹、あるいは背中)一つ一つ目視で数えます。計測後にクリーム麻酔や術後の内服剤など含めた明確な治療額をご提示します。
- 治療のご来院では事前に麻酔クリームの範囲、十分な治療時間の枠を確保しています。麻酔→治療と待ち時間が最小限になるように設定して、時間切れで取り残しが無いようにしています。
2)イボとは?
イボ(疣)は皮膚に生じた小さな隆起性病変(もりあがったぶつぶつ)の俗語です。
イボはヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚や粘膜にできた小さい傷から感染します。感染したウイルスは自分が増殖しやすいように人の皮膚(表皮)を盛り上げます。それで、イボはぶつぶつした形になっています。
ヒトパピローマウイルスにはたくさんのタイプ(型)があり、タイプによって増える場所が顏、頸部、からだ、四肢、外陰部など異なります。イボが肌色、茶褐色になるのもタイプの違いです。
イボを治療せずに放置しておくと、ウイルスは角層に含まれているので、垢(あか)が剥がれるタイミングでどんどん周囲に感染していき、数が増えていきます。また、イボに他人の皮膚が頻繁に触れたり、こすれたりすると、その部位にイボが感染して増えます。
顔、首、胸部(とくにブラジャーでこすれる部分)、腹部、腋窩(ワキ)など機械的な刺激や摩擦が多い部位で増える傾向があります。
3)イボの種類
イボの分類
いぼの治療で皮膚科クリニックを受診されたときに、診察する医師の話と皆様の認識が食い違うことはありませんか?この原因は医師と皆様のイボの認識が異なるからです。
皮膚科の医師が日常に診察でつかう「イボ」という医学用語は通常、「ウイルス性でおこるイボ」のことを言っています。。
一方、皆様はウイルス性イボに加えて、老人性イボ(脂漏性角化症)や皮膚軟性線維腫も「イボ」と考えていらっしゃいます。
下の図をご覧ください。医師のいうイボはすべて、ヒトパピローマウイルス(HPV)が原因となるウイルス性イボです。ピンクの領域にある、尋常性イボ、扁平疣贅、尖圭コンジローマ、疣贅性表皮発育異常症がそうです。
皆様が「イボ」と呼ばれるものには、非ウイルス性のイボである軟性線維腫、脂漏性角化症が含まれています。下図では茶色の領域です。これらは加齢、紫外線、摩擦などが原因となっておこる皮膚の良性腫瘍です。ウイルス性のイボと外見がよく似ているので、たくさんある状況だと医師でも間違えます。軟性線維腫、脂漏性角化症はウイルスが原因ではないので、自分や他人に移ることはありません。
イボと似ている症状
ウイルス性イボに似ているものでは、脂腺増殖症、稗粒種、皮膚軟性線維腫(アクロコルドン)、汗管腫、老人性血管腫、色のないホクロがあります。
脂腺増殖症
脂腺増殖症は顔面の前額部や鼻(Tゾーンの部分)・頬部にできる一見ニキビのような黄色または白色の丘疹(皮膚のふくらみ)です。
大きさは直径が1~5mmほどで、1つできることも、多発することもあります。小さい(直径1~2㎜)だとイボと見間違えることがあります。
脂腺増殖症は真皮の深い部分まで存在しているので、表層を蒸散させるイボのレーザー治療では取れません。
脂腺増殖症はイボ治療では取りませんが、別途当院でレーザー治療を行っています。詳細は脂腺増殖症をご覧ください。
稗粒種
1~2㎜程度のぶつぶつ(小丘疹)です。中に小さな白い球(角質成分)が透けてみえます。イボとよく間違えられます。
単独あるいは下の写真のように多発することがあります。多発するとイボと非常に似ています。
稗粒種はイボ治療では取りませんが、別途当院でレーザー治療を行っています。
皮膚軟性線維腫
首やワキなど摩擦される部位にできる、有茎性(首がある)腫瘤です。小さいもの(直径が1-3㎜程度)をアクロコルドンともいいます。
原因は、加齢、摩擦により刺激、紫外線により光老化です。アクロコルドンはイボに似ています。
アクロコルドンではたくさんのイボの一緒に存在することが多いです。その場合、当院では炭酸ガスレーザーでイボのいっしょに治療しています。
汗管腫
女性の下眼瞼(まぶた)に多発する1~3mm程度ぶつぶつ(小丘疹)です。汗を出す管である汗管が増殖しておこります。
汗管腫は真皮の深い部分まで存在しているので、表層を蒸散させるイボのレーザー治療では取れません。
現在は汗管腫の治療はおこなっていません。
老人性血管腫
老人性血管腫は別名ルビースポットなどとも呼ばれ、からだ中どこにでもできるものです。名前は「老人性」とついていますが、30歳ころから出現します。
皮膚の中の毛細血管が増殖してできたものです。赤いほくろのような外観をしていますが、ほくろとは異なります。治療には色素レーザーを使います。
老人性血管腫はイボ治療では取りませんが、別途当院でレーザー治療を行っています。詳細は老人性血管腫をご覧ください。
色のない色素性母斑
皮膚科医が色のついていないホクロ(色素性母斑)をイボと見間違うことはありません。しかし、実際はイボと間違われて液体窒素の治療をされていることがあります。当然取れません。
医師があきらめずに繰り返し冷凍凝固治療をすることが稀にあります。強く冷凍凝固を繰り返しおこなうと、ホクロはなくなりますが、醜形を残した瘢痕となります。
ホクロ(色素性母斑)はイボ治療では取りませんが、別途当院でレーザー治療を行っています。詳細はほくろ(色素性母斑)をご覧ください。
4)イボの原因
いぼの原因はヒトパピローマウイルス(HPV)です。このウイルスは公共の場所(プール、公衆浴場、スポーツジムの床など)に存在していて、ほとんどの人はどこかにイボを持っているか、かって治療したことがあると思います。
感染のタイプには2つのタイプがあります。直接感染と間接感染です。
直接感染
イボのウイルスは皮膚の表皮で増殖しています。盛り上がったところには大量のウイルスが存在しています。他人と間で肌と肌が頻繁に触れたり、こすれたりすると、皮膚には微細な傷ができ、そこからウイルスは皮膚に直接侵入します。
直接感染は自分のなかでも起こります。イボできた指で顔をさわることで顏にイボができることがあります。また、顔は顔剃り、髭剃りで傷ができやすい場所です。カミソリをすべらす方向にイボが増えていくことがあります。からだを洗う時にナイロンたわしで強く擦ると、やはり皮膚に微細な傷ができて、イボが増えていくことがあります。
間接感染
イボは皮膚の中で増殖して厚みをもたせます。厚くなった角層には大量のウイルスが含まれています。皮膚はターンオーバーをおこない、常に角層は垢(あか)となって剥がれ落ちています。
裸足になるようなプール、公共浴場、スポーツジムでは垢が地面に落ちているのでが普通です。この垢が足底に付着することで、間接的にウイルスの感染がおき、足にイボができることがあります。
イボを無治療で放置すると増えます
イボを治療せずに放置しておくと、ウイルスは角層が剥がれるタイミングでどんどん周囲の皮膚に感染していき、数が増えていきます。
当院にイボレーザー治療を希望され方は顔、頸部、デコルテ、ワキ、胸、腹、背中の複数の部位にイボが多発した方が多いです。自分の皮膚で直接感染を繰り返しイボが広がったと考えられます。
5)なぜ、イボができやすい人とできにくい人がいるのか
免疫力の個人差が関係している
いぼの原因はウイルスです。どこにでもいるウイルスで誰からどこで感染したかはわかりません。また、誰にでもいるウイルスです。身体中探してイボが1つもない人はいないのではないでしょうか。
では、なぜ、イボができやすい人とできにくい人がいるのでしょうか。イボが多い人、少ない人は何か違うのでしょうか?
私はイボに対する免疫力の個性(個人差)だと思います。
風邪を引きにくい人、引きやすい人がいるように、イボが増えやすい人、増えにくい人がいるのだろうと考えています。
その時の免疫状態も関係しているようです。免疫機能に影響を及ぼすステロイド剤などを使うような病気治療の時だったり、妊娠をきっかけ(妊娠中は免疫の状況が変化します)にイボが増えることがあります。免疫を下げる紫外線への暴露が原因になっているであろう方もいます。
遺伝も関係しているようです。イボが多い人に家系に同じような症状の方いるかどうかと尋ねると、直系である祖父、祖母、父、母にいらっしゃるという返事を聞きます。これは、家族からイボが感染したのではありません。「イボに対する免疫力」が遺伝していると考えています。
大量のイボにより免疫が負けている
たくさんイボが増える原因のもう一つの理由は「からだに大量(多数)のイボがあると免疫が負けてしまう」と思っています。
イボが数百~千幾つもあった人でも、いったん(目に見える)すべてのイボを除去すると、その後イボはほとんど増えない人が多くいらっしゃいます。
私が推測するに「大量のぶつぶつしたイボが存在=大量のイボウイルスが皮膚に存在する」状態だと、本来、イボを除去できる自然の免疫力が低下していると考えます。
多くの患者様にイボが増えた時期を訪ねると、はじめはゆっくりと増えていたけれども、ある時期から急速に増えたとお聞きします。
まだイボが少数の時は「イボ 対(からだの)免疫」が拮抗して、イボはからだの免疫と闘いながらわずかづつしか増えることができなかったのでしょう。
そして、ある程度の数に達した時点で「イボ 対(からだの)免疫」の均衡が壊れます。結果、イボの感染力が優勢、からだの免疫が劣勢となり、イボが急速に増えていったと考えられます。
「大量のイボにより免疫が負けている」ことを強く支持するもう一つの現象があります。
大量のイボをいっぺんに治療するとその後イボができにくくなる人がいるのです。当院では現在、メンテナンスとしてイボのレーザー治療をうけていただいた方の経過をみています。長い人は3年くらいでしょうか。
そのなかには、あきらかにイボができなくなった方、あるいはできてもからだ中で数個とかの方が少なからずいらっしゃるのです。「大量のイボをいっぺんに治療する」ことで、からだはイボの対する免疫力を復活させるのでしょう。したがって、イボの予防=イボの除去ということにもなります。
6)イボの治療法
いろいろなイボ治療法の比較検討
これまで、いぼの原因と種類、免疫との関係について書きました。
ここからはイボの治療法についてです。
イボの治療は、レーザー治療、液体窒素による冷凍凝固、ハサミによる切除、電気凝固による治療があります。以下のそれぞの治療方法の特色をまとめてみました。
スキャナ付き 炭酸ガスレーザー |
通常の 炭酸ガスレーザー |
液体窒素 | はさみ | 電気凝固 | |
確実性 | 1回で治癒 | 1回で治癒 | 数回に治療必要 | 取り残る | 1回で治癒 |
小さいイボでの傷跡 | なし | なし | なし | 可能性あり | なし |
大きいイボでの傷跡 | 非常に稀 | 稀 | あり | 治療が不可能 | 稀 |
治療回数 | 1回 | 取り残しなければ1回 | 複数回 | 1回 | 取り残しなければ1回 |
炎症後色素沈着 | 軽い | 軽い | 強い | なし~軽い | 軽い |
再発 | なし | なし | あり | あり | ? |
1個あたりの費用 | 330円※1 | 500円~3000円※2 | 保険適用 | 詳細不明 | 1000~2000円 |
100個取る時間 | 10分 | 30分 | 治療が不可能 | 治療が不可能 | 30~60分 |
多数のイボ治療での 取り残しの可能性 |
なし | わずか | 多数の治療不可 | 多い | わずか |
※1 1個330円は1回あたり治療する個数が300個以上の場合です。300個未満では最低料金があります。詳細は「スキャナ付炭酸ガスレーザーによるイボ治療費用」に記載しています。
※2 私がおこなったWEBでの調査より
イボ治療に最適なスキャナ付き炭酸ガスレーザー「コア」とはどのようなレーザーか
当院ではイボのレーザー治療にシネロンキャンデラ社のスキャナ付きフラクショナルモード搭載炭酸ガスレーザー「コア」を使っています。
「コア」は照射設定をコンピューターで制御できる炭酸ガスレーザーで、もともと傷や瘢痕治療、顔のリジュビネーション(若返り)などに使う美容目的の炭酸ガスレーザーです。
非常に高価な炭酸ガスレーザーで、コア1台がで従来型の炭酸ガスレーザー(レザック炭酸ガスレーザー、JMEC炭酸ガスレーザーエスプリなど)が4~5台購入できます。
私は最初、このレーザーを美容治療目的で購入しました。美容医療の傍ら、イボの治療にも使ってみました。すると、驚くほどイボ治療との相性がよい事を発見したのです。
このレーザーの大きな特徴は
- コンピューター制御で治療面がカンナでけずったように平坦になる
- 治療のスピードが速い
の2点です。
たったの2点ですが、この2点が重要なのです。この2つの特徴で「イボの治療後の傷痕がきれいになる」、「1回でたくさんのイボ治療が可能になる」、「1個330円※の価格設定が可能になる」が可能になりました。
1000個の多発したイボを1時間で取ることができ、しかも傷跡をきれいにできるのはシネロンキャンデラ社のスキャナ付き炭酸ガスレーザー「コア」だけです。
コンピューター制御で治療面がカンナでけずったように平坦になる
スキャナ付き炭酸ガスレーザーはイボがある皮膚を正確に平坦に削る(蒸散する)ことができるため、従来型の炭酸ガスレーザーに比べ凹凸とした蒸散面ができずに、平坦となります。あたかも熟練した大工さんがカンナで削ったようにです。
この平坦な蒸散面は傷の治りにおいて有利に働きます。小さいイボであれば、傷を残さないか、ほとんど目立たない傷にすることができます※。
従来型の炭酸ガスレーザーだと、どんなに熟練していても、かならず手振れがおこります。手振れが傷の凹凸の原因となりますが、これは人間の手でおこなう以上仕方のないことです。
「スキャナ付き」とはコンピューターが制御して、工場の機械のように平坦にイボを蒸散させて、きれいな治療面をつくります。これは傷の治り(創傷治癒)に極めて有利で、あらゆるイボ治療のなかでもっとも傷が残る可能性が低いことになります。
下の図はその様子をイラストにしています。そのさらに下は実際に私がスキャナ付き炭酸ガスレーザーと従来型の炭酸ガスレーザーをつかって木片を蒸散させた後の写真です。蒸散面を比べてください。
※長径が大きい場合、スキャナ付き炭酸ガスレーザーをつかっても傷痕が残ります。しかし、従来型炭酸ガスレーザーによる傷痕と比べて目立ちにくいです。
実際の治療面
治療速度が速い
治療部位から周囲正常組織に及ぶ熱損傷が少ない
治療速度がはやいことは、「治療部位の熱損傷の低下」と「治療時間の短縮」という効果をもたらします。
炭酸ガスレーザーをイボやホクロの除去に使用するとレーザー光は照射された組織で熱に変換されて蒸散します(煙となってなくなります)。その時の高熱は周囲の正常な組織に及びダメージを与えます。
その時の[組織ダメージ]=[エネルギー]×[照射時間] で表されます。照射時間が短くできれば、周囲の正常組織へのダメージは少なくできます。
すべてのレーザーでそうですが、治療部位から周囲正常組織に及ぶ熱損傷は、治療後の瘢痕形成の原因となります。ですから、医療レーザー脱毛、シミや血管病変のレーザー治療においては、「いかにして周囲の正常組織をレーザーで発生する熱から守ることができるか」がレーザー機器の性能評価の大きなポイントになるくらいです。
炭酸ガスレーザーでの治療も同じです。イボやホクロの目的の組織を蒸散させる熱が周囲には及ぶ程度が少ないほど、治療後の傷跡がきれいになります。
スキャナ付き炭酸ガスレーザー「コア」では1秒間に4発のレーザーを照射します。1個0.5~1㎜のイボの治療する場合0.25秒から0.5秒です。2、3㎜以上の大きいもので1~2秒程度の時間がかかります。従来型炭酸ガスレーザーでは術者の技量によりますが、4倍~8倍の時間がかかると思います。イボが大きいほど、スキャナ付きと従来型(通常型)の治療時間(秒)の差が大きくなります。直径が2、3㎜以上だと治療結果の差がでます。
スキャナ付き炭酸ガスレーザー「コア」での照射がいかに早いかというのは、実際を見ていただくのがもっともよいと思いました。
下にスキャナ付き炭酸ガスレーザー「コア」と従来型(=通常型)炭酸ガスレーザー(いずれも当院所有)の比較をおこなっています。
この時間差からくる周囲正常組織への熱ダメージの差が治療の結果に大きな影響を及ぼすのです。
※レーザー操作時の音がでます。電車のなかで見られる場合はご注意ください。
治療が速いので医師の稼働時間が減って、治療価格が下がった
かっての通常型炭酸ガスレーザーでのイボレーザー治療
当院でもかっては従来型(通常型)炭酸ガスレーザーでイボ取りをおこなっていました。
従来型では1個のイボを除去するのに小さいもので1~2秒、大きいと3~5秒かかりました。左手にLEDライトを持ち、皮膚の水平方向から光をあてて影をつくり微細なイボをあぶりだします。そして右手でレーザー機器のハンドピースと持ち、頭には拡大鏡あるいはルーペ眼鏡を使い、顔を皮膚に近づけて小さなイボまで探しだして治療します。根気と神経と体力を使う治療です。300個のイボ取りで1時間かかっていました。
そんな治療なので1000個ある場合はもう大変です。治療は3時間から4時間かかってしまいます。土曜の診療後をつかって治療したこともありました。
通常の診療時間で30分、1時間という限られた時間ではイボの取り残しを無くすことは不可能だと思います。取り残しのチェックをおこなうと+10分~30分かかるので、診察が後ろのずれ込み他の人の診療や治療が遅れてしまいます。時間の制限があるとどうしても「目立つイボのみ取る」ということになります。今でもそれが「普通のイボレーザー治療」です。
一部のイボのみ治療する意味とは
現在当院には、他院で従来型炭酸レーザー、一部エルビウムヤグレーザーでイボ取りを受けられた方がその治療結果に満足されず、スキャナ付き炭酸ガスレーザーでの再治療を求めて来院されます。
現在、美容外科・皮膚科で通常型の炭酸ガスレーザーを使ってイボ取りをおこなうと、1個\550~\3,000の費用がかかるようです(私のWEBでの調査)。
レーザー治療でのイボ除去には手間と時間がかかりますから妥当な価格だと思います。300個治療すると、かなりの費用になります。1000個以上となると単純計算で55~300万円ですね。このように高額だと、どうしても「目立つイボのみ取る」ことになるのは仕方のないことです。
イボはウイルス性疾患で感染性で増えていきます。そのためイボ治療で重要なことは拡大鏡を使用し肉眼で確認できる小さいイボを含めた全てのイボを除去することです。
当院を受診されたある方に、前のクリニックでレーザーで治療されたイボの個数を訪ねると、「100個を取った」ということでした。私が診ると大きいイボはありませんでしたが。しかし、ライトを皮膚に水平にして照らして、影をつくって小さいイボを浮き上がらせると200個くらい確認できます。いずれ数が増えて大きさも増し、そう遠くない時期に元の300個に戻るでしょう。目立つイボたけの除去で治療する意味があったのでしょうか?
スキャナ付炭酸ガスレーザーが登場してイボのレーザー治療は劇的にかわりました
2017年、最初のスキャナ付炭酸ガスレーザー「コア」を導入しました。「コア」はコンピューター制御で、イボを正確に平坦にけずれ、治療スピードが格段に速いく最大1秒に4回のレーザー照射ができます。
このスピードで治療すると、かって従来型の炭酸ガスレーザーで3~4時間かかっていた1,000個程度※1のイボ治療を1時間に短縮できました。
スキャナ付炭酸ガスレーザーにより拡大鏡をつかって眼に見えるイボすべてを1回で治療することが可能になりました。現在は土曜日に2時間枠を設定して1回の治療で最大2,000個まで対応できます。
そして、医師の稼働時間が短縮するので、治療費用を抑えることができます。1個あたり\330※2に設定しています。炭酸ガスレーザーが高性能になったことで医師が疲弊することがなくなり、費用を安くすることが可能になったのです。
現在、当院には2台のスキャナ付炭酸ガスレーザー「コア」があります。治療用とテスト照射用です。テスト照射用レーザーを診察室に常備することで、初回診察に引き続き、待ち時間なくその場でテスト照射が可能となっています。
※1:治療部位の面積で治療可能な個数はことなります。1000個がからだ全体に広がっている場合、治療には余分に時間がかかります。
※2:1回の治療の最低料金があります。治療個数300個未満の場合¥99,000、300個以上では¥330×見積り個数となります。
スキャナ付き炭酸ガスレーザーと従来型炭酸ガスレーザーとの性能比較
スキャナ付炭酸ガスレーザー「コア」 | 従来型炭酸ガスレーザー | |
治療スピード | 最大で1秒間に4個のイボ取りが可能 | イボ1個につき3~5秒 |
1時間での除去数 | 1000個程度 | 300個程度 |
傷の治り | 顔面頸部7日、身体で14日 | 14日前後 |
炎症後色素沈着 | 少ない・消えるまでの期間が短い。 | 冷凍凝固より軽度。 |
瘢痕 | 瘢痕が残ることは極めて少ない。 | 瘢痕が残ることがある。 |
治療精度 |
コンピュータ制御でカンナのように平坦に蒸散。 (すべて均一な浅い傷となる) |
手元で調整しするので蒸散にムラがでる。 (手元の加減で傷が深くなることがある) |
レーザーの特徴はスキャナ付炭酸ガスレーザー・コアをご覧ください。
そのほかの治療法の良いところ悪いところ
液体窒素による冷凍凝固
皮膚科でのイボ取りは液体窒素による冷凍凝固と電気治療器による焼却は治療費用が健康保険適用となっています。
とくに液体窒素による冷凍凝固は広く一般に行われています。細い綿棒を液体窒素に浸して、あるいはスプレー式の液体窒素噴射装置でイボを冷凍凝固させてイボを除去します。
顔、首、胸部などのやわらかい皮膚では強い炎症がおこり1~2回の治療でイボは除去されます。指、足など角質が厚い部分では治療は難渋することがあります。
冷凍凝固治療の欠点
保険診療でのイボ冷凍凝固療法では2つの欠点があります。来院回数が多くなること、炎症後の色素沈着が長いことです。
1)来院回数が多い
液体窒素による冷凍凝固は保険診療でおこないます。医師か看護師がおこないます。皮膚科クリニックでは毎日たくさんの方の診療をおこなっているので、一人の方に長時間、時間を取ることはむつかしいです。”イボ取りは1回の受診に何個まで”、”1回の受診に何分まで”と個数や時間を決めているところが多いようです。
ですから、顔やからだに多数のイボがある場合、全てを取るまでの来院回数が増えます。一般に皮膚科クリニックでは待ち時間も長いので、患者様の拘束の総時間は長くなります。
2)炎症後の色素沈着の大きさと機関の問題
【大きさの問題】治療後は炎症後の色素沈着が起こります。イボの治療の綿棒の作り方はいろいろあります。使い捨ての綿棒をつかうクリニックもあります。
上の綿棒の写真は、私が九州大学皮膚科で学んだ綿棒です。先は綿が細く圧縮され直径1㎜ほどのイボにも正確に当てられるようにしてます。手前はふわふわした綿で液体窒素がひたされ溜まるようにつくります。溜まりがあるので治療中に液体窒素のはいった瓶につける頻度が減り、短い治療時間で多数治療できます。私はこれは日本共通とおもっていましたが、東京に来たらそうではないようです。出身の大学の医局でこと異なります(当然この方式が優れている)。ちなみに研修医は就業後、これを上手につくる練習をします。この綿棒ではピンポイントで冷凍できるので、冷凍がイボ周囲に及ぶ範囲を最小限にできます。それでもイボよりは大きい色素沈着がおきます。かりに先端がお団子のような綿球や綿棒をつかっていると、炎症後の色素沈着ははるかに大きくなります。
炎症後色素沈着は大きいほど目立ちます。顔、首ではそもそも目につきますし、からだも数が多いと温泉やプールで人目につきます。
【期間の問題】炎症後色素沈着は通常は顔では3か月、身体で直径1~2㎜程度のイボ治療であれば半年から1年で消失します。
炎症後色素沈着は数が少ない場合は人目に耐えられるでしょうし、下腹部や陰部など服に隠れる部位であれば気にならない人が多いでしょう。
しかし、炎症後の色素沈着は気になるものです。
炎症後色素沈着が数年続くことがある
レーザーにせよ液体窒素での冷凍凝固治療にせよ炎症後色素沈着は必ず起こります。炎症後色素沈着がなかなか消えないことは問題になります。
綿棒でもスプレー式の装置でもイボより大きい範囲を冷却したり、強く冷凍すると炎症後色素沈着が長く残ることがあります。2年以上ということがあります。
ハイドロキノンという美白剤を外用してシミを薄くする方法がありますが、顔、首以外の部位ではなかなか消えないのが困りものです。
ハサミでの切除
「ハサミでの切除」はいぼがある皮膚に麻酔クリームを塗布した後、1つ1つハサミで切除する方法です。液体窒素やレーザー、電気焼灼器のような設備がなくても治療ができる簡易的な方法です。
昔からふつうにおこなわれてる単純なイボ切除治療ですが、「〇〇〇〇メソッド」と勝手に自分の名まえを付けているクリニックがあるようです。「メソッド」と呼ぶような特別なやり方はありません。
ハサミでのいぼ治療の欠点
ハサミでの切除は簡易的におこなえる一方、マイナス面もあります。盛り上がりが少ないイボ、平坦なイボはハサミの刃がかからないため、除去ができないことです。ですから、すべてのイボを治療することができません。
欠点は治療後の「瘢痕形成」です。治療後に白く盛り上がった傷痕(瘢痕)が残る場合があります。体質、治療の手技、イボの大きさ、治療部位などが関係しています。
起こりやすい部位は胸部(とくに胸の谷間や乳房)、腹部、背部です。この部位のハサミでの切除は避けるべきと思います。いったんこのような瘢痕ができると治療方法が無いので気をつけてください。
7)治療の流れ
これまで、いぼについて、スキャナ付き炭酸ガスレーザー「コア」によるイボの治療について説明いたしました。
イボレーザー治療のカウンセリングをご希望の方はWEBからの予約制になっております。
①予約・初回相談・再相談
WEB予約
「予約サイト」へいき、選択メニューボタンで上から2番目の
をクリックいただき、「多発したイボ」のご相談 を選択ください。上はバーナーになっていてクリックすると予約サイトにいきます。
予約のしかたの動画です。
診察
診察は院長の私がおこない、スライドを使って麻酔、治療、ダウンタイムなどの説明をおこないます。
テスト照射
レーザー治療の経過を確認されたい方は、希望治療範囲のイボ4個程度を炭酸ガスレーザーで治療します。テスト照射の目的は傷の治り具合(照射→かさぶた→紅斑→治癒)の過程を小さな範囲で体験いただくことです。
初診のまえにご確認ください
● 治療希望部位に、他院での液体窒素や炭酸ガスレーザーによる治療後の炎症後色素沈着がある状態で当院のいぼレーザー治療はお受けいただけません。炎症後の色素沈着が完全に消退してから治療可能となります。炎症後色素沈着の部分にイボが残存または存在し、そこにレーザーを照射すると局所的に色素沈着が生じたり色素脱失の恐れがあるためです。
● 歯科治療の麻酔や、手術、他の美容施術で使用した麻酔で、気分不快(めまい、息苦しくなる、吐き気などの症状)や皮膚のかゆみ、かぶれなどの症状が出たことがある方は、治療をお受けいただけない場合があります。治療をお受けいただけると判断した場合も、1回の治療範囲を限定しておこなっております。
● 初診(WEB予約)+テスト照射⇒2)お見積り(後日・WEB予約)と治療予約⇒3)治療(後日・TELまたは窓口予約)と治療までに3回のご来院が必要となります。
● 過去に当院にて初診・初回相談または治療をお受けになられたことがある患者様において、初診または最終治療のいずれか直近の日付から1年を経過している場合、再度初診の診察から治療開始または治療再開となります。
②お見積り
数の計測と料金見積り
- 見積りのご予約はWEB予約サイトからのみ承ります。当日~28日先の日程までのご予約が可能となります。※見積り日ではありません。見積りの予約受付日です。
- WEBからの予約方法については、こちらをご覧ください。
- 見積りの有効期限は見積り実施日の翌日から4か月間です。
- クリニック指定の区分毎に患者様のご希望範囲を計数いたします。
- 腕、腸骨以下の下腹部、そけい部(股)、脚の治療は行っておりません。ご希望がありましても計数はいたしかねます。
- ワキのみの治療は行っておりません。ワキは他の体幹(デコルテ・胸腹部・背部)の範囲と同時治療をご希望の場合に計数いたします。
- 治療希望範囲を複数回に分けて治療を行う場合において、見積り有効期限内に治療ができなかった範囲については再度見積りが必要となります。※要予約、要見積り費用¥3,300。
レーザー治療の予約(電話またはクリニック受付にてご予約を承ります)
- 見積りが終わりましたら、治療の予約となります。
- ご予約は翌月末日までの間に1患者様あたり1件お取りいただけます。例)3/1時点の予約可能日は4/30まで
- 治療個数により確保する予約時間(予約枠)が異なるため、1回のお見積りで計数した範囲すべてを同日に行えない場合がございます。
- 1来院で治療可能な最大個数は2000個です。
- 1来院で1751個以上2000個以下の治療が可能な曜日は土曜日のみとなります。
③レーザー治療当日
痛み対策
- 麻酔:治療希望範囲を蛍光ペンでマーキングした後クリーム麻酔を塗布します。麻酔時間は30分程度です。顏にいぼが多発している場合は、麻酔の注射を用い神経ブロックをします。
- 消炎鎮痛剤内服:レーザー治療中の痛みを最小限とするため、治療直前に鎮痛剤と胃薬を内服していただきます
レーザー照射
イボを治療する際には拡大鏡を使用して、裸眼では見えない小さいイボまで治療します。小さいイボが取り残されていると、数ヶ月~数年かけて増殖して結局もとの状態に戻るからです。
スキャナ付き炭酸ガスレーザーによるイボ治療(動画)
※レーザー操作時の音がでます。電車の中ので視聴ではご注意ください。
レーザー治療の様子
炎症後色素沈着
レーザー治療後かさぶたがはがれるまでは顔で7日程度、身体で14日程度です。その後赤みや炎症後色素沈着が残ります。赤みや炎症後色素沈着が消えるまでに、顔・首・デコルテは3か月~6か月程度、胸腹部・背中は1年~1年6か月程度を要します。炎症後色素沈着が起こる確率は顔では約20%、頸部では50%、胸腹部では100%で出現します。治療痕の経過には個人差があります。
炎症後色素沈着の防止・軽減の目的で治療直後から2ヶ月分のトラネキサム酸の内服(250mg錠/回を1日朝夕2回)を処方します(\2,640)。
その他治療後の注意点
- 治療当日は運動・飲酒はお控えください。
- 治療後3日間は入浴をお控えください。洗顔・シャワー浴は当日より可能です。
- 消炎鎮痛剤・かゆみ止め・トラネキサム酸(炎症後色素沈着予防)の内服をしていただきます。内服薬はすべて飲みきりとなります。途中で自己中止しないようお願いします。
- かさぶたが全てなくなるまでは、治療部位全体に1日2回ワセリンを塗布していただきます。
- かさぶたがはがれてなくなるまでは治療部位には日焼け止めの使用とお化粧ができません。
- 注射麻酔を使用した場合、高い頻度で注射針穿刺による内出血が生じます。内出血による赤や黄色の色調が完全に消退するまでに2~3週間程度を要します。内出血の色調消退には、個人差があります。
- かさぶたがはがれるのは顔で7日程度、身体で14日程度です。その後赤みや色素沈着が残ります。赤みや色素沈着が消えるまでに、顔・首・デコルテは3か月~6か月程度、胸腹部・背中は1年~1年6か月程度を要します。治療痕の経過には個人差があります。
- 内服後に発疹・痒みなどの症状が出た場合、創部・創周囲が明らかに腫れている、膿んでいる等異常がありましたら、すぐに受診してください。
- 治療1か月後に経過診察にお越しいただきます。
8)症例紹介
【上記症例の詳細】頸部のすべてのイボ取り目的で受診。イボの個数は300個。費用:見積もり費用\3,300、レーザー費用 \330円×300個=\99,000、麻酔クリーム \2,200、内服抗生剤 \1,100、トラネキサム酸(2か月)\2,640、総治療費用 \108,240。治療のリスク:治療後の炎症後沈着、瘢痕
9)料金
スキャナ付炭酸ガスレーザーによるイボ治療費用はこちらをご覧ください。
10)クリニック移転によりイボの炭酸ガスレーザー治療はどうかわったか
当院は2024年11月に現在地に移転いたしました。
内装がきれいになったせいか、以前からご来院いただいていた患者様からは「(お金が儲かる)美容だけに特化したのではないか」、「移転で費用が高くなったのではないか」、「以前と同じようにまじめなレーザー治療をおこなうのか」というご心配をお聞きすることがあります。
しかし、ご心配に及びません。保険診療の皮膚科が出発点である私は、これからも移転前と同じようにまじめな医療を提供します。
私は2005年、まだレーザー機器が普及していなかったころから、炭酸ガスレーザー、Qスイッチレーザーなどを用いた治療をおこなっています。以降、様々なレーザーやその他の機器を買いそろえて、現在では大手美容クリニックはもとより、大学病院より設備が充実しています。
私の得意分野はレーザー治療です。開業時に比べると、近隣にはいくつもの一般皮膚科が開業して医療体制は充実しています。これからは、私の長年のレーザー治療の経験が生きる得意分野で皆様の悩みに役立とうと考えています。当院は機器が多く、機器を用いた治療では顔やお体に麻酔を塗ることが多いです。また治療後の冷却するスペースなどたくさんの用途別の部屋が必要とされます。さらに患者様のプライベートには細心の配慮が必要です。かってのクリニックではそれが不可能でした。現在のクリニックはこれらの課題を解決すべく設計をおこないました。
ですから、「安心、安全の治療を提供する」という私の姿勢は変わっていませんし、施術の費用も変えていません。これまで通りの医療をまじめておこなっていきます。以下のようなことが移転によりできるようになりました。
初診時の待ち時間が最大3時間から5分以下になりました。
移転前は一般の保険診療をおこなっていたので、通常の皮膚科クリニック同様、大変待ち時間がながくてご迷惑をおかけいたしました。初診で3時間待ちにもなり、お叱りを受けていました。
受付→診察→会計までの時間が大幅に短縮しました。
移転前は一般の保険診療をおこなっていました。通常の皮膚科では1)ご来院いただき、患者様の氏名、住所などの確認、問診票の記載をお願いします。2)それから事務職員がパソコンに入力します。3)長い待ち時間があったのちに、4)診療、4)そして会計までの待ち時間とかなりの時間をおまちいただくことになります。当院もそのようなクリニックでした。
現在は、WEBからの予約システムと事前問診票の記載をお願いしています。皆様の事前のご協力で受付→診察→会計までの時間の短縮ができました。初診の待ち時間は5分以下となっています。また、診察や治療の内容によっては、治療前に会計をおこなうことも可能になっています。治療後は身支度を整えいただいた後に待たずにお帰るになることが可能になりました。
現在のクリニックでは待合室、治療室をプライベートを重視した配置にしました。。
【受付前の待合】
移転前は常に混在し、受付前の待合で多くの人が長時間待たれていました。
現在は予約制になっていますので、混雑することはありません。一人一人が間隔を空けて座れるようになっています。
【治療前の待機室】
「治療前の待機室」は、治療前にお顔やからだに麻酔のクリームを塗って30分ほどお待ちいただく待合です。移転前はクリニックの構造の関係で左の写真のようになっていました。
現在は椅子と椅子の間に間仕切りを設置して、プライベートに配慮した設計にすることができました。
【治療室】
イボのレーザー治療をおこなう部屋です。移転前はビルの構造と消防法の制約で間仕切り壁の天井側に30㎝程の隙間が空ており、カーテンで仕切っていました。部屋と通路の間で声や音が洩れ聞こえることがありました。
現在は私が診察室から出入りする通路以外は遮蔽されています。部屋と通路で声や音が聞こえることは大声を出さない限りほとんどありません。
10)よくある質問
答えは質問をクリックすると表れます。
Q1. レーザー治療は「夏」避けたほうが良いのでしょうか?
【レーザー治療は「夏」避けたほうが良いのでしょうか?】
春から夏にかけて日差しが強くなってきます。 当院では多発したイボのレーザー治療において「レーザー治療は夏には避けたほうが良いですか?」、「汗をかく季節に治療して大丈夫ですか」という質問をたびたびいただきます。これに関して回答させていただきます。
結論から言うと、「レーザー治療は(夏季を含めて)いつ受けていただいてもよい」となります。 その理由を説明します。
「レーザー治療は夏には避けたほうが良い」と言われている理由は、おそらく「日焼けした肌にはシミ・ソバカスのレーザー治療、医療レーザー脱毛ができない」からです。四季に関係なく、日焼けしている肌にはレーザー照射ができません。「夏避けたほうが良い」ということではありません。
もうひとつの理由は、「レーザー治療後に日光(紫外線)を浴びるのがよくないから」という理由ではないでしょうか。イボをレーザーで治療すると、治療部には炎症後の色素沈着が一時的におこります。炎症後色素沈着は治療後1~1.5か月でピークに達して後、6か月から1年で消失します。治療部位に強いあるいは長く日光(紫外線)があたると、ピーク時の色調が濃くなり、消失するまでの期間が長くなる可能性があります。そのために治療後は季節に関係なく遮光、日焼け止め(サンスクリーン)の使用をすすめています。
この2つの理由は、「夏避けた方がよい」というのではなく、「紫外線を避ける」ということを表しています。したがいまして、「レーザー治療は夏には避けたほうが良い」というのは間違いで、正しくは「レーザー治療では紫外線を避けたほうが良い」ということになります。当院ではイボのレーザー治療において、顔には日焼け止め(サンスクリーン)の使用をすすめています。からだでは通常、服で覆われているので、とくに注意する必要はありません。
【「夏場の発汗が傷によくない」という疑問に関して】
多発したイボのレーザー治療では、治療後の傷に関して、「夏場の発汗が傷によくない」と思われる方がいらっしゃるようです。昔々、エアコンが普及していない時代、メスを用いた縫合が必要な手術で夏場は傷口が化膿しやすいといわれていました。それで涼しくなってから手術をおこなっていた時代があります。エアコンがある現在は、このようなことはありません。また、イボのレーザー治療では、表皮から真皮上層を蒸散させる浅い傷なので、発汗で傷の治りが悪くなる、感染症の危険性が増えることはありません。 以上の理由から多発したイボのレーザー治療においても「「レーザー治療は夏には避けたほうが良いですか?」、「汗をかく季節に治療して大丈夫ですか」という質問に対しては、「レーザー治療は(夏季を含めて)いつ受けていただいてもよいです。」とお答えしています。
【レーザー治療に適したタイミング】
多発したイボでの顔全体を治療する場合、術後の赤みが顔全体に及び、その後、カサブタとなります。カサブタが取れるのは治療から7~10日程です。この間は人に会うのが嫌な方も多いと思います。ですから、治療は学校、お仕事で長期のお休みが取れるタイミング(2、3月の卒業から入学までの間、5~6月の大型連休、夏季休暇、年末年始など)でおこなうのは良いとアイデアです※。 ※長期のお休みが取れるタイミング(2、3月の卒業から入学までの間、5~6月の大型連休、夏季休暇、年末年始など)はレーザー治療の繁忙期でもあります。全ての方が希望時期、希望日に治療をお受できないこともあります。
【夏季のレーザー治療の避けた方がよい方】
「レーザー治療は(夏季を含めて)いつ受けていただいてもよい」というお話をしましたが、以下のような方は、紫外線を浴びる(日に焼ける)状況にあるので、夏季の治療を避けた方がよいと思います。 ・昼間に長時間屋外で作業する ・釣りやマリンスポーツで頻繁に川や海に行く ・登山によく行く といった人です。
Q2. イボの炭酸ガスレーザー治療は保険適用ですか?
当院では炭酸ガスレーザー治療を保険適用でおこなっていません。自費診療でおこなっています。レーザー治療を「イボ焼却法」として保険適用でおこなっているクリニックはあります。毎回、数個づつ治療することが多いようです。
Q3. 扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)は普通のイボと違うのですか?
扁平疣贅は顔、頸部、手背にできる肌色から薄い褐色の平たいイボです。子供から大人まで広い年齢層におこりますが、とくに若い女性に多く見られます。
扁平疣贅の原因ウイルスは尋常性疣贅(ふつうのイボ)とタイプが異なります。
異なるウイルスなので、臨床症状もふつうのイボとは異なります。
若い人の顔、頸部によくできる原因は顔剃り、髭剃りによって微細な傷ができ、そこにつぎつぎと感染がおこるからです。
治療にはヨクイニンの内服をおすすめしています。経験的に扁平疣贅はレーザー治療の効果が薄い印象があります。レーザーでとってもすぐに再発するのです。当院では扁平疣贅にはレーザー治療をおこなっていません。
扁平疣贅の特徴に自然消退があります。なんらかのきっかけで突然、扁平疣贅とその周辺に発赤ができ、数週間程度で全部消えるのです。
ですからレーザー治療をおこなわずに、よく苡仁を長期内服して、自然に消えるのを待つのが最善の策と思っています。年単位の長い時間がかかることもあります。
Q4. イボがある時期から急速に増えましたが、大丈夫でしょうか?
イボの増殖とからだの免疫とは関係があると思っています。病気、妊娠、ストレス、内服ステロイド剤の継続、免疫抑制剤により治療などからだの免疫に変調をきたす状態ではイボの数が急速に増える場合があります。また、数が増えていく過程である時期を境にイボの増殖のスピードが増すことがあります。ウイルス量が増えることでイボのウイルスに対するからだの免疫反応が抑制されいていると考えています。
Q5. イボの取り放題はやっていますか?
定額でのイボの取り放題はおこなっていません。イボのレーザー治療費用をご覧ください。
Q6. 頸部以外のイボもレーザーで治療?できますか?頸部のみに治療しかおこっていないクリニックが多いようです。
頸部以外の治療もおこなっています。顔面、頸部、胸部、腹部、腋窩(ワキ)、背部の治療をおこなっています。
Q7. 目のキワのイボも治療できますか?他のクリニックでは治療は不可能と言われました。
目のキワ(眼瞼縁)のイボ治療も可能です。局所麻酔注射をおこない、濡れたガーゼで眼球を保護しながらレーザー照射をおこないます。
Q8. 炭酸ガスレーザーは身体のどの部位でも治療できますか?
顔面、頸部、胸部、腹部、腋窩(ワキ)、背部のみをおこなっています。手足、四肢のイボのレーザー治療をおこなっていない理由は、治療部位に傷を残る可能性が高いからです。
Q9. Qスイッチレーザーでイボは取れますか?
Qスイッチレーザーにはルビー、アレキサンドライト、Nd:ヤグの3種類のレーザーがあり、メラニン色素に反応します。表皮でメラニン産生が強い「色がついているイボ」であれば、これらのレーザーの効果はあります。強い出力で照射すればメラニンが発熱してイボを焼いてしまうからです。欠点としては色のついていない、色が薄いイボに対しては効果がないことです。炭酸ガスレーザーがあるクリニックであれば、イボの治療にあえてQスイッチレーザーを使う理由は私には不明です。
Q10. 炭酸ガスレーザーにもいろいろな種類があるようですが、ベストなのは?治療効果の違いはあるのでしょうか?
さまざまなメーカーが炭酸ガスレーザーを販売しています。従来型(通常型)に加えて、スキャナ付きのものもあります。数個程度の少ないイボであれば、機種での違いはあまりないと思っています。医師の技量と経験は大切で、治療結果を左右します。
【スキャナ付炭酸ガスレーザー「コア」】
効果の違いがでるのは多数のイボを治療する場合です。当院所有のシネロンキャンデラ社製スキャナ付炭酸ガスレーザー「コア」を用いると短い時間で治療できます。スキャナ付炭酸ガスレーザーはコンピューター制御なので、長時間治療する医師の負担も少ないのが良いです。大量のイボでも比較的短時間で治療できるので患者様側はもとより医師側の体力の消費も少ないので安定した効果を発揮できます。医師の拘束時間を短縮できることは、治療費を抑えるのに貢献します。「多数のイボ治療では、高性能の炭酸ガスレーザーを使うことで、治療費が安くなる」というパラドックスが成り立ちます。当然のことながら、高性能の炭酸ガスレーザーでのイボ治療後の傷跡はとてもきれいで、従来型炭酸ガスレーザーより優っています。
Q11. イボの予防法について教えてください?
イボは皮膚の中で増殖して、角層にも含まれます。皮膚はターンオーバーをおこなっているので角層は垢(あか)となって剥がれ落ちます。プール、公共浴場、スポーツジムでは垢が地面に落ちているので感染する可能性はあります。
また、自分と他人の皮膚が煩雑に擦れるような状況では、皮膚から皮膚に直接感染がおこる可能性があります。気になる方は以下のことにご注意ください。
- 公共の場所でははだしで歩かない
- 公共のシャワーではサンダルを使用する
- 足の湿ったまま放置せず、乾燥させる
- タオルの供用を避ける
- 他人のイボを触らない
11)まとめ
イボはウイルスの感染でおこります。放置するとどんどん広がっていくことがあります。
当院では、イボのレーザー治療にシネロンキャンデラ社のスキャナ付き炭酸ガスレーザー「コア」をつかって治療します。
当院のイボのレーザー治療の特徴は
- たくさんのイボを1回の治療で取ります。
- 麻酔クリームを用いて痛みを最小限にします。
- 多数のイボを1個330円で治療します※。※条件があります。
- 炭酸ガスレーザーのなかの最高機種スキャナ付き炭酸ガスレーザーを使います。
となります。
WEB予約
「予約サイト」へいき、選択メニューボタンで上から2番目の
をクリックいただき、「多発したイボ」のご相談 を選択ください。
スキャナ付炭酸ガスレーザーによるイボ治療の概要
診療区分 | 自由診療 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
照射出力等 | 0.5~4J/c㎡ | ||||||||||||
治療期間及び回数 |
1回で終了 | ||||||||||||
施術によるリスク・副作用 | 治療直後にはレーザー照射部位に発赤と軽い痛みがでます。 治療後は一過性の炎症後色素沈着が起こります。 治療部位には凸凹とした治療痕が残ることがあります。 |
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施術に要する費用 |
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承認区分 | スキャナ付炭酸ガスレーザー・コアは国内承認機器です。 |
注)治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。
治療に用いる医薬品および機器は当院の医師の判断の元、個人輸入の続きをおこなったものです。
個人輸入において注意すべき医薬品等についてはこちらをご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1.html