保険診療のご案内

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円形脱毛症

円形脱毛症の病型と症状

円形脱毛症は外来患者数の2~5%を占める頻度の高い疾患です。
頭髪や眉毛(まゆげ)、髭(ひげ)が抜けてしまいます。
多くは30歳までに発症して男女差はありません。小児、学童にも出現します。
家族内でおこることがあります。

病型

以下の4つの型があります

  • 1)通常型
    小型の脱毛斑が1個(単発型)から数個ある。もっとも多い型。
  • 2)全頭型
    頭髪のほとんどが脱毛する。
  • 3)汎発型
    頭髪のみならず全身の体毛も脱毛する。
  • 4)蛇行型
    頭髪(とくに後頭部から側頭部)の生え際に沿って脱毛する。蛇行型は小児に主にみられ、難治のことが多い。

経過

脱毛斑が小さく、数も少ない通常型では自然に治ってしまうことがほとんどです。症状が急速に進行して毛がどんどん抜けている、長く続いている、脱毛の範囲が広い場合は治療が必要になります。また、一度治ってもまた症状がでてしまうことがあります。

円形脱毛症の原因

昔から円形脱毛症は強いストレスが原因といわれています。
しかし現在では「自己免疫反応」によりおこることがわかっています。「自己免疫反応」とは体外から細菌やウイルスが体内に侵入するときにおこる自己防御反応(免疫反応)が何らかの原因で変調をきたして自分の身体に対して攻撃をおこすものです。円形脱毛症では毛を作り出す毛根の部分をリンパ球が攻撃・破壊する自己免疫反応がおこっています。なぜ自己免疫反応がおきてしまうかはわかっていません。
家族内に円形脱毛症の人がいる、双子で円形脱毛症にかかる例があることなどから、「かかりやすい体質」つまり、遺伝的素因があるだろうと考えられています。
こうした体質をもつ人に身体的、精神的負荷がかかることにより、通常はコントロールされている免疫の働きに異常をきたし、円形脱毛症になると考えられています。
私自身も32歳の時に最初の円形脱毛になりました。留学から帰国して3か月目に上司に指摘されました。帰国前に研究に追われ、寝ずにアパートの掃除をおこなったことが原因だろうと思っています。また、私の父も円形脱毛になったことがあります。また、最近、美容室で小さな脱毛があるのを指摘されました。遺伝的素因と身体的、精神的負荷の関係は納得できます。
精神的ストレスや自律神経の失調などが症状を悪化させる可能性はあります。しかし、単にそれだけで病気になるのではないということです。

※関連疾患

アトピー性皮膚炎や皮膚の色が部分的に抜ける白斑症が円形脱毛症とともに見られることがあります。また、アトピー体質(喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)があると普通の人と比べて円形脱毛症にかかりやすいといわれています。また、自己免疫性疾患である甲状腺疾患や膠原病なども円形脱毛症と関連するといわれています。

円形脱毛症の治療法

1)外用療法

クリニックを受診いただき最初におこなう治療は局所の自己免疫反応と炎症を抑えるステロイド外用剤です。また、脱毛部の血の流れを良くする塩化カルプロニウム液(フロジン液、アロビックス液)があります。

2)ステロイド局注療法

成人ではトリアムシノロンアセトニド(ケナコルト注射液)を脱毛部に直接注射すると効果的です。子供ではおこないません。

3)内服療法

飲み薬はグリチロン、セファランチンを内服します。アトピー性皮膚炎も関係していると思われる場合は抗アレルギー剤の内服が使われます。
このほか、液体窒素を用いた冷凍療法、光線療法(ナローバンドUVB)などがあります。

※局所免疫療法

SADBE(squaric acid dibutylester)、DPCP(diphenylcyclopropenone)という化学薬品を脱毛部に塗って人工的に接触皮膚炎をおこすことで、免疫を変えて脱毛症状を改善する治療法です。保険適応になっていません。
※当院では局所免疫療法はおこなっていません。