更新日:2021.1.1/公開日:2017.4.26
このコンテンツは山手皮フ科クリニック 院長 豊福一朋が100%オリジナルで書いています。
ウルトラフォーマー3
ウルトラフォーマー3はHIFU(ハイフ)(高密度焦点式超音波療法 High Intensity Focused Ultrasound)という治療原理を用います。
肌表面が赤くなったり、腫れることなく、顔のリフトアップ、肌のタイトニング(引き締め)、小じわの改善、肌質の改善をおこなうことができる機器です。
HIFU(ハイフ)での治療は皮下に熱を加えるので多少の痛みがあります。
山手皮フ科クリニックでは冷却装置を使って、皮膚表面の温度を下げながらウルトラフォーマー3で治療します。
冷却装置で傷みをやわらげることで、高出力で治療し高いリフトアップ効果を出すことに重点をおいています。

ウルトラフォーマー3

ウルトラフォーマー3先端部
HIFU(ハイフ)
高密度焦点式超音波療法(High Intensity Focused Ultrasound)
HIFU(ハイフ)とは高密度焦点式超音波療法High Intensity Focused Ultrasoundの頭文字を取ったものです。
HIFU(ハイフ)では皮膚表面のカートリッジから照射された超音波が、皮膚表面にダメージを与えることなく皮下の真皮や筋膜上の1点で集束され、瞬間的に65~75℃の高温に温めて熱凝固ゾーンを形成します。
熱凝固した皮下組織はいったんは壊れますが、創傷治癒メカニズムで新しいコラーゲンに富んだ組織となり皮下組織を新しい細胞で再構築します。
熱凝固はたるんだ筋膜・SMAS(後述)を収縮させて深部からのリフトアップを可能にします。
ウルトラフォーマー3では、皮膚に接触するカートリッジを自在に変えることで焦点の深さを1.5mm、2.0mm、3.0mm、4.5mm、6.0mmと目的、皮膚の厚み、部位によって最適な深さを治療することができます。

HIFU(ハイフ)で可能な治療
- ●リフトアップ・タイトニング
- ●目元周辺、額、口元周囲のシワの改善
- ●ほうれい線の軽減
- ●首周りのシワの軽減
- ●肌質の改善
- ●二重顎、頸部のだぶつきの改善(脂肪除去)
リフトアップ
SMAS(スマス)とは顔面皮下の各種の表情筋、筋膜、腱膜を含んだ一連の膜様組織のことをいいます。
SMAS(スマス)は顔面の骨の骨膜や深部の筋膜からでる深部リガメント(靭帯)支えられてますが、加齢により深部リガメント(靭帯)がゆるみ、重力により皮膚がたるんで”歳を取った顔になっていきます。
顔面の整形ではこのSMAS(スマス)を手術します。
従来のレーザーや超音波治療器では真皮までが限界で、筋膜やSMAS(スマス)にまでは及びませんでした。
HIFU(ハイフ)では筋膜やSMAS(スマス)に焦点を定めることが可能となり、皮膚の深部からフェースアップ、タイトニングをおこなうことが可能になっています。
HIFU(ハイフ)の技術で手術をおこなわなくてもSMAS(スマス)を引きあげ、顔のタイトアップが可能となりました。

HIFU(ハイフ)とレーザーの違い
フラクショナルレーザー
フラクショナルレーザーは皮膚の再生(若返り)とリフトアップ効果があります。

(1)皮膚の入れ替えによる若返り
フラクショナルレーザーは皮膚の表皮、真皮上~中層にかけて微細な熱傷を作り、老化した皮膚を熱凝固で壊します。
熱凝固した皮膚は新たに作られた若い皮膚に置き換えていきます。
この新たにできた若い皮膚は弾力性のある若いコラーゲンに富んでいて肌の弾力性を取り戻し、薄くなっていた皮膚が厚くなり見た目も若くなるのです。
この皮膚の熱凝固と再生を場所を変えて繰り返すことで上~中層の老化した皮膚が新たに再生した若い皮膚と入れ替えられていきます。
1540フラクショナルレーザーは1回の照射で皮膚の20%を入れ換えます。
理論上は5回の照射で皮膚が一通り入れ替わることになります。

(2)リフトアップ効果
もう一方の効果はリフトアップ効果です。これまでは皮膚の縦断面の変化を見てきましたが、次は皮膚の表面を上から見てみましょう。

フラクショナルレーザーでのリフトアップのメカニズムは皮膚に熱傷をつくることにあります。
皆さんはステーキを鉄板で焼くと小さくなるのをご存知と思います。
たんぱく質に熱を加えると収縮するという原理です。
フラクショナルレーザーは皮膚に生け花の「剣山」のように熱傷をつくります。
一つ一つの熱傷の部分(下図ではピンクの円)は焼いたステーキのようにそれぞれが収縮します(下図の茶色の円)。
熱傷により照射部位全体の面積(ピンクの円を囲んだ黒い円)が減って小さくなっていきます(茶色の円を囲んだ縮小した黒い円)。

フラクショナルレーザーを顔全体に照射すると毎回わずかながら顔全体の表面積が小さくなり、照射回数を重ねるうちに顔のリフトアップが起き、小顔になっていきます。
フラクショナルレーザーのやけどは非常に小さく、すぐに周囲の皮膚から修復されていくので、通常の熱傷のように跡が残ることがありません。
フラクショナルレーザーの皮膚の若返りとリフトアップのメカニズムは素晴らしいものです。ただし毎回少しずつ効果が出るために1,2回の照射でリフトアップを実感するのはむつかしく、5回、10回と繰り返し照射する必要があります。また、フラクショナルレーザーは真皮深層、筋膜・SMAS(スマス)までは届かないため、皮膚深部からのリフトアップは不得意です。
HIFU(ハイフ)
フラクショナルレーザーが皮膚表層の表面積を減らすことでリフトアップの効果があるのに比べて、HIFU(ハイフ)は皮膚の深部からのリフトアップ効果を発揮します。
HIFU(ハイフ)ではカートリッジで設定された深さで皮下に高温の焦点をつくり、ピンポイントで熱凝固をつくります。
4.5mmカートリッジは筋膜・SMAS(スマス)のみに熱凝固点をつくります。
3.0mmカートリッジは真皮深層に、1.5mmカートリッジは真皮上層に熱凝固をつくります。
3つのカートリッジを使用して真皮上~深層と筋膜・SMAS(スマス)を治療することで、皮膚全層からのリフトアップが可能となります。
1回の治療で効果を発揮し約半年間持続します。
表皮の”置き換え”はできないので、肌質の改善、毛穴の開きの改善はやや不得意といえます。

HIFU(ハイフ)とフラクショナルレーザーの効果比較
治療方法 | HIFU(ハイフ) | フラクショナル 1540レーザー |
機種 | ウルトラフォーマー3 | 1540フラクショナルレーザー |
治療部位 | 真皮上層~深層、筋膜・SMAS | 表皮、真皮上層~中層 |
リフトアップ | ★★★★★ | ★★★★ |
小顔効果 | ★★★★ | ★★★★★ |
毛穴の開き改善 | なし | ★★★★★ |
肌の引き締め | ★★★ | ★★★ |
肌質改善 | ★★★ | ★★★★★ |
中ジワの改善 | ★★ | ★ |
小ジワの改善 | ★★★ | ★★★ |
治療方法 | HIFU(ハイフ) | フラクショナルレーザー |
機種 | ウルトラフォーマー3 | 1540フラクショナルレーザー |
適応 | 1回での顔のリフトアップ 1回での小顔 頬部・あごのたるみ 目じりのシワ | 継続治療での顔のリフトアップ 継続治療での小顔 毛穴の開き 肌質改善 |
一般には顔のリフトアップ、頬部、あごのたるみ、目じりのシワにはHIFU(ハイフ)が適しています。
顔のリフトアップもしたいけれども、毛穴の開きをなくしたり、肌の細胞を入れ替えることで肌そのものの若返りをしたい方はフラクショナルレーザーが適しているといえます。
治療の流れ
(1)カウンセリング
お電話にてカウンセリングの予約をおこなってください。医師によるカウンセリングをおこないます
カウンセリングで治療内容をご理解いだだきましたら、同意書をお渡しいたします。
治療は後日となります。カウンセリングと同日に
治療できない方は以下の通りです。
- ●ペースメーカー、シリコン、インプラント、金属糸(金属プレート)などを体内に埋込んでいる方
- ●美容治療で金属糸(金の糸など)、フェースアップ用、やシリコンが皮下に入っている方
- ●ヒアルロン酸注入などのフィラー剤による治療を1週間以内にされた方
- ●糖尿病、心臓疾患、発熱、感染、治療部位に感染症や重度の皮膚疾患、ケロイド体質の方
- ●妊娠中の方、またはその可能性のある方
- ●以前、麻酔によってアレルギーやショック症状をおこされた方
(2)HIFU(ハイフ)治療
同意書を確認して治療をおこないます。
照射に際してはクリーム等による表面麻酔は使用しません。
治療中には軽い痛みがあります。
治療時間と効果の目安は下の表をご覧ください。
使用カートリッジ | ショット数目安 | 施術時間 | 効果の期間 | 施術者 | |
全顔 | 2.0、3.0、4.5mm | 680程度 | 40分 | 6カ月 | 医師 |
(3)治療後
治療後に顔が赤くなることはほとんどなく、そのままお帰りになれます。
治療後1週間ほどは皮膚の深いところに軽い筋肉痛のような痛みが残ることがあります。
ほかにも以下の点にご注意ください。
- ●シャワー、入浴は当日から可能です。
- ●メイク、洗顔は治療直後より可能です。
- ●照射直後は照射部位に赤みが出ることがありますが、数時間内でおさまります。反応によっては軟膏やクリームを処方します。
ウルトラフォーマー3料金
ウルトラフォーマー3料金はこちらをご覧ください。