更新日:2024.6.2、公開日:2017.4.25 こちらのコンテンツは、院長の豊福一朋が自身のこれまでの研究ならびに経験、関連書籍、学術報告などをもとに独自に作成したものです。将来において当院における治療方法、治療後の処置、使用機器、治療の流れなどについて内容が変更となる可能性があります。院長の経歴はこちらをご覧ください。 当院ではウルトラフォーマー3からウルトラフォーマーMPTへ移行準備中です。料金設定も準備中です。 目次 1)ハイフとウルトラフォーマーMPTとは?その効果と原理について ハイフとウルトラフォーマーMPTの概要と仕組み ハイフとウルトラフォーマーMPTによる効果とメリット HIFU(ハイフ)とレーザーの違い HIFU(ハイフ)とフラクショナルレーザーの効果比較 ハイフとウルトラフォーマーMPTのデメリットとリスク 2)ハイフとウルトラフォーマーMPTで改善できる目元の問題とその詳細 ハイフとウルトラフォーマーMPTが対処できる目元の悩み ハイフとウルトラフォーマーMPT施術後の目元の状態 3)ハイフとウルトラフォーマーMPTの施術の手順と注意点 ハイフとウルトラフォーマーMPTの治療の流れと施術時間 ハイフとウルトラフォーマーMPTの施術の痛みと副作用 施術後の腫れや赤み対策 施術前後のメイクとシャワーの可否 4)ハイフとウルトラフォーマーMPT施術におけるクリニックの選択 医師の実績や症例の豊富さ 最新機器の導入とその影響 カウンセリングやアフターフォローの質 5)ハイフとウルトラフォーマーMPTの治療に関するよくある質問 効果の個人差と効果の持続期間 有効な施術間隔 だれでにでも効果がありますか ウルトラフォーマーMPT料金 ハイフとウルトラフォーマーMPTとは?その効果と原理について ウルトラフォーマーMPTはHIFU(ハイフ)(高密度焦点式超音波療法 High Intensity Focused Ultrasound)という治療原理を用います。 肌表面が赤くなったり、腫れることなく、顔のリフトアップ、肌のタイトニング(引き締め)、小じわの改善、肌質の改善をおこなうことができる機器です。 HIFU(ハイフ)での治療は皮下に熱を加えるので多少の痛みがあります。 ハイフとウルトラフォーマーMPTの概要と仕組み HIFU(ハイフ)の治療原理 超音波治療 HIFU(ハイフ)は高密度焦点式超音波療法 High Intensity Focused Ultrasoundの略で、頭文字を合わせたものです。 HIFUの機器の先端部分(超音波素子といいます)は凹面になっていて、ここから超音波を発生させ、1点(焦点)に集めます。 小学生の理科の授業で太陽光を虫眼鏡で焦点に集めて紙に火を起こした経験がおありと思います。 同じ原理です。焦点が皮膚の場合、そこには強い振動がおこり超音波は熱に変換されます。皮膚では65~75℃となります。 HIFUでは超音波をある一点(焦点)に集めて発熱させることが治療の原理となっている。 超音波素子(超音波を発生させる部分)の凹面の曲率をかえることで、超音波が集束する点を調整することができます。 凹面から焦点までの距離を焦点距離といいます。 HIFU ではカートリッジを交換することで焦点距離を変えることができます。 焦点距離を変えることで真皮、皮下組織(脂肪組織)、SMASといった目的の組織に作用させます。 超音波の焦点距離.凹面の曲率半径が大きい(凹みが浅い)と焦点距離は長くなる。曲率半径が小さい(凹みが深い)と焦点距離は短くなる。 ウルトラフォーマーMPT ウルトラフォーマーMPTは超音波が熱を発生する原理を用いた治療機器です。以下のような症状に対して使います。 リフトアップ・タイトニング 目元周辺、額、口元周囲のシワの改善 ほうれい線の軽減 首周りのシワの軽減 肌質の改善 二重顎、頸部のだぶつきの改善(脂肪除去) 左:ウルトラフォーマーMPT本体、右:治療に使う先端部分(プローブ). 皮膚に接触する部分に取り換え式のカートリッジがある。ここから超音波が発生する。 ウルトラフォーマーMPTの仕組み ウルトラフォーマーMPTでは先端部分(プローブ)に取り換え式のカートリッジをつけます。 顔の施術の場合、1.5㎜、2㎜、3㎜、4.5㎜のカートリッジを使います。それぞれの深さに超音波の焦点をつくります。 ウルトラフォーマーMPTのカートリッジ. 1.5㎜~4.5㎜のカートリッジを顔では使用します。○○㎜とは皮膚表面から超音波となる熱凝固点をつくる深さです。それぞれ、真皮、真皮深層、真皮深層~脂肪組織、SMASと作用する組織が異なります。当院では3,4.5㎜を使用します。 下の図はカートリッジを変えることで、どのような作用をするかを表した図です。 図左では3㎜のカートリッジをつかっています。皮膚の深さ3㎜に焦点がきて、熱を発生します。ここには真皮があります。 真皮の紫外線で老化がおこる場所です。真皮の老化は皮膚の弾力性を低下させて、小じわ、毛穴の開き、ハリの低下を招きます。 右は4.5mmのカートリッジをつかっています。4.5㎜の深さに焦点がきて熱を発生します。ここには皮下組織(脂肪組織)、SMAS(Superficial Musculo Aponeurotic System スマス)※、靭帯(deep retaining ligament)があります。 SMASが加齢によりゆるむと脂肪が重さで下垂して、たるみの原因になります。 3㎜あるいは4.5㎜の深さに瞬間的に65~75℃の高温部をつくり微細な熱傷を与えます。それぞれ真皮、SMASにタイトニングをおこないます。4.5㎜では下垂している脂肪組織を減らします。 フェイスリフトでは4.5㎜のプローブが活躍します。4.5㎜の深さはレーザーでは到達することでできません。 ※ SMASに関しては後述しています。 焦点距離と照射深度. カートリッジの超音波素子の凹面の曲率をかえることで、焦点距離を変えることができます。 ウルトラフォーマーMPTでは、ドットモードとライナー式MPモードの2つの照射方法があります。 ドットモード 従来のウルトラフォーマー3からある、オーソドックスな照射モードです。 機器の先端(プローブ)を皮膚表面をすべるように動かして、施術をおこないます。4.5㎜→3㎜→2㎜と深いところから浅いところへ治療部位を移していきます。 熱凝固点は一定の間隔でターゲット部位に対して、コラーゲン生成を誘発し、肌のリフトアップ効果もたらします。 ウルトラフォーマーMPTのドットモード. 一点一点が65~75℃の高熱となる。2.0㎜では真皮、3.0㎜では真皮深層から脂肪組織、4.5㎜ではSMASに確実な熱凝固点をつくる。ライナー式MPモードより高い熱を発生されることができる。 ライナー式MPモード ドット状の熱凝固点が短時間に多数できます。線状に見えますが、実際はドットが多数連続しています。 ターゲット組織を一貫して高密度に加熱することができます。 ウルトラフォーマーMPTのライナー式MPモード. ドットが連続してライナー(線状)に熱を加えることができる。一点一点はドットモードより低い発熱となる。 照射深度と皮下組織 皮膚では表皮の厚さは0.2mm、真皮は2~3mm、真皮の下の皮下組織は脂肪が豊富です。 顏では皮膚表面から4.5mmのところにSMAS(スマス、表在筋腱膜群)という顔の皮膚を引き上げている組織があります。 SMASの下は筋層です。 ウルトラフォーマーMPTでは、皮膚に接触するカートリッジを自在に変えることで焦点の深さを1.5mm、2.0mm、3.0mm、4.5mmに調整できます。 下のように、それぞれに深さで皮膚組織のどこに熱を加えるかが異なります。 焦点熱損傷部位が真皮では皮膚のリジュビネーション、タイトニング、皮下組織(脂肪組織)では脂肪減少、SMASではフェイリフトの効果があります。 照射深度 目的組織 効果 1.5mm 真皮浅~中層 リジュビネーション、タイトニング 2.0mm 真皮中~下層 リジュビネーション、タイトニング 3.0mm 真皮下層~皮下組織 リジュビネーション、タイトニング、脂肪減少 4.5mm SMAS、皮下組織 脂肪減少、フェイリフト ハイフ(ウルトラフォーマーMPT)による効果とメリット ウルトラフォーマーMPTの効果 ウルトラフォーマーMPTでは以下の効果があります。 これらの効果はどのような機序でおこるかを説明します。「リモデリング(再構築)」がキーワードです。 手術での顔の引き上げは別として、レーザー、IPL、超音波、ラジオ波(RF)でのリジュビネーション(若返り)効果は、ほとんどリモデリングで説明ができます。 微細なやけど→組織修復→リモデリング(再構成)がおこります。 リフトアップ・タイトニング 目元周辺、額、口元周囲のシワの改善 ほうれい線の軽減 首周りのシワの軽減 肌質の改善 二重顎、頸部のだぶつきの改善(脂肪除去) 皮膚の加齢で何がおこっているか 顔のたるみ、シワ、ほうれい線の出現、肌質の劣化、これらは皮膚の加齢症状です。 皮膚では何がおこっているのでしょうか? 皮膚は表皮、真皮、皮下組織(脂肪組織)から成り立ちます。 このなかで真皮の性状は皮膚の質に影響し、その劣化は顔のたるみ、小じわ、毛穴の開き、ハリの低下の原因となります。 顔のたるみの詳しい原因、治療方法は、顔のたるみ、フェイスリフトをご覧ください。 真皮で何がおこっているか 真皮の構成 真皮は2つの成分、「細胞成分」と「細胞外マトリックス」から構成されます。 「細胞成分」は線維芽細胞、マクロファージ、肥満細胞、血管内皮細胞、神経細胞です。 「細胞外マトリックス」はコラーゲン、エラスチン、基質(ヒアルロン酸など)からなり、皮膚の弾力性の維持、水分の保持をおこなっています。 細胞外マトリクスは線維が細胞から産生されます。 紫外線、喫煙、過食は皮膚の老化の原因となります。紫外線の中のUVAは真皮深くまで到達し、これ細胞外マトリックスを劣化変性させます。光老化と呼びます。 細胞外マトリックスの変性劣化により皮膚の弾力性は失われ、皮膚は薄くなり、水分が減少します。皮膚のハリがなくなり、たるむ、小じわができるといった症状として表れます。 表皮と真皮の組織写真. 表皮は厚さ約0.06~0.2㎜、真皮は2-3mm. 真皮には線維芽細胞、血管内皮細胞などの細胞成分(紫色の染まった部分)、コラーゲン、エラスチン、基質(ヒアルロン酸など)の細胞外マトリックス(赤く染まった部分)が存在している。 真皮の構成成分. 真皮の線維芽細胞はコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの基質といった細胞外マトリクスを産生する。線維芽細胞は通常は非活性でなにもおこなっていないが、皮膚に傷ができたり、治療機器で真皮が過熱され微細な熱傷がおこると、活性化して傷や熱傷の修復をおこなう。同時に細胞分裂で数を増やして細胞外マトリクスを産生する。真皮のリモデリングで重要な役割をはたす。 真皮の細胞外マトリックスの変性劣化 長期にわたって紫外線を浴びたことで真皮では、皮膚の弾力性を保つコラーゲン(膠原線維)、エラスチン(弾性線維)の変性劣化がおこります。 また、ヒアルロン酸などの基質も減少します。ヒアルロン酸は水分の保持にかかわっていて、減少すると肌のみずみずしさが減ります。 真皮の弾力性と水分保持力の低下で皮膚のたるみ、シワができます。 加齢により真皮の変化.真皮には細胞成分と細胞外マトリクスが存在します。細胞成分には、線維芽細胞、マクロファージ、肥満細胞、血管内皮細胞、神経細胞があります。細胞外マトリクスは真皮の細胞以外の成分です。コラーゲン、エラスチン、基質があります。細胞外マトリクスは皮膚の弾力性に維持の役割をもっています。紫外線(とくにUVA)が真皮に深くまで到達して、細胞外マトリクスを変性劣化させます。これが、皮膚の弾力性の低下となり、シワ、顔のたるみの原因の一つになります。細胞成分のなかで線維芽細胞は細胞外マトリクスを産生します。加齢により線維芽細胞の数は減少しています。 真皮のリモデリング 変性劣化した細胞外マトリクスを新しくできた細胞外マトリクスにおきかえることを、リモデリング(再構成)といいます。 その方法ですが、ウルトラフォーマーなどのHIFUでは真皮に微細な熱傷をつくります。 からだは熱傷を感知して、修復がはじまります。まず、線維芽細胞が活性化します。線維芽細胞は生まれてから成長期までは細胞外マトリクス(コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸など)を産生しますが、成長が止まった段階で線維芽細胞は活動を止め、細胞外マトリクスの新生は止まっています。 外傷、熱傷などで皮膚が損傷を受けると、休眠していた線維芽細胞は活動性となり、細胞分裂をおこないその数が増えます。そして、あたらしく細胞外マトリクスをつくりはじめます。 この修復過程で変性劣化した細胞外マトリクスが吸収されると同時に、新しい細胞外マトリクスが産生され置き換わっていきます。これがリモデリング(再構成)です。 真皮でのリモデリング(再構成)の過程. ウルトラフォーマーMPTでは皮下にドット状、あるいはリニア(線状)の微細な熱傷つくる。これが修復される過程で、光老化で変性劣化した細胞外マトリクスが置き換わる。 真皮以外では何がおこっているか 真皮以外ではSMASの劣化は顔のたるみの大きな原因の一つです。SMASとはSuperficial Musculo Aponeurotic Systemの頭の文字をとった略語です。 顔面の表情筋の上にある表在性筋膜のことです。 SMASが弛んで顔がたるむ 顔の組織は、表面から表皮、真皮、皮下組織(脂肪組織)、SMAS、表情筋の順番で層状になっています。 SMASは薄い筋膜で、皮膚を支える土台のような役目を持っています。 SMASの主な成分はコラーゲンです。このコラーゲンは加齢とともに劣化変性、減少していき、SMASが緩みます。 SMASの上には脂肪組織がありますが、SAMSが弛むと重力により脂肪が下垂して、皮膚全体が弛みます。 4.5㎜のカートリッジをつかってSMASに熱を加える SMASは皮膚の深層にあります。これまでレーザーや高周波では深達度が浅く、真皮や脂肪組織までが限界でSMASまでは及びませんでした。 HIFUでは4.5㎜のカートリッジを使って、SMASにアプローチができます。これは画期的な顔のたるみ治療へのアプローチとなりました。 筋膜に熱が加わると筋膜組織は収縮します。ちょうどステーキを焼くと元の大きさより小さくなる原理です。これはタンパク質に熱を加えると収縮する「タンパク質の熱凝固」という原理です。 ウルトラフォーマーMPTの4.5㎜カートリッジをつかうとちょうどSMASに熱を加え熱凝固点をつくることができます。熱凝固により加齢で弛んだSMASは収縮して顔のたるみを改善します。 HIFU(ハイフ)とレーザーの違い 顔のリフトアップをはじめ、小じわ、毛穴、肌質の改善ではHIFUを含めた超音波、レーザー、ラジオ波(RF)など様々が機器が使用されます。 それぞれ治療の原理が違うので、強い分野と弱い分野があります。 よく質問がでるHIFU とレーザー、特にフラクショナルレーザーの違いを説明します。 フラクショナルレーザー HIFUの治療原理はこれまで説明してきました。 これから1540フラクショナルレーザーを例に取りフラクショナルレーザーの治療原理を説明します。 レーザーは超音波と異なり、焦点をつくりません。皮膚に照射されたレーザー波は表皮から真皮まで連続した円柱状に熱を加えます。 円柱状の部分はやけどになります。フラクショナルレーザーでは格子状に照射部位と隣の照射部位との間に未照射部位があるので、通常のやけどのように水疱をつくることはなく、治療後のダウンタイムが少なくなるように設計されています。 円柱状の照射部位にはリモデリングが起こり、細胞外マトリックスが新しく生成されます。 HIFUと1540フラクショナルレーザーの治療メカニズムの違い. 1540フラクショナルレーザーではレーザー波が表皮から真皮まで到達して円柱状の微細熱傷をつくる。この表皮から真皮までが創傷治癒過程で再生する(リモデリング)。一方、HIFUでは皮下のある一点に微細熱傷をつくる。この深さは2、3、4.5㎜とカートリッジを効果することで変えることができる。真皮の浅層、深層、皮下組織(脂肪)SMASにターゲット絞って微細熱傷をつくる。熱傷部位は点状にリモデリングがおこる。 フラクショナルレーザーでは円柱状のやけどを作るので、治療の体積が大きいのが特徴です。 表層から真皮深層まで連続してリモデリングが起こるので、小じわ、毛穴の開き、肌質の改善に高い効果があります。 一方、SMAS、皮下組織(脂肪組織)には届かないので顔のリフトアップ効果はHIFUに劣ります。 ページのトップへ戻る HIFU(ハイフ)とフラクショナルレーザーの効果比較 ハイフとフラクショナルレーザーの効果比較表 治療方法 HIFU(ハイフ) フラクショナル 1540レーザー 機種 ウルトラフォーマーMPT 1540フラクショナルレーザー 治療部位 真皮上層~深層、筋膜・SMAS 表皮、真皮上層~深層 リフトアップ ★★★★★ ★★★★ 小顔効果 ★★★★ ★★★★★ 毛穴の開き改善 なし ★★★★★ 肌の引き締め ★★★ ★★★ 肌質改善 ★★★ ★★★★★ 中ジワの改善 ★★ ★ 小ジワの改善 ★★★ ★★★ リフトアップの観点からHIFUとフラクショナルレーザーの違い ハイフのリフトアップ効果 下の図は頬部のたるむメカニズムを示しています。SMASと靭帯が加齢による変性劣化で弛むと、脂肪の重さで皮膚は下垂します。これがたるみの原因です。 HIFUの4.5㎜カートリッジを使うと皮膚の深層まで超音波が届くのでSMASと靭帯、皮下組織(脂肪)に微細な熱傷をつくります。熱傷を起こすと組織は収縮します。 SMASと靭帯が熱凝固により収縮して、下垂した脂肪を皮膚ごと引き上げるのです。 また、同時に熱が加わった脂肪組織では脂肪細胞が破壊され、脂肪の量が減少します。 ブルドック型に下垂した頬部ではSMAS、靭帯の収縮と脂肪の減少が加わり、効果が増幅します。 頬が痩せている人は脂肪の減少によって、さらに頬がやせる可能性があります。 ハイフのリフトアップのメカニズム. 加齢によりSMASと靭帯が劣化変性して脂肪の重みを支えられなくなります。脂肪は重力により下方に移動して皮膚がたるみます。ハイフはSMASの深さで微小熱凝固点をつくることができます。微細な熱傷をおこしたSMASは収縮して脂肪組織を引き上げます。さらに靭帯にも同様な微細熱傷をおこすので、靭帯は収縮して元の位置に近づき、同時に脂肪を引き上げます。 フラクショナルレーザーのリフトアップ効果 フラクショナルレーザーでのリフトアップ効果のメカニズムはHIFUとは異なります。 1540フラクショナルレーザーを例にとると、レーザーの照射で皮膚の表皮から真皮深層まで連続して円柱状の熱凝固がおこります。 フラクショナルレーザーで皮膚の熱凝固がおこる様子. フラクショナルレーザーでは生け花の剣山のようにピクセル状あるいは格子状に熱凝固がおこります。このときに表皮から真皮にかけて収縮して、表面積が減少します。この過程で皮膚が収縮してたるみの改善がおこります。 このとき、表皮と真皮は熱凝固による組織が収縮して表面積が減少します。 たるんだ皮膚の表面積が減ることで、リフトアップがおこります。 1540フラクショナルレーザーでの表皮、真皮の変化. レーザーは表皮と真皮に柱状の熱凝固をおこします。真皮では創傷治癒の過程で新しい細胞外マトリックスが生成され、古い組織と入れかわります。同時に表皮と真皮の熱凝固部位は収縮して表面積が減少します。1つ1つの面積の減少はわずかですが、これが何百~何千か所もおこることで、顔全体の皮膚の表面積は減少します。結果、顔のたるみが改善します。 フラクショナルレーザーのリフトアップのメカニズム. 加齢によりSMASと靭帯が劣化変性します。脂肪は重力により下方に移動して皮膚がたるみます。フラクショナルレーザーは表皮から真皮深層に円柱状の凝固点をつくります。微細な熱傷をおこした表皮と真皮は治癒過程で収縮して表面積が減少します。結果、皮膚が縮むことで皮膚は引きあがります。同時に皮膚ではリモデリングで細胞外マトリックスが新しく再生して、皮膚のハリも改善します。 ページのトップへ戻る ハイフとウルトラフォーマーMPTのデメリットとリスク 皮膚障害 赤みや腫れ、ピリピリしたり、痛みを感じるなどの皮膚障害が施術中や施術直後から障害が生じたり、翌日以後に生じたりすることがあります。 皮膚には凹凸があります。プローブ(ハイフ機器の皮膚に接する部分)と皮膚の間にわずかな隙間があいた場合に起こります。 通常は数日で消えます。色素沈着が一時的におこることがあります。 クリニックではプローブと皮膚に間に隙間が空かないように圧をかけて照射します。 熱傷 出力の設定が高い場合に起こることがあります。発赤、強いと水疱が形成されます。 出力を設定する場合は、顔の部位、皮下脂肪の厚さ(皮膚表面から骨までの距離に関係する)で適正になるように出力の調整をする必要があります。 神経障害 神経障害は重篤な合併症です。 痺れや麻痺が数週間続くなど、症状が長引く傾向がみられることがあります。 特に顎にあるオトガイ神経の損傷は起こりやすい合併症です。オトガイ神経は顎の両側に位置しています。 神経は骨の上を広がり顎に分布します。この部分には深いところまで届く4.5㎜のカートリッジを使いません。 神経障害がおこりやすいオトガイ神経部位(黄色). 写真の赤い部分は顎の神経が皮膚表面に出てくるオトガイ神経孔がある場所です。ここには深度4.5mmのカートリッジでの治療は危険です。照射はおこなわないことになっています。3.0mmカートリッジは使えます。 ハイフはかって、エステで無資格者による施術がおこなわれていました。この時、熱傷や神経障害が多発して、現在ではエステではハイフはできないようになっています。 詳細は「消費者安全調査委員会 エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故 調査報告書」をご覧ください。 ページのトップへ戻る ハイフとウルトラフォーマーMPTで改善できる目元の問題とその詳細 ハイフとウルトラフォーマーMPTが対処できる目元の悩み 目元、目回りは皮膚が極めて薄く、眼球に近いので、治療ではデリケートな部位です。従来、切開術(手術)が必要とされていました。 ウルトラフォーマーMPTでは、皮膚深度2㎜のプローブを使い、眉毛部~上眼瞼(上まぶた)、目尻、下眼瞼(下まぶた)の治療を安全に効果的におこなうことができます。 眼の周囲の照射. 上眼瞼に6ショット×2パス、下眼瞼に4ショット×2パス、目じり(外眼角)に10ショット×2パスの照射をおこないます。 ページのトップへ戻る ハイフとウルトラフォーマーMPTの施術の手順と注意点 ハイフとウルトラフォーマーMPTの治療の流れと施術時間 1.予約 診察はすべてWEBからご予約をお取りいただく予約制です。クリニック受付ならびにお電話では予約の受付はいたしておりません。 「予約サイト」へいき、選択メニューボタン から 「肌の若返り」のご相談 を選択ください。 2.初診・初回相談・再相談 肌の若返り・エイジングケアのレーザー治療をご希望の方は、先ず『院長外来』の診察にご来院いただいております。診察時に診断と治療方法の説明をおこないます。 肌の若返り・エイジングケアのご相談は、自費診療です。自費診察料金は1,650円(税込)です。 前回相談日ならびに前回レーザー治療から1年以上経過している方は、再度診察(再相談)が必要です。 『院長外来』はWEBからご予約をお取りいただく予約制です。クリニック受付ならびにお電話では『院長外来』の予約の受付はいたしておりません。 治療できない方 ペースメーカー、シリコン、インプラント、金属糸(金属プレート)などを体内に埋込んでいる方 美容治療で金属糸(金の糸など)、フェースアップ用、やシリコンが皮下に入っている方 ヒアルロン酸注入などのフィラー剤による治療を1週間以内にされた方 糖尿病、心臓疾患、発熱、感染、治療部位に感染症や重度の皮膚疾患、ケロイド体質の妊娠中の方、またはその可能性のある方 以前、麻酔によってアレルギーやショック症状をおこされた方 3.治療 初診・初回相談・再相談の後に治療が可能となります。 ウルトラフォーマーMPTの施術は看護師が行います。 当日の予約に空きがある場合に限り、カウンセリングと同日に施術をお受けいただくことが可能です。 カウンセリング時に当院からの同日施術への誘導、営業行為は一切ありませんのでご安心ください。 ウルトラフォーマーMPTの治療は完全予約制です。ご予約はクリニック窓口、お電話で承ります。2回目以降からはLINEでのご予約もご利用いただけます。 初回治療の受付時に署名済みの説明同意書をご提出いただきます。※2回目以降の治療の方、前回治療と治療方法、治療後の処置が変更のない方は不要です。 4.治療時間 照射では40分ほどの時間がかかります。 ハイフとウルトラフォーマーMPTの施術の痛みと副作用 赤み 施術後に顔が赤くなることはほとんどなく、そのままお帰りになれます。 治療後1週間ほどは皮膚の深いところに軽い筋肉痛のような痛みが残ることがあります。 オトガイ神経障害 神経障害は重篤な合併症です。 痺れや麻痺が数週間続くなど、症状が長引く傾向がみられることがあります。 特に顎の両側にあるオトガイ神経の損傷は起こりやすい合併症です。神経が顎の骨を貫通して表面にでてくるオトガイ神経孔は顎の両側に位置しています。 4.5mmカートリッジを使った照射をしないようにしています。 施術後の腫れや赤み対策 照射直後は照射部位に赤みが出ることがありますが、数時間内でおさまります。 反応によってはステロイド軟膏を処方することがあります。 施術前後のメイクとシャワーの可否 シャワー、入浴は当日から可能です。 メイク、洗顔は治療直後より可能です。 ページのトップへ戻る ハイフとウルトラフォーマーMPT施術におけるクリニックの選択 医師の実績や症例の豊富さ 美容医療の実際と医師の経験度 美容医療の市場は急成長しています。これをチャンスとして「美容医療は儲かる」という理由で医療以外の産業がクリニックの経営に参入してきました。 ここ10年ほどで、医療業界では美容医療のチェーンクリニックが急速に大量のクリニック開院してきました。これにともない院長になる医師もたくさん必要になってきます。 最近は医学部を卒業して内科、外科などのローテーションをおこなう2年の臨床研修が終わり、そのまま美容クリニックの院長になり美容医療をおこなう医師が増えています。 皮膚科・形成外科の経験や基礎知識、美容治療のメカニズムの学習がないままに、美容クリニックチェーンで院長として第一線の医療の現場に投入される医師が増えています。 美容医療を受ける方の症状は千差万別です。チェーンクリニックのマニュアルに通りにレーザー、超音波、ラジオ波を使った治療をおこなうことは安全なのでしょうか。 皮膚科専門医2名で診療とおこなっています 当院は2名の皮膚科専門医が診察と治療にあたります。 豊富の症例経験をもとに、皆様のお悩み対して最適な治療が提供できるような体制をとっております。 各種の治療機器があります 各種レーザー機器、フォトフェイシャルM22(光治療器)、ニードルRF(ポテンツァ)、HIFU(ウルトラフォーマーMPT)など多数の機器を揃えています。 症状に応じてヒアルロン酸注入、ボトックス注射、スレッド(溶ける糸)によるフェイスリフトをおこなっています。 院長、副院長ともにすべての治療をおこなえる技術と経験をもっています。 最新機器の導入とその影響 当院では、多くのレーザー、超音波、ラジオ波(RF)を使った機器があります。 レーザー、超音波、ラジオ波(RF)は皮膚の深達度、反応するターゲット(メラニン、赤血球など)に特徴があり、対応した症状を治療します。 たるみ、シワ、シミ、赤み、肌質の改善にどの機種を使用するかは、症状を診断する医師の診断力と治療の経験が左右します。 「新しく出た機器」=「どんな症状にも効く」というのは大きな誤解です。 新しく出た機器は器械としては改良が施され使いやすくはなっています。しかし、オールマイティーの機器はありません。 ウルトラフォーマーなどのHIFU、ポテンツァ、シルファームなどのニードルRFは比較的新しい機器です。しかし、HIFUはフェイスリフトの効果が強いもの、肌質の改善にはあまり効きません。また、頬がこけていると施術により脂肪が減って余計に痩せがめだつことになります。 ニードルRFはニキビ跡の治療や肌質の改善には高い効果がありますが、フェイスリフトの効果は強くありません。 皮膚をしっかり診て、最新であるないにかかわらず、症状に適した機器を選択するのが大切と考えています。 カウンセリングやアフターフォローの質 当院はカウンセリングは皮膚科専門医資格をもった医師がおこないます。 ダーモスコピー、画像診断機(VISIA ビジア)ときにダーモカメラなどを駆使して、症状を詳細に観察します。その上で最適な治療を提案いたします。 最初から「○○(機器名)で治療したいのですが」というご要望もあるとは思いますが、患者様のご要望がかならずしも症状にあった最適な治療方法であるとは限りません。 皮膚科の立場から、別の治療方法をおすすめする場合があります。 たとえば、HIFUであれば顔が瘦せている人にはお勧めしないことがあります。 HIFUの4.5㎜カートリッジはSMASにまで届き、フェイスリフトの高い効果があります。 同時に4.5㎜の深さに熱を与えると、皮下組織(脂肪組織)に作用して、脂肪細胞を減少させます。結果、脂肪が減少して顔の痩せがさらにつよくなることがあります。 私は顔が瘦せている人には、ヒアルロン酸注入、1540フラクショナルレーザー、ポテンツァ(ニードルRF)をすすめています。 頬が瘦せている人が繰り返しHIFUをおこなっている例は非常に多いです。医師かカウンセラーがHIFUの治療メカニズムを知っていれば、痩せている顔には推奨しないと思います。 初診で医師(皮膚科や形成外科の経験がない医師だったりします)がちらっと顔を見せて、その後医師でもナースでもないカウンセラー(おそらく無資格者)が治療の説明をすることは美容医療業界では多いようです。 当院には無資格者のカウンセラーはいません。カウンセリングをおこなうのは皮膚科専門医の2名の医師です。 治療や施術の効果は画像にて経過を観察して、効果がでていることを専門医の立場から確認します。当然、治療後のトラブルがおこった場合も皮膚科医としてフォローします。 また、医師の説明以外に補足で治療説明をおこなう場合はナースが担当します。 HIFUの適応. HIFUが最適なのは頬部の脂肪が下垂して「ブルドッグ」型にたるんでいる人です。4.5㎜のカートリッジはSMAS筋膜に作用すると同時に脂肪組織を減らします。一方、頬が痩せている方にはHIFUはお勧めしないことがあります。4.5㎜のカートリッジでの施術は脂肪を減らして。痩せが目立つようになるからです。4.5㎜を使用せずに、2,3㎜での施術であればよいと思います。しかし、HIFUの最大の利点は4.5㎜カートリッジを使うことにあります。ヒアルロン酸注入、1540フラクショナルレーザー、ポテンツァをつかうことをお勧めする場合がおおいです。カウンセリング時に医師があいさつ程度にちらっと診て、カウンセラーに交替。料金説明後にすぐに治療.危ないと思いますが。 ページのトップへ戻る ハイフとウルトラフォーマーMPTの治療に関するよくある質問 効果の個人差と効果の持続期間 効果の持続は約6か月 ウルトラフォーマーMPTによるハイフ治療効果の持続期間は約6か月です。なかには1年効果がある人もいて個人差があります。 施術直後から効果を実感される場合もありますが、一般には、治療後から徐々に効果が表れ、施術後2~3ヵ月後が効果のピークになります。 有効な施術間隔 6か月に1回の施術推奨します。 効果の持続が約6か月であることから、6ヶ月に1度を推奨しております。 だれでにでも効果がありますか HIFUがフェイスリフトに効果があるのは4.5㎜カートリッジでSMAS筋膜に熱を加えてリモデリング(再生)をおこなうことができるからです。 SMAS筋膜を収縮させて、顔を深部から引き上げることができます。 同時に4.5㎜カートリッジでは皮下組織の脂肪にも作用して脂肪の量を減らします。 したがって、顔の脂肪が多く、頬部が下垂している、いわゆるブルドック型のたるみのSMAS筋膜の引き上げと脂肪組織の減少を同時に期待することがでます。 もちろん、通常の方のたるみにも大いに効果があります。 注意しないといけないのは、頬が痩せている人です。 4.5㎜カートリッジでの治療では脂肪量の減少がおこるので、フェイスリフトがおこっても頬がより痩せる心配があります。げっそりした顔になるのです。 私はこのような方にはヒアルロン酸注入、フラクショナルレーザー、ニードルRFによる治療がよいと思っています。 顏のたるみのタイプ分類. HIFUは顔が痩せている人には不向きと思います。 ウルトラフォーマーMPT料金 当院ではウルトラフォーマー3からウルトラフォーマーMPTへ移行準備中です。料金設定も準備中です。 ページのトップへ戻る ウルトラフォーマーMPTの概要 診療区分 自由診療 治療内容 ウルトラフォーマーMPTとは2、3、4.5㎜のカートリッジを用いて真皮、皮下組織、SMASに働きかける超音波治療機です。 照射出力等 0.1~0.9J/c㎡ 治療期間及び回数 約6か月おき。回数は症状により異なります。 施術によるリスク・副作用 施術時に痛みがあります。 出力の設定が高い場合に熱傷が起こることがあります。 神経に照射すると神経障害がおこることがあります。 施術に要する費用 治療内容 ショット数 料金 顔全体 680 ¥165,000 未承認医薬品等であることの明示 ウルトラフォーマーMPTは国内未承認機器です。 入手経路等の明示 治療に用いる医薬品および機器は当院の医師の判断の元、個人輸入の続きをおこなったものです。 個人輸入において注意すべき医薬品等についてはこちらをご参照ください。 https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1.html 国内の承認医薬品等の有無の明示 同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。 諸外国における安全性等に係る情報の明示 韓国MFDS(旧KFDA)認可 注)治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。 ページのトップへ戻る 診療内容 自費診療 保険診療 治療機器