脂漏性角化症(老人性イボ)の原因と治療法|美容専門皮膚科の医師が解説

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更新日:2022.9.1/公開日:2019.2.11
このコンテンツは山手皮フ科クリニック 院長 豊福一朋が100%オリジナルで書いています。

1.シミとは

2.老人性色素斑

3.脂漏性角化症

4.ソバカス

5.口唇のシミ

6.肝斑

7.太田母斑

8.後天性真皮メラノーシス(ADM)

9.シミ治療の流れ

10.シミレーザー治療の料金

1.シミとは

みなさんは、シミにはたくさんの種類があるのをご存知でしょうか。一般にいう「シミ」は老人性色素斑や脂漏性角化症です。ほかに広範囲に濃い色素の増強がみられる肝斑や、繰り返しフォトフェイシャル等の光治療をおこなっても改善しない場合は太田母斑や遅発性両側性太田母斑(ADM)であったりもします。さまざまなシミが一人の患者様に存在するので、シミを消すには正確な診断とそれぞれに合った治療方法を選ぶことが大切です。
私は1992年に九州大学医学部皮膚科に入り、皮膚の色のもととなるメラニン細胞(色素細胞、メラノサイト)の研究を、九州大学医学部、カナダアルバータ州立大学病院皮膚科、アメリカ合衆国国立衛生研究所(NIH)でおこなってまいりました。 山手皮フ科クリニックでは、2005年の開院以来、30,000例以上のシミ治療をおこなっています。

<当院で治療をおこなっているシミの種類>

  • 老人性色素斑
  • 脂漏性角化症
  • ソバカス
  • 口唇のシミ
  • 肝斑
  • 太田母斑
  • 後天性真皮メラノーシス(ADM)

 

2.老人性色素斑

同義語:日光黒子

定義・症状

ほとんどの中年以降の男女に出現します。「老人性」と名前がついていますが、早ければ20歳代で、多くは40歳以降に出現します。顔面・手背・前腕など日光(紫外線)にあたる部位に見られます。一部は脂漏性角化症へ移行します(後述)。

老人性色素斑の写真

老人性色素斑は頬骨部などの日光露光部に出現しやすいシミです。


山手皮フ科クリニックの「老人性色素斑」治療

主にQスイッチアレキサンドライトレーザーを使用します。

ダーモスコピー(拡大鏡)で確認して、表面が不規則に肥厚したものは、脂漏性角化症または脂漏性角化症に移行する可能性を考慮し、Qスイッチアレキサンドライトレーザースキャナ付き炭酸ガスレーザーを併用します。

クスミ、日焼けによる色素沈着、肝斑が存在する場合、プレトリートメントとしてフォトフェイシャルM22トラネキサム酸の内服等の前処置が必要です。

※老人性色素斑の詳細はこちらをご覧ください。

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3.脂漏性角化症

同義語:老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)、老人性イボ

定義・症状

早ければ30歳代から、主には40歳以降に出現し、加齢とともに増える皮膚の良性腫瘍です。80歳以上ではほぼすべての方に存在し、皮膚の老化現象のひとつとされています。別名、老人性疣贅、老人性イボといいますが、通常のイボ(尋常性疣贅)のようにウイルスが原因ではありません。
脂漏性角化症は、顔面、頭部、前胸部、上背部などの日光露出部によくみられますが、脇の下、脇腹、腹部、鼡径部(股)、陰部、大腿(太もも)など日に当たらない部分にも発生します。
色は褐色調から黒色です。大きさは直径数mmから2~3cmくらいで、やや盛り上がっています。平坦に見えても拡大鏡で見るとわずかにもり上がっているのが特徴です。

脂漏性角化症の写真

顔面の頬骨部、頬部にできた大きい脂漏性角化症です。手で触るとわずかに隆起しています。

脂漏性角化症

多発した脂漏性角化症。外見がイボに似ているので「老人性疣贅」という名前がついていますが、イボではありません。

山手皮フ科クリニックの「脂漏性角化症」治療

液体窒素による冷凍療法※保険診療で行います。

液体窒素で脂漏性角化症を数回かけて冷凍凝固します。

レーザー治療

スキャナ付き炭酸ガスレーザーを使用します。

褐色調や黒色をした脂漏性角化症に対しては、老人性色素斑から移行したものであることを考慮し、スキャナ付き炭酸ガスレーザーQスイッチアレキサンドライトレーザーを併用します。

クスミ、日焼けによる色素沈着、肝斑が存在する場合、プレトリートメントとしてフォトフェイシャルM22トラネキサム酸の内服等の前処置が必要です。

※脂漏性角化症の詳細はこちらをご覧ください。

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4.ソバカス

同義語:雀卵斑(じゃくらんはん)

定義・症状

典型的なソバカスは3歳頃から顔面、頸部、前腕などの紫外線が当たる部位に、直径3mm程度の類円形、表面平坦な褐色斑が多発します。紫外線の多い夏季に色が濃くなり、冬季に薄くなるのが特徴です。年齢が増すとともに、数が増え、色調が濃くなります。

ソバカス写真

顔面全体(とくに頬部、鼻などの日光露光部)に直径3mmの類円形の色素斑が多発します。

山手皮フ科クリニックの「ソバカス」治療

レーザー治療

Qスイッチアレキサンドライトレーザーを使用します。ソバカスはレーザーでなければ除去ができません。

クスミ、日焼けによる色素沈着、肝斑が存在する場合、プレトリートメントとしてフォトフェイシャルM22トラネキサム酸の内服等の前処置が必要です。

※ソバカスの詳細はこちらをご覧ください。

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5.口唇のシミ

同義語:labial melanotic macule, lower labial macule, mucous melanosis of lip

定義・症状

口唇の色素沈着です。大多数が下口唇に生じます。正式な日本語名はなく、口唇のシミのことです。症状は下口唇に多いことから、刺激因子として紫外線が考えられています。また、歯で口唇を噛む習癖が原因とも考えられますが、はっきりとした発生機序は不明です。単発のことが多いですが、多発することも少なくありません。20歳代、30歳代に多く、男女比は1:4で女性に多く見られます。自然に消えることはほとんどありません。口唇のホクロとは異なります。

labial melanotic macule

labial melanotic macule 口唇のシミ

治療

Qスイッチアレキサンドライトレーザーを使用します。

※口唇のシミの詳細はこちらをご覧ください。

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6.肝斑

定義・症状

30~50歳代の女性の顔面にできる左右対称性な褐色斑です。頬(ほほ)、額(ひたい)、上口唇の上(鼻の下)が好発部位です。左右対称に境界が比較的明瞭な均一な褐色調の色素斑を生じ、目の周囲が抜けるのが特徴です。紫外線により夏季に増悪、冬季に軽減します。妊娠を契機に発症することがあります。

肝斑の写真

頬骨部の典型的な肝斑。鼻と上口唇の間の色素斑も肝斑です。

山手皮フ科クリニックの「肝斑」治療

フォトフェイシャルm22+スキンケア指導

肌にヒリヒリ感や炎症が生じないオリジナルの設定で、フォトフェイシャルM22をおこないます。当院のフォトフェイシャルM22は照射により肝斑が悪化することはありません。レーザーと異なり、面での治療が可能となるため、お顔全体がトーンアップします。

肝斑治療では、摩擦の除去が非常に重要となるため、フォトフェイシャルM22初回時に、看護師がスキンケア指導をおこない、日頃のお手入れの注意点をお伝えします。

外用薬

ビタミンC含有ローション、ハイドロキノン、トレチノインを症状に応じて組み合わせて治療します。

内服薬

トラネキサム酸の内服

摩擦の防止

化粧品、サンスクリーンを肌に外用するときに無意識に力が入っていると、皮膚は摩擦されます。頬(ほほ)、額(ひたい)、上口唇の上(鼻の下)は直下に骨があり、かつ皮下脂肪が少ない場所なので摩擦により皮下に慢性的な炎症がおこり、引き続き色素沈着がおきます。これが肝斑の原因となります。

紫外線対策

紫外線は肝斑の増悪要因です。サンスクリーン剤の使用はきわめて重要です。

※肝斑の詳細はこちらをご覧ください。

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7.太田母斑

定義・症状

太田母斑は、主に顔面三叉神経領域第1枝および第2枝の支配領域(額~上下眼瞼・こめかみ・鼻~頬部)に出現する褐青色の色素沈着です。出生時または1歳未満から認められるケースが約半数で、多くは思春期までに発症します。30歳以降に出現することは稀です。

太田母斑の写真

太田母斑は片側のみに存在、両側にある場合もいずれが片側に色調が強いのが特徴です。

山手皮フ科クリニックの「太田母斑」治療

Qスイッチアレキサンドライトレーザーを使用します。

クスミ、日焼けによる色素沈着、肝斑が存在する場合、プレトリートメントとしてフォトフェイシャルM22トラネキサム酸の内服等の前処置が必要です。

※太田母斑の詳細はこちらをご覧ください。

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8.後天性真皮メラノーシス(ADM)

同義語:後天性両側性太田母斑様色素斑

定義・症状

かっては遅発性で両側に出現する太田母斑の一部の考えられていました。それで「後天性両側性太田母斑様色素斑」という名がつきました。しかし、前述した典型的な太田母斑とは出現する年齢・分布が違います。現在は後天性真皮メラノーシス(Acuired dermal melanosis; ADM)(以下ADMと略します)と呼ばれています。発症年齢は8歳から72歳までと様々です。多くは20歳代後半から30歳代半ばが多いとされています。

ADMの写真

ADMでは色素斑が両側にあります。後天性両側性太田母斑様色素斑とも呼ばれます。

山手皮フ科クリニックの「ADM」治療

Qスイッチアレキサンドライトレーザーを使用します。

クスミ、日焼けによる色素沈着、肝斑が存在する場合、プレトリートメントとしてフォトフェイシャルM22トラネキサム酸の内服等の前処置が必要です。

※ADMの詳細はこちらをご覧ください。

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9.シミ治療の流れ

● 治療開始までに2回のご来院が必要です。当院は方針として、全てのレーザー治療、美容施術において初診での来院時に治療をおこなうことはありません。改めてご来院いただくこととしております。

● 過去に当院にて初診・初回相談または治療をお受けになられたことがある患者様において、初診または最終治療のいずれか直近の日付から1年を経過している場合、再度初診の診察から治療開始または治療再開となります。

①予約

診察はすべてWEBからご予約をお取りいただく予約制です。クリニック受付ならびにお電話では予約の受付はいたしておりません。

「予約サイト」へいき、選択メニューボタン

予約バナー

から l顔の「シミ・ソバカス・脂漏性角化症」のご相談】、【身体(顔・頭除く)の「シミ」のご相談】、【唇の「ホクロ・シミ・くすみ」のご相談】 のうちご希望の診察項目を選択ください。

②治療

  • 初診・初回相談・再相談の後に治療が可能となります。
  • 治療は自費診療です。
  • 受付時に署名済みの説明同意書をご提出いただきます。※2回目以降の治療の方、前回治療と治療方法、治療後の処置が変更のない方は不要です。

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10.シミレーザー治療料金

脂漏性角化症レーザー治療料金はこちらをご覧ください。

脂漏性角化症レーザー治療料金

老人性色素斑レーザー治療料金はこちらをご覧ください。

老人性色素斑レーザー料金

ソバカスレーザー治療料金はこちらをご覧ください。

口唇のシミレーザー治療料金はこちらをご覧ください。

口唇のホクロ・シミ治療料金

肝斑治療料金はこちらをご覧ください。

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