扁平母斑(カフェオレ斑)の診断とレーザー治療について皮膚科専門医が解説します。

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扁平母斑(カフェオレ斑)とは

1.扁平母斑の症状

2.扁平母斑の原因

3.治療法

1.扁平母斑の症状

生まれたときから、あるいは生後まもなく、生じる褐色斑、いわゆる「茶あざ」です。

頻度は多く、1個程度であれば我々の10~20%くらいに見られます。

淡褐色調の、均一な質感をもつ境界明瞭な母斑。皮膚からは隆起しません。

カフェオレ斑と呼ばれることもあります。  

さまざまな形の扁平母斑

扁平母斑(顎部)

顔面から頸部(顎部)の扁平母斑 色素斑の境界はギザギザしている。

扁平母斑の写真(顏)

顔面の扁平母斑 点状の褐色斑が集簇している。

扁平母斑の写真(下腿)

色素斑の境界がギザギザした不整形の周囲の扁平母斑が多発している。

扁平母斑の写真(腕)

周囲がなめらかな形の扁平母斑

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2.扁平母斑の原因

表皮に大量のメラニン産生をおこなう、形態変化をおこした「クローン性のメラノサイト」が存在していることが原因です。

「クローン性のメラノサイト」はからだの色素産生の調節機能から独立した、いわばStand Alone的な細胞です。

このクローン性のメラノサイトは毛嚢にも存在していると考えられています。

Qスイッチルビーレーザーで表皮のメラノサイトを破壊しても、毛嚢に存在するクローン性のメラノサイトが表皮に移動してきて、治療前に同じような環境をつくると考えられています。。

これが、数ある色素性疾患の中で、扁平母斑だけがレーザー治療に抵抗する理由と思います。

正常の表皮の様子

正常の表皮でのメラノサイト

扁平母斑でメラノサイト

扁平母斑でメラノサイト 扁平母斑部位のクローン性に存在するメラノサイトは大量のメラニンを産生している。

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3.クリニックでの治療法

主な治療方法

Qスイッチルビーレーザー

保険適用で治療できるレーザーはルビーレーザーです。Qスイッチ付きのレーザーが推奨されます。

Qスイッチルビーレーザーの特徴に関しては下の「Qスイッチルビーレーザー」をクリニックしてください。

Qスイッチルビーレーザーへのリンク

Qスイッチルビーレーザーの写真

Qスイッチルビーレーザー ナノスターR

レーザー治療後の反応について

治療後のタイプ別分類

扁平母斑は治療後の状態により、上の4つに分類されます。

  • ①治療後、もとに戻る。あるいはもとの色調より濃くなる(約50%以上)。
  • ②治療後、一旦薄くなったあと、毛孔一致性の再発が見られる(約20%)。
  • ③治療後、薄くなる部分と薄くならない部分がある。
  • ④治療後、色素斑が消失するか非常に薄くなる(約20%)。

①~③はレーザーが効かない可能性が極めて強く、その後の治療はおこないません。カバーマークを使って目立たなくする治療をお勧めします。

④でレーザー治療が薄くなって残った場合は2回目のレーザー治療へとすすむこととなります。

扁平母斑の形状によるレーザー反応の違い

5歳以降では、扁平母斑の形状によりレーザー治療の効果に差が出るといわれています。境界が滑らかな円形の場合は治療効果が低く、形状では地図上の場合治療効果が高い傾向にあります。

地図上の扁平母斑のレーザーテスト照射後の写真

地図上の扁平母斑のレーザーテスト照射後 矢印で囲まれた部分の扁平母斑が1回の照射で消失した。※現在、顔、頸部以外の扁平母斑の治療をおこなっていません。また、テスト照射は色素斑の辺縁でおこないます。

その他のレーザー反応の違い

乳児期、部位は顔面、病変が小病変でレーザー治療の効果が高いといわれています。

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4.治療の流れ

※顔面・首に存在するものが治療対象です

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