WEB予約 マイページ
ADM・太田母斑 ・ Acquired dermal melanocytosis / Nevus of Ota

ADM・太田母斑とは|顔の青アザ・茶アザの原因・シミとの見分け方・保険レーザー治療・費用

顔の色素斑が、シミ治療やIPL(光治療)、レーザートーニング、美白外用剤をいくら続けても薄くならない。目の下のクマにヒアルロン酸注入や脱脂を受けても変わらない。その色素斑は、真皮にメラノサイト(色素細胞)が存在する太田母斑・後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)かもしれません。Qスイッチレーザーによる治療のみが有効で、保険適用となっています。

皮膚科専門医 豊福一朋 監修(監修日:

このページの要点

向いている方
  • 顔の片側に褐青色の色素斑がある方
  • 両側の頬・眼の周囲に点状の色素斑があり、シミ・そばかす・肝斑として治療しても薄くならない方
  • 目の下のクマにヒアルロン酸注入や脱脂を受けても改善しなかった方
  • 他院でIPL(光治療)やレーザートーニングを繰り返しても効果がなかった方
  • 満19歳以上の方
本疾患の本体
本来メラノサイト(色素細胞)が存在しない真皮の上層から中層にメラノサイトが存在し、そこで産生されたメラニンが色調をつくる真皮メラノーシスです。顔の片側に出るものが太田母斑、両側に出るものがADM(後天性真皮メラノサイトーシス)です。
当院の基本治療
Qスイッチルビーレーザー「ナノスターアール」(ドイツAsclepion社製)による照射です。真皮のメラノサイトを熱破壊します。IPL・レーザートーニング・美白外用剤では薄くなりません。
費用(税込)
保険診療(3割負担)で1回あたり6,000円(4㎠未満)〜8,700円(16㎠以上64㎠未満)です。別に初診料870円・再診料230円等がかかります。当院では1回のご来院で照射面積64㎠以上の治療はおこなっておりません。
受診の流れ
WEB予約制です。「保険レーザー治療 カウンセリング・経過診察の予約」→(別の日に)「保険レーザー治療 施術」→ふたたび「保険レーザー治療 カウンセリング・経過診察の予約」の順で、レーザー治療までに2回のご来院が必要です。カウンセリングと同日の治療はおこなっておりません。
主なリスク
治療後1〜1.5か月は色調が一過性に濃くなります。ほかに炎症後色素沈着、色素脱失(白抜け)、瘢痕、炎症後紅斑、水疱、内出血、色素の残存、色調の不均一などが生じる可能性があります。
当院の姿勢
くすんだ皮膚にいきなり照射すると永久的な白抜けが生じるため、美白剤による前処置を重視します。眼の周囲では眼球保護用コンタクトシェルを必ず使用します。治療間隔は最短6か月、同一箇所への照射は他院での治療歴も含めて原則5回を目安としています。

太田母斑とはどのような病気ですか?

答え

太田母斑は、主に顔面三叉神経領域第1枝および第2枝の支配領域(額〜上下眼瞼・こめかみ・鼻〜頬部)に出現する褐青色の色素沈着です。日本人の発生頻度は高く、人口1000人に1〜2人程度といわれています。顔の片側にあるのが特徴で、Qスイッチレーザーでの治療のみが可能です。レーザー治療は保険適用となっています。

定義・概念

太田母斑は、主に顔面三叉神経領域第1枝および第2枝の支配領域(額〜上下眼瞼・こめかみ・鼻〜頬部)に出現する褐青色の色素沈着です。

太田母斑の分布を示す模式図。顔の片側の額・眼の周囲・こめかみ・頬に色素斑がある
太田母斑の模式図です。太田母斑は片側のみに存在し、両側にある場合もいずれか片側に色調が強いことが特徴です。

疫学

日本人における発生頻度は高く、人口の1000人に1〜2人程度といわれています。受診者の男女比は1:4〜5で女性に多いです。

出生時または1歳未満から認められるケースが約半数で、多くは思春期までに発症します。30歳以降に出現することは稀です。

病因・病態生理

真皮の上層から中層にメラノサイト(色素細胞)が存在します。通常は真皮にはメラノサイトは存在しません。また、表皮の下側(基底層)にもメラニンが増加しています。真皮のメラノサイトがつくったメラニンと表皮基底層で増加したメラニンが太田母斑の色調をつくります。

通常の皮膚組織と太田母斑の皮膚組織を並べた模式図。太田母斑では真皮にメラノサイトが存在する
太田母斑・ADMの組織像です。(左)通常の皮膚組織では、色をつくるメラノサイト(色素細胞)は表皮のみに存在し、真皮にはメラノサイトは存在しません。(右)太田母斑の皮膚組織では、真皮にメラノサイト(色素細胞)が存在してメラニンを産生しているため、アザとなって見えます。メラノサイトの深さで褐色〜褐青色の色に見え、深い場所にメラノサイトが存在するほど青みが強くなります。
太田母斑の病理組織像(200倍)。真皮にメラノサイトが存在しメラニンを産生している
太田母斑の病理組織像(200倍)です。真皮にメラノサイト(色素細胞)が存在してメラニンを産生しています。真皮には本来メラノサイトは存在しません。また、表皮にも褐色のメラニンが増えていて、これらが太田母斑の色調をつくっています。

臨床症状

額〜上下眼瞼・こめかみ・鼻〜頬部のすべて、あるいは一部に点状の褐色斑と斑状の青色斑がみられます。半数では眼にも症状があり、強膜(白眼)、虹彩、眼底にも色素沈着を認めます。鼓膜、鼻粘膜、咽頭、口蓋にも色素斑が出現することがあります。

太田母斑は顔の片側の色素斑です

顔の片側にある太田母斑と、眼球の強膜(白眼)にみられる色素斑の写真
太田母斑の写真です。太田母斑は片側のみに存在することが多く、眼球の強膜(白眼)に色素斑があることがあります。

典型的な太田母斑

顔の片側に均一および点状の色素斑がある典型的な太田母斑
典型的な太田母斑です。顔の片側に均一あるいは点状、または両方の色素斑が存在します。
片側の額にある太田母斑の色素斑
額の太田母斑です。片側の額にある色素斑で、典型的な太田母斑です。

鼻孔の色素斑

鼻孔の色素斑は太田母斑に典型的です。鼻孔に色素斑がある場合は、顔面にあるほかの色素斑も太田母斑である可能性が高くなります。

太田母斑に特徴的な鼻孔の色素斑
鼻孔の色素斑は太田母斑に特徴的です。頬部の色素斑が太田母斑かどうか不明なとき、鼻孔に色素斑があることで太田母斑の診断が確定することがあります。

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)とは何ですか?

答え

後天性真皮メラノサイトーシス(Acquired dermal melanocytosis;ADM)は、顔面三叉神経領域第1枝および第2枝の支配領域に両側性に出現する真皮メラノーシスです。同義語は後天性両側性太田母斑様色素斑です。男女比は1:13と圧倒的に女性に多く、20歳代後半から30歳代半ばの発症が多いとされています。原因は太田母斑と同じく真皮上層から中層のメラノサイトです。

同義語:後天性両側性太田母斑様色素斑

定義・概念

かつては遅発性で両側に出現する太田母斑の一部と考えられていました。そのため「後天性両側性太田母斑様色素斑」という名がつきました。しかし、前述した典型的な太田母斑とは出現する年齢・分布が違います。現在は後天性真皮メラノサイトーシス(Acquired dermal melanocytosis;ADM)と呼ばれています。

ADMの分布を示す模式図。両側の頬と眼の周囲に色素斑がある
ADMの模式図です。ADMでは色素斑が両側にあります。後天性両側性太田母斑様色素斑とも呼ばれます。

疫学

男女比は1:13と圧倒的に女性に多く、発症年齢は8歳から72歳までと様々です。多くは20歳代後半から30歳代半ばが多いとされています。

病因・病態生理

太田母斑と同じく、皮膚の真皮の上層から中層のメラノサイトが原因です。

臨床症状

出現部位は太田母斑と同じく顔面三叉神経領域第1枝および第2枝の支配領域(額〜上下眼瞼・こめかみ・鼻〜頬部)です。太田母斑と違って眼球強膜(白眼)、口腔内には色素斑が出ないとされています。

顔面三叉神経領域第1枝および第2枝の支配領域に分布するADM
顔面三叉神経領域第1枝および第2枝のADMです。

太田母斑とADMはどこが違いますか?

答え

真皮にメラノサイトが存在するという本体は同じですが、分布(太田母斑は片側・ADMは両側)、発症年齢(太田母斑は約半数が1歳未満・ADMは20歳代後半から30歳代半ばに多い)、男女比(太田母斑は1:4〜5・ADMは1:13)、眼球強膜や口腔内の色素斑の有無(太田母斑ではみられ、ADMではみられないとされる)が違います。当院での治療間隔もこの違いに応じて変わります。

太田母斑とADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の違い
観点太田母斑ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
左右の分布片側のみに存在することが多い。両側にある場合もいずれか片側に色調が強い両側に存在する
発症年齢出生時または1歳未満が約半数。多くは思春期までに発症し、30歳以降の出現は稀8歳から72歳まで様々。20歳代後半から30歳代半ばが多い
男女比(受診者)1:4〜51:13
部位顔面三叉神経領域第1枝・第2枝の支配領域(額〜上下眼瞼・こめかみ・鼻〜頬部)同じ(額〜上下眼瞼・こめかみ・鼻〜頬部)
眼・口腔内の色素斑半数で強膜(白眼)・虹彩・眼底に色素沈着。鼓膜・鼻粘膜・咽頭・口蓋にも出ることがある。鼻孔の色素斑は特徴的眼球強膜(白眼)、口腔内には出ないとされている
間違われやすい疾患老人性色素斑、そばかす、扁平母斑肝斑、そばかす、目のクマ
当院の治療間隔4〜6か月空ける6か月空ける

当院では、太田母斑とADMのいずれについても、治療後の色調の増強と炎症後色素沈着が消退するまでの期間を考え、実際には6か月空けています(理由はなぜ治療間隔が6か月なのですかをご覧ください)。

太田母斑・ADMはシミ・そばかす・肝斑・目のクマとどう見分けますか?

答え

色調が濃い典型的な太田母斑であれば、部位と色調から皮膚科専門医であれば診断は容易です。しかし色素斑の存在する範囲が小さい場合は診断が難しく、老人性色素斑、そばかすと間違って診断されることがあります。ADMは両側性であることから肝斑やそばかすと、目の周囲のみの場合は「目のクマ」と間違われていることが少なくありません。IPL・レーザートーニング・美白外用剤をおこなっても効果がみられない場合は、太田母斑・ADMを考えるべきです。

太田母斑・ADMと、間違われやすい色素斑の見分け
観点太田母斑・ADMそばかす(雀卵斑)老人性色素斑肝斑目のクマ(ADM以外)
色素の存在する深さ真皮上層〜中層のメラノサイト+表皮基底層のメラニン表皮表皮表皮(真皮の変化も関与)色素ではない(眼輪筋の透見・脂肪の突出や陥凹による陰)
左右差太田母斑は片側性。ADMは両側性左右両側に均等左右非対称に散在両側の頬にほぼ対称両側
見え方点状の褐色斑と斑状の青色斑。褐色〜褐青色小さな褐色斑が多数境界のはっきりした褐色斑均一でベタっとした色調皮膚色の変化ではなく影・透見
よくある経過出生時〜思春期(太田母斑)/20〜30歳代(ADM)幼少期から出現し思春期に濃くなる中年以降に出現30歳代以降、妊娠・ホルモンで変動加齢・体調で目立ち方が変わる
IPL・トーニング・美白外用の効果効果がないIPLで薄くなることがある治療対象になる治療対象になる色素ではないため対象外
見分けの決め手点状の色素斑が集まって見える。鼻孔の色素斑(太田母斑)。他の治療で効果がない両側均等で片側だけ濃くならない単発〜数個で輪郭が明瞭輪郭が不明瞭で均一下から光を当てると影が変わる

太田母斑の診断・鑑別診断

色調が濃い典型的な太田母斑であれば、部位と色調から皮膚科専門医であれば診断は容易です。

色素斑の存在する範囲が小さい場合は診断が難しく、老人性色素斑、そばかすと間違って診断されることがあります。

そばかすは左右両側に均等に出現するので片側のみにはありません。ただし、そばかすが同時に存在するときは注意が必要です。片側にそばかすのような色素斑が多いあるいは濃い場合は、そばかすと軽度の太田母斑がいっしょにあると考えます。

当院では診察時に、ダーモスコピー(ダーモスコープという拡大鏡を使う検査)をおこない、色素斑の見え方を確認しています。

老人性色素斑(いわゆるシミ)と間違われていた軽度の太田母斑

老人性色素斑として治療されていた下眼瞼の軽度の太田母斑
下眼瞼の軽度の太田母斑です。この部位のみに色素斑があり、老人性色素斑(いわゆるシミ)として治療されていました。消えないということで受診され、軽度の太田母斑とわかりました。

鑑別が難しい扁平母斑

太田母斑やADMと鑑別が難しかった、色調が均一でない扁平母斑
太田母斑やADMと鑑別が難しかった扁平母斑です。均一な色調の色素斑である場合、扁平母斑であるという診断は難しくありません。この写真のような色調が均一でない場合、太田母斑やADMとの鑑別が難しくなります。この方の場合、結局、視診では判別できず、レーザーテスト照射をおこなって、はじめて鑑別がつきました。

扁平母斑については扁平母斑のページをご覧ください。

ADMの診断・鑑別診断

両側性の色素斑であることから肝斑、そばかすと間違われていることがあります。肝斑としてトレチノインやハイドロキノンの外用療法、レーザートーニングがおこなわれていることがあります。また、そばかすとしてIPL(光治療)が繰り返しおこなわれることが多くみられます。これらの治療をおこなっても効果がみられない場合は、ADMを考えるべきです。

症状が軽度で目の周囲のみに存在する場合、「目のクマ」と思われていることも少なくありません。美容外科で目の下にヒアルロン酸注入を受けている例がしばしばみられます。当然症状は改善しません。

無駄な時間とお金を使わないために、最初から確実な診断を受けることが重要です。以下に示すADMは初回診断が誤っていたため、不適切な治療がおこなわれたり、治療方法がないと言われていた例です。

ADMの主な鑑別診断:肝斑、そばかす、目のクマ

そばかす様のADM

そばかすに見える両側性のADM
このような色素斑が両側にあるとそばかすに見えます。皮膚科専門医でもそばかすと診断するような症状です。これまで他の美容皮膚科で10回以上IPL(光治療)がおこなわれましたが症状は改善しませんでした。治療にはレーザー治療が必要です。

肝斑として治療されていたADM

肝斑と診断されトレチノイン・ハイドロキノン外用療法を受けていた頬部のADM
頬部の色素斑です。他院で肝斑と診断され、トレチノインとハイドロキノンの外用療法をおこなわれていました。このような色素斑が両側に存在する場合、肝斑に見えます。肝斑が均一のベタっとした色の色素斑であるのに対して、よく見ると点状の色素斑が集まっていることがADMを示唆しています。

肝斑については肝斑のページをご覧ください。

目のクマにみえるADM

目の下のクマのようにみえるADMの3症例
目の下のクマのようにみえるADMの3症例です。このようなクマが両側にある場合はADMの可能性があります。クマの原因は1)眼瞼の皮膚の下の眼輪筋が透けてみえる、2)眼窩脂肪の突出や頬部の陥凹で陰になっている、3)ADMの場合です。

IPL・レーザートーニング・美白外用剤・ヒアルロン酸注入で薄くなりますか?

答え

薄くなりません。太田母斑・ADMに対する美白剤の外用、光治療(IPL)、レーザートーニングは効果がありません。目のクマと思われて目の下にヒアルロン酸注入や脱脂をおこなっても、原因が真皮のメラノサイトであるため症状は改善しません。太田母斑・ADMはQスイッチレーザーでの治療のみが可能です。

典型的な太田母斑の診断は専門医にとって容易ですが、軽症例では診断が難しく、シミ、そばかす、肝斑と誤診されることが多いです。これらに対する美白剤の外用、光治療(IPL)、レーザートーニングは太田母斑やADMに効果がありません。

効果がないのは、これらの治療が届く深さと、色の原因がある深さが違うためです。太田母斑・ADMの色の原因は真皮上層から中層に存在するメラノサイトです。表皮のメラニンを対象とする治療をいくら繰り返しても、真皮のメラノサイトは減りません。

  • 美白外用剤(ハイドロキノン・トレチノイン等)
  • IPL(光治療)
  • レーザートーニング
  • ヒアルロン酸注入・脱脂(目のクマと思われた場合)

無駄な時間とお金を使わないために、最初から確実な診断を受けることが重要です。

当院ではハイドロキノン(美白剤)を、太田母斑・ADMそのものの治療ではなく、レーザー治療の前処置として使用します(なぜレーザー治療の前に美白剤で前処置をするのですかをご覧ください)。IPL(フォトフェイシャルM22)も、色素斑が顔の広範囲にある場合の前処置としておこなうことがあり、太田母斑・ADMの治療ではありません。

他院でシミ・肝斑・目のクマとして治療を受けたが改善しなかった方へ

答え

シミ治療やIPLを繰り返しても消えない色素斑、ヒアルロン酸注入や脱脂をおこなっても消えない目のクマは、太田母斑・ADMの可能性があります。また、レーザー治療をおこなって両側の眼瞼、眼瞼周囲、頬部にわずかに色素斑が残る場合、それはADMであることが多いです。まず診断からやり直すことをおすすめします。

当院を受診される方には、次のような経過をたどってこられた方がいらっしゃいます。

  • 下眼瞼の色素斑を老人性色素斑(いわゆるシミ)として治療していたが消えなかった方
  • そばかすとしてIPL(光治療)を10回以上受けたが症状が改善しなかった方
  • 肝斑と診断され、トレチノインとハイドロキノンの外用療法やレーザートーニングを続けていた方
  • 目の下のクマとして、美容外科でヒアルロン酸注入や脱脂を受けた方
  • シミのレーザー治療後に、両側の眼瞼・眼瞼周囲・頬部にわずかな色素斑が残っている方
  • 治療方法がないと言われていた方

いずれも、色素斑の本体が真皮メラノーシスであれば、表皮を対象とした治療では改善しません。診断が変われば治療も変わります。無駄な時間とお金を使わないために、最初から確実な診断を受けることが重要です。

当院では、他院でのレーザー治療歴も含めて同一箇所への照射回数を確認します。色素脱失や瘢痕化など望ましくない反応が生じる可能性が高くなるため、同一箇所に対する治療は他院での治療歴も含めて原則5回を目安としているためです。これまでに受けた治療の内容・回数・時期を、できる範囲でお持ちください。

山手皮膚科クリニックの太田母斑・ADM診療はどのような体制ですか?

当院の体制

太田母斑・ADMのレーザー治療は保険診療でおこない、診察・カウンセリング・レーザー照射・経過診察はいずれも皮膚科医の石田医師が担当します。カウンセリングと同日の治療はおこなわず、レーザー治療までに2回のご来院が必要です。ご相談および施術は満19歳以上の方を対象とし、WEB予約制です。1回のご来院でご相談いただける内容は1つとさせていただいております。

担当

問診・視診・ダーモスコピー・写真撮影・診断・治療説明・料金案内までのカウンセリング、レーザー照射、治療後の処置、経過診察のすべてを石田医師が担当します。看護師が照射をおこなうことはありません。

診察と治療を同じ日におこなわない理由

最善の治療をおこなうためには、患者様がご自身の受ける治療について十分理解したうえで治療に臨んでいただくことが必須条件であると考えております。そのため、カウンセリングと同日に治療はおこなっておりません。また「1回のご来院でご相談いただける内容を1つ」とさせていただいております。

カウンセリング時にお渡しする説明同意書の内容をよくご確認いただき、当院での治療をご検討ください。

年齢制限

レーザー治療を前提とした診察・相談・治療の実施について、患者様の年齢制限を設けております。ご相談および施術ともに、満19歳以上の方を対象とさせていただきます。

1回の治療面積の上限

当院では保険レーザー治療で確保可能な時間を限定しているため、1回のご来院で治療面積64㎠以上の治療はおこなっておりません。診察時に治療希望部位の面積を計測し、おおよその治療面積をお伝えいたします。実際の治療面積は、治療時に確定します。

経過診察は必須です

医師の指示による経過診察にご来院いただいていない場合、次回のレーザー治療はおこなえません。初回治療では治療の3か月後と5か月後、2回目以降の治療では治療の5か月後に経過診察にご来院いただきます。

経過診察の目的は、1)治療箇所が通常の経過であるかの確認、2)今後の治療計画の検討です。洗顔、視診・ダーモスコピー、写真撮影、現在の状態と今後の経過の説明をおこないます。

1年を経過した場合の取り扱い

初診(初回相談)または最終治療のいずれか直近の日付から1年を経過した後、治療開始または治療再開をご希望の場合は、初診から治療開始または再開となります。前回相談日ならびに前回レーザー治療から1年以上経過している方は、再度の診察(再相談)として「保険レーザー治療 カウンセリング・経過診察の予約」からのご予約が必要です。

写真撮影について

診察時と経過診察時に写真撮影をおこないます。撮影は診察の補助と経過の記録を目的としており、機器による自動の肌診断はおこないません。

診察の補助と経過記録のための写真撮影の様子
診察の補助と経過の記録のために写真撮影をおこないます。

ご予約について

当院は完全予約制です。ご予約は山手皮膚科クリニック予約サイトから承っております。クリニック受付ならびにお電話では予約の受付はいたしておりません。

  • 初回のご相談:「保険レーザー治療 カウンセリング・経過診察の予約」から「ADM・太田母斑」のご相談を選択
  • 治療:「保険レーザー治療 施術」
  • 経過診察・再相談:「保険レーザー治療 カウンセリング・経過診察の予約」から「ADM・太田母斑」のご相談を選択

保険レーザー治療のご予約では、治療希望の症状を1つ選択してください。

山手皮膚科クリニックでは太田母斑・ADMをどう治療しますか?

答え

ドイツAsclepion社製のQスイッチルビーレーザー「ナノスターアール」(波長694nm)を使用します。レーザー光が真皮のメラノサイトのメラニンに吸収されて熱に変換され、真皮メラノサイトが熱破壊されます。破壊された真皮メラノサイトはメラニンを産生できなくなるため、色素斑が消失する、または色が薄くなります。1回で消失することはほとんどなく、太田母斑では4〜6か月、ADMでは6か月の間隔を空けて、おおよそ3〜5回の治療が必要です。

Qスイッチルビーレーザー

太田母斑・後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)のレーザー治療では、Qスイッチルビーレーザー「ナノスターアール」(ドイツAsclepion社製)を使用します。

Qスイッチルビーレーザー「ナノスターアール」
Qスイッチルビーレーザー「ナノスターアール」

Qスイッチルビーレーザーを照射すると、真皮メラノサイトーシスの色の原因である真皮に存在するメラノサイトにレーザー光が吸収され、瞬時に熱エネルギーに変換されます。そこで発生した熱により真皮のメラノサイトが熱破壊されます。

破壊された真皮メラノサイトでは、真皮メラノサイトーシスの原因となるメラニンを産生することができなくなるため、真皮メラノサイトーシスが消失する、または色が薄くなるといった治療効果が得られます。

Qスイッチルビーレーザーが真皮メラノサイトのメラニンに吸収され発熱して真皮メラノサイトを破壊する図
太田母斑・ADMでのレーザー治療のイメージです。Qスイッチルビーレーザーは真皮メラノサイトのメラニンに吸収されて発熱し、真皮メラノサイトを破壊して治療をおこないます。

治療計画

太田母斑・後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)は、1回のレーザー治療で消失することはほとんどありません。

太田母斑では治療間隔を4〜6か月空け、ADMでは6か月空けて繰り返しの治療が必要です。

おおよその治療回数は3〜5回です。治療効果は色素斑の種類、色調によって個人差があり、完全な色素消失に至らない場合もあります。

太田母斑のレーザー治療計画。4〜6か月おきに照射を繰り返す
太田母斑のレーザー治療計画です。4〜6か月おきにレーザー照射をおこないます。
ADMのレーザー治療計画。最短6か月おきに照射を繰り返す
ADMのレーザー治療計画です。最短6か月おきにレーザー照射をおこないます。

治療後の色調の変化

真皮メラノーシスのレーザー治療では、治療後から1か月ほどで元の色調よりも一過性に濃くなり、2〜6か月ほどかけて徐々に治療前の色調よりも薄くなっていきます。治療直後にすぐ薄くなるわけではありません。

治療をお受けいただけない場合

治療希望箇所に日焼け、肝斑、炎症後の色素沈着、炎症後紅斑、皮膚炎、カサブタ、レーザー治療後の色調の増強がある場合は、真皮メラノサイトーシスのレーザー治療はお受けいただけません。これらの症状が改善してから治療可能となります。

治療希望範囲に肝斑がある場合は、肝斑の色調の程度によりレーザー治療をお受けいただけない場合があります。肝斑の存在する範囲に治療希望箇所があり照射をおこなった場合、肝斑の色調は不変または一時的に悪化します。また、レーザー治療箇所の皮膚色と、その周囲の肝斑の皮膚色に明暗のコントラストが生じる可能性があります。

そのほか、事前に医師にお申し出いただきたい確認事項(院内の説明同意書より)

以下の1)〜11)に該当する方は、事前に医師にお申し出ください。10)に該当する方は炭酸ガスレーザーを使用した治療を、11)12)に該当する方はアレキサンドライトレーザーおよびルビーレーザーを使用した治療をお受けいただけません。13)〜16)に該当する方は治療をお受けいただけません。

  • 1) 以前に注射麻酔を受けて気分が悪くなった
  • 2) 既往症に高血圧・不整脈・糖尿病・B型C型肝炎がある
  • 3) 消毒液にかぶれたことがある
  • 4) 薬剤アレルギーがある(主に鎮痛剤・抗生剤)
  • 5) 血液抗凝固剤内服中(パナルジン・アスピリンなど)
  • 6) 免疫機能に異常を有する既往歴がある、または免疫抑制療法を受けている
  • 7) ホルモン療法中
  • 8) 授乳中
  • 9) 治療希望部位に対して、3か月以内に他施設(医療機関、エステ等)で何らかの治療や施術を受けた
  • 10) 過去の手術痕、ニキビ跡、傷痕、ピアスの穴が固く盛り上がる体質(ケロイド、肥厚性瘢痕)
  • 11) 抗リウマチ薬(金製剤)の内服または注射歴がある
  • 12) 治療希望箇所に入墨、刺青、アートメイクを入れている
  • 13) イソトレチノイン内服治療を受けている、またはイソトレチノイン内服終了後30日を経過していない
  • 14) 妊娠中
  • 15) 光線過敏症
  • 16) 治療希望部位に金の糸、プロテーゼが挿入されている

同一箇所への照射回数の上限

色素脱失や瘢痕化、炎症後紅斑の長期化など、望ましくない反応が生じる可能性が高くなるため、同一の治療目的で同一箇所に対するレーザー治療は、他院でのレーザー治療歴も含めて原則5回を目安としております。

なぜレーザー治療の前に美白剤で前処置をするのですか?

答え

皮膚がくすんだ状態でレーザーを照射すると、効果が悪いどころか、治療部に永久的な白抜けが生じることがあるためです。くすんだ皮膚では表皮メラノサイトが大量のメラニンを抱えており、レーザー波がそのメラニンに吸収されて内部から瞬時に熱破壊されます。当院では18年にわたる太田母斑・ADMのレーザー治療の経験と結果を通じて、美白剤の前処置が必要だと考えています。通常の生活を送っている方の皮膚はくすんでいるのが普通ですから、当院ではほとんどの方が美白剤をレーザー治療の前処置に使います。

太田母斑・後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)のレーザー治療前に美白は極めて重要です。

皮膚がくすんだ状態でレーザーを照射すると、効果が悪いどころか、将来治療部に白抜けあるいは白みがかった部分が出現し、永久的に続くことがあります。

通常の生活を送っている人では皮膚はくすんでいるのが普通ですから、当院ではほとんどの方が美白剤をレーザー治療の前処置に使います。

白斑形成のメカニズム

くすみのない皮膚ではなにが起こるか

Qスイッチルビーレーザーのレーザー波はメラニンに吸収されます。通常の皮膚ではメラニンがあるのは表皮のみです。

太田母斑・後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)では真皮に存在する真皮メラノサイトを破壊して減少させるのが目的です。

レーザーを照射するとくすみがない皮膚でもレーザー波は表皮のメラニンに反応し、真皮に届くまでにわずかに減弱します。真皮に到達して真皮メラノサイトに吸収されたレーザー波は熱に変換され、真皮メラノサイトを破壊します。減弱しても十分な出力を照射すれば治療効果がでます。

くすんでいる皮膚ではなにが起こるか

では、くすんでいると何が起こるのでしょうか。

“くすんでいる”皮膚では表皮メラノサイトが活発にメラニンを産生しています。産生されたメラニンは角化細胞に輸送され、表皮全体にメラニン量が増えています。

この状況でレーザーを照射すると、レーザー波のかなりの量が、表皮のメラニンに吸収されて熱に変換されます。真皮に届くレーザーは減衰し、真皮メラノサイトを破壊する効果が弱くなってしまいます。

それだけなら、照射回数を増やせばよいのですが、もっと大変なことが起こります。

くすんだ状態では表皮メラノサイトは活発にメラニンを産生していて、メラノサイト自身にもたくさんのメラニンを抱えています。レーザーはメラニンに反応するので、「たくさんのメラニンを抱えた表皮メラノサイト」は燃料を満載した油槽船のようなものです。レーザー波は表皮メラノサイトのかかえている大量のメラニンに吸収されて発熱し、表皮メラノサイトは内部から瞬時に熱破壊されてしまいます。この結果、レーザーを照射した部分の表皮メラノサイトの密度は減少したり、部分的になくなったりします。これが、照射部位の褐色調が減ったり、白抜けが発生するメカニズムです。色調の減少や白抜けはもとに戻らないことが多く、太田母斑・後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)はよくなったものの、治療部位がほかの顔の皮膚色と異なることとなります。

くすんでいる皮膚では表皮メラノサイトがレーザー照射により破壊され永久的な白抜けが起こる図
くすんでいる皮膚では表皮メラノサイトがレーザー照射により破壊され、永久的な色素減弱や白抜けをおこします。

当院では18年にわたる太田母斑・後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)のレーザー治療の経験と結果を通じて、美白剤の前処置が必要だと考えています。美白剤の前処置はまだ、普及していない状況です。

前処置に使う美白剤(ハイドロキノン)

前処置の要否は医師が総合判断します。必要と判断した場合、前処置をおこなわずにレーザー治療をお受けいただくことはできません。個別の治療では美白外用剤(ハイドロキノン)を使用し、色素斑が顔の広範囲にある場合は、顔の広範囲な皮膚に美白剤を外用するのが大変なため、フォトフェイシャルをお勧めすることがあります。

ハイドロキノンおよびフォトフェイシャルはいずれも前処置であり、太田母斑・ADMそのものの治療ではありません。

ハイドロキノン(当院処方は4%)の使い方と注意事項
  • 1日1回、夜の洗顔後に使用します。常温で保管してください
  • 使用の順序は、洗顔 → 乳液または保湿クリーム → ハイドロキノンです
  • 皮膚にすりこまずに、優しく皮膚にのせるように塗ります。皮膚にすりこむと炎症が起こることがあります
  • 日中外出する際には必ずサンスクリーン剤(日焼け止め)をご使用ください
  • レーザー治療前のメラニン色素沈着に対する使用期間は1か月〜最長2か月です
  • 目の周囲付近に使用する場合、目に入らないようにご注意ください
  • ニキビ、湿疹、痒みなど皮膚炎の症状がある箇所には塗らないでください
  • 使用期限は開封後6か月間です。未開封の場合は購入から1年間です
  • 妊娠中や授乳中は使用を避けてください
  • 使用前に腕の内側などでパッチテストをおこない、肌に異常が出ないか確認することをおすすめします

短期的な副作用として、肌の赤み、ヒリヒリ感、かゆみ、かぶれ、炎症があります。これらの症状がみられた場合は、使用を中止し当院にご連絡ください。長期的な副作用として、長期間の使用や高濃度の使用でメラノサイトが破壊され白斑(白く抜ける状態)になることがあります。白斑は一度できると元に戻す治療法がありません。また発がん性のリスクも指摘されており、特に高濃度(5%以上)を長期使用した場合に動物実験で発がん性が確認されています。医療機関で処方されるハイドロキノンは4%前後(当院処方製品は4%)が一般的で、用法用量を守れば発がん性のリスクは低いと考えられています。たくさん塗れば効果が高まるわけではありません。医師の指示による使用期間を超えて使用しないでください。

ハイドロキノンは、レーザー治療後の重度の炎症後色素沈着、肝斑の悪化に対しても医師の指示のもとで処方しています。

当院で美白剤の前処置をおこなうのは、シミや真皮メラノーシス、赤アザをレーザーで治療する場合に、皮膚にメラニン色素沈着(くすみや日焼けなど)があると、レーザー治療の効果が十分に得られないばかりか、正常なメラニンを作る細胞(メラノサイト)にダメージを与えるためです。安全かつ効果的な治療をおこなうために、皮膚にくすみや日焼けがある方に対して、ハイドロキノンを用いて皮膚のトーニングをしてからレーザー治療をおこないます。

治療時の痛みと眼球保護はどうしていますか?

答え

レーザー照射では痛みが伴うため、麻酔なしで治療をおこなうことはすすめません。主にテープ麻酔(ペンレステープ)を使用し、治療範囲が広い場合やテープが貼れない部分、痛みが強いと予想される場合は注射麻酔(キシロカイン1%注射液)で神経ブロックをおこないます。眼の周囲の治療では、レーザー光から眼球を守るために医療用コンタクトシェルを必ず使用します。眼球保護用のコンタクトシェルを使用しないと視力障害が報告されています。

痛みと麻酔

レーザー照射では痛みが伴います。麻酔なしで治療をおこなうことはすすめません。色素斑は目の周囲に存在することが多く、痛みで顔をしかめることで、皮膚にしわができて照射残しがおき、均一な照射の妨げになります。当然、治療の仕上がりは汚くなります。

麻酔含有テープによる麻酔

麻酔含有テープ ペンレステープ
麻酔含有テープ ペンレステープ

照射時は痛みがありますので麻酔を使用します。使用する麻酔は、治療部位および治療面積に応じます。テープ麻酔(ペンレステープ)は、照射30分〜1時間前に患者様ご自身にて貼付していただきます。院内でテープ麻酔を貼り待機することはできません。治療前にテープ麻酔を紛失した場合は、1枚税込100円でご購入いただきます(保険適用外です)。

注射による麻酔(神経ブロック)

顔の神経ブロックの位置を示す図。眼窩上神経と眼窩下神経
顔の神経ブロックの位置です。1か所あたり0.5〜1mlのキシロカイン麻酔液を注入します。

治療範囲が広い、ペンレステープが貼れない(目じり、眼瞼など凹凸のある部分)、ほかレーザー照射時に痛みが強いと予想される場合、注射麻酔(局所麻酔)で神経ブロックをおこないます。額や上眼瞼では眼窩上神経ブロック、下眼瞼、頬部では眼窩下神経ブロックを使います。麻酔の効果は1〜3時間程度で消失します。

麻酔が不十分だとレーザー治療中に顔をしかめたり、目を強くつぶることでレーザーが当たらない部分が発生して、まだらな治療結果となります。

注射麻酔では、注射範囲に内出血が生じます。内出血斑は2〜3週間ほどかけて消退します。

眼球保護

医療用コンタクトシェル

レーザーの光は目に有害です。瞼の太田母斑やADMを治療するとき、レーザー光が薄い瞼の皮膚を通過して眼球を損傷することがあります。眼球を保護するために医療用コンタクトシェルを装着します。眼瞼周囲の治療の場合、特殊な医療用コンタクトシェルを使用します。

コンタクトシェルの装着は、麻酔点眼薬の点眼後に石田医師がおこないます。治療前に普段使用しているコンタクトレンズは外していただきますので、当日は眼鏡でご来院されるか、コンタクト保存容器と保存液をご持参ください。院内にて購入することも可能です(税込370円、保険適用外です)。

眼の周囲の太田母斑・ADMの治療で使用する眼球保護用コンタクトシェル
眼の周囲の太田母斑、ADMを治療する場合、滅菌した眼球保護用コンタクトシェルを使用して眼をレーザー光から保護します。

保護ゴーグル

太田母斑やADMが眼瞼やその周囲に存在しないときでも、眼球を保護する必要はあります。専用のゴーグルを瞼の上に置きます。

レーザー照射時は、専用ゴーグルや医療用コンタクトシェルを装着していても赤い光が見えますが、眼球は保護されています。

コンタクトシェルを使用した場合は、装着による結膜炎等の症状を予防するために点眼薬(オフロキサシン点眼液)を治療後4日間、1日3回、裸眼時に点眼します。コンタクトレンズの装着は、点眼後5分経過してからおこなってください。また、眼瞼周囲のレーザー治療後1週間は、まつげエクステ、まつげパーマの施術、まつげ美容液の使用をお控えください。

レーザー治療でどれくらい消えますか?限界はありますか?

答え

太田母斑・ADMの原因となる真皮メラノサイトがどのくらいの深さまで存在するかによります。Qスイッチレーザーの波長はルビーレーザーが694nm、アレキサンドライトレーザーが755nm、Nd:ヤグレーザーが1064nmで、どこまで深く届くかが決まっています。レーザーの出力と深達度は関係なく、出力を強くしてもより深くまでは届きません。3〜5回の治療をおこなっても色が残った場合、レーザーが届かない深さに真皮メラノサイトがあると考えます。

太田母斑・後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)の原因となる真皮メラノサイトがどのくらいの深さまで存在するかによります。Qスイッチレーザーの波長はルビーレーザーが694nm、アレキサンドライトレーザーが755nm、Nd:ヤグレーザーが1064nmで、どこまで深く届くかが決まっています。波長が長いほど深く届くので1064nm>755nm>694nmの順になります。

一方、メラニンに対する反応は逆です。実際の治療にはルビーレーザーの694nm、アレキサンドライトレーザーの755nmが使われます。

レーザーの出力と深達度は関係ありません。出力を強くしてもより深くまで届かないのです。レーザーが届く深さより深いところに真皮メラノサイトが存在すれば、色素が残る可能性はあります。

3〜5回の治療をおこなっても色が残った場合、レーザーが届かない深さに真皮メラノサイトがあると考えます。消えないからといって、繰り返し出力を上げて照射してもレーザーの深達度は波長で決まっているので、効果がでないどころか表皮メラノサイトが死滅して白抜けをつくることになります。白抜けは永久に残る可能性があり、私はとくに白抜けに気を使っています。

レーザーの波長と皮膚に届く深さの関係を示す図
レーザーの波長によって皮膚に届く深さが決まります。波長が長いほど深く届き、1064nm>755nm>694nmの順になります。

治療面積が大きい、あるいは治療対象が皮膚深くまで存在している場合、効果的なレーザーを選択して治療をおこなっても、レーザーの種類ごとに皮膚表面からレーザー光が到達する深さが決まっているため、完全に治療対象を除去することができない場合があります。また、皮膚の色調が均一にならない場合があります。

なぜ治療間隔が6か月なのですか?保険診療では3か月おきに照射が認められているはずです。

答え

照射後に生じる色調の増強と炎症後色素沈着が消えるまでに6か月程度を要するためです。色素沈着がある状態で照射をおこなうと表皮メラノサイトを破壊して白抜けの原因となります。したがって当院では太田母斑・ADMともに6か月空けます。自費であっても治療間隔を3か月より短くしないでください。

太田母斑・後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)のレーザー照射では治療部の色調が濃くなります。これは2つの原因があります。

  • 1つは真皮メラノサイトが破壊されて炎症が起きて色調が濃くなっているもの
  • 2つ目は表皮の炎症による炎症後色素沈着

双方ともレーザー照射1〜1.5か月目に色調のピークがきます。後者は長く続き、炎症後色素沈着は消えるまで3〜6か月かかります。しかし、3か月後で消えている人は実際は少なく、6か月程度要します。色素沈着がある状態で照射をおこなうと表皮メラノサイトを破壊して白抜けの原因となります。したがって当院では太田母斑と後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)ともに6か月空けます。

ダメージから回復していない皮膚に繰り返しレーザーを照射すると白抜けがおこります。私は6か月あけることにしています。

治療後にいったん消えた色素斑が再発しました。本当に太田母斑でしょうか?

答え

照射していったん消えた後に再発したのであれば、扁平母斑である可能性があります。太田母斑であれば治療初期は治療ごとにかならず薄くなり、よほど薄い色素斑でなければ1回で消失することはないはずです。

顔の片側にある色素斑では太田母斑と扁平母斑の場合があります。まれに顔の異所性蒙古斑もありますが、すごく稀です。太田母斑であれば治療初期は治療ごとにかならず薄くなります。そして、よほど薄い色素斑でなければ1回で消失することはないはずです。照射していったん消えた後、再発したのであれば扁平母斑である可能性があります。

扁平母斑に関しては扁平母斑のページをご覧ください。

自費で治療するクリニックと保険で治療するクリニックに差はありますか?

答え

使用するレーザーに差はありません。保険でも自費でも使うレーザーはルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Nd:ヤグレーザーです。自費で治療をおこなうか、保険でおこなうかはクリニックの都合です。当院は保険診療でおこなっています。

太田母斑やADMの治療ではルビーレーザーやアレキサンドライトレーザーで良い効果が得られます。2つのレーザーではメラニンへの吸収、届く深さに違いがありますが、実際に治療してみるとあまり差はなく、どちらが優れているとは言えません。双方が優れたレーザーです。保険でも自費でも使うレーザーはルビーレーザーやアレキサンドライトレーザー、Nd:ヤグレーザーです。自費で治療をおこなうか、保険でおこなうかはクリニックの都合です。

私は太田母斑やADMの治療にNd:ヤグレーザーは最適とは思っていません。長年、Qスイッチアレキサンドライトレーザーを太田母斑やADMの治療に使ってきました。しかし、Qスイッチアレキサンドライトレーザーはメーカーのメンテナンスが終了になり、現在はQスイッチルビーレーザーを使っています。効果はQスイッチアレキサンドライトレーザーと変わりません。最近ピコ秒レーザーも保険適用となっています。ピコ秒レーザーでは波長755nmのアレキサンドライトレーザーで効果があります。

それと、自費だからといって治療間隔を3か月より短くしないでください。ダメージから回復していない皮膚に繰り返しレーザーを照射すると白抜けがおこります。私は6か月あけることにしています。

日本国のルールとして、皮膚レーザー照射療法は、単なる美容を目的とした場合は保険治療が認められていません。

治療の流れはどうなりますか?

答え

WEB予約 →「保険レーザー治療 カウンセリング・経過診察の予約」での診察・診断 → 別の日に「保険レーザー治療 施術」でレーザー治療 → 治療の3か月後と5か月後に経過診察、という流れです。カウンセリングと同日の治療はおこなっておらず、レーザー治療までに2回のご来院が必要です。経過診察にご来院いただいていない場合、次回のレーザー治療はおこなえません。

  1. ご予約当院は完全予約制です。ご予約は予約サイトから承っております。クリニック受付ならびにお電話では予約の受付はいたしておりません。選択メニューから「保険レーザー治療 カウンセリング・経過診察の予約」を選び、「ADM・太田母斑」のご相談を選択ください。
  2. 初診・再相談(カウンセリング)問診(WEB問診の内容を確認)、視診・ダーモスコピー、写真撮影、診断、レーザー治療の説明・料金案内、質問受付の順におこないます。治療希望部位の面積を計測し、おおよその治療面積をお伝えします。実際の治療面積は治療時に確定します。必要時、診察前に洗顔または部分的な洗浄をお願いしております。範囲が狭い場合は、診察室でお化粧を拭き取らせていただくことがあります。前回相談日ならびに前回レーザー治療から1年以上経過している方は、再度の診察(再相談)が必要です。ご相談は満19歳以上の方を対象としています。
  3. 説明同意書のご確認カウンセリング当日にお渡しする説明同意書の内容をよくご確認いただき、当院での治療をご検討ください。カウンセリングと同日に治療はおこなっておりません。
  4. 治療のご予約予約サイトから「保険レーザー治療 施術」のご予約をお取りいただきます。テープ麻酔を使用する場合は、ご自宅から貼ってご来院いただきます(照射30分〜1時間前に貼付)。
  5. 洗顔日焼け止めやお化粧はメイク落としと洗顔フォームを使用して完全に落としていただきます。当院では個包装のメイク落とし、洗顔料、化粧水、乳液、日焼け止め、使い捨てタオルとヘアバンドをご用意しております。お化粧直しをご希望の場合は、患者様ご自身にてご用意願います。
  6. 麻酔主にテープ麻酔(ペンレステープ)を使用します。目の周囲への治療の場合は注射麻酔(キシロカイン1%注射液)で神経ブロックをおこないます。使用する麻酔は治療部位および治療面積に応じます。
  7. 眼球保護専用のゴーグルを装着します。眼瞼周囲の治療の場合は、麻酔点眼薬の点眼後に石田医師が特殊な医療用コンタクトシェルを装着します。普段使用しているコンタクトレンズは治療前に外していただきます。
  8. レーザー照射Qスイッチルビーレーザー「ナノスターアール」を照射します。専用ゴーグルやコンタクトシェルを装着していても赤い光が見えますが、眼球は保護されています。
  9. 治療後の処置とクーリング抗炎症作用のある軟膏を塗布します。その後、氷冷剤で10〜20分冷却していただきます。ご自宅で冷やしていただく必要はありません。照射部には水疱や紫斑(皮下出血)、軽度の出血がみられることがあります。ご自宅での処置についてご説明します。
  10. 経過診察初回治療では治療の3か月後と5か月後、2回目以降の治療では治療の5か月後にご来院いただきます。洗顔、視診・ダーモスコピー、写真撮影、現在の状態と今後の経過の説明をおこないます。予約サイトから「保険レーザー治療 カウンセリング・経過診察の予約」でご予約ください。医師の指示による経過診察にご来院いただいていない場合、次回のレーザー治療はおこなえません。次回照射日は経過診察にご来院いただいてからのご案内となります。
  11. 2回目以降のレーザー治療太田母斑では4〜6か月、ADMでは6か月の間隔を空けて照射を繰り返します。おおよその治療回数は3〜5回です。同一箇所への照射は、他院での治療歴も含めて原則5回を目安としております。

治療後の処置と日常生活で気をつけることは何ですか?

答え

治療当日から4日目まで、1日2回(朝夕の洗顔後)に抗炎症作用のある軟膏(ロコイド軟膏)を外用します。コンタクトシェルを使用した場合は、点眼薬(オフロキサシン点眼液)を4日間1日3回、裸眼時に点眼します。基礎化粧品・日焼け止め・お化粧は治療当日を含め4日間できません。洗顔・シャワーは当日から、入浴・飲酒・運動は翌日から可能です。治療期間中は日焼けを避け、日中外出時には必ず日焼け止めを使用してください。

治療後の処置

  • 治療当日から4日目まで、1日2回、朝夕の洗顔後に抗炎症作用のある軟膏(ロコイド軟膏)を薄く外用します
  • 軟膏塗布期間中は、治療箇所への基礎化粧品・日焼け止めの塗布、お化粧はできません。レーザーを照射していない部分は可能です
  • コンタクトシェルを使用した場合、装着による結膜炎等の症状を予防するための点眼薬(オフロキサシン点眼液)を治療後4日間、1日3回、裸眼時に点眼します。コンタクトレンズの装着は点眼後5分経過してからおこなってください
  • ご希望により、治療後の疼痛緩和目的で鎮痛剤(ロキソプロフェンNaまたはカロナール)を最大2日分まで処方いたします

日常生活

レーザー治療後の日常生活
洗顔・シャワー入浴基礎化粧品・日焼け止め化粧飲酒運動
当日から可能翌日から可能治療当日を含め4日間不可治療当日を含め4日間不可翌日から可能翌日から可能
  • 照射箇所にカサブタができた場合は、カサブタがはがれ落ちるまでお化粧はできません。石けんまたは洗顔フォームで落ちる日焼け止めの使用は可能です
  • 洗顔は治療箇所をこすらないよう、せっけん・洗顔フォームをよく泡立てて優しく洗ってください
  • 治療期間中は、治療箇所の日焼けを避け、日中外出時には必ず日焼け止めを使用してください。天候にかかわらず使用してください
  • 日焼けをした後や大事なご予定がある前は、少なくとも2週間あけて治療をお受けいただいております
  • レーザー治療後の皮膚に摩擦が加わることで、炎症後色素沈着や肝斑が出現・悪化しやすくなります。摩擦刺激を加えないよう注意してください
  • 眼瞼周囲のレーザー治療後1週間は、まつげエクステ、まつげパーマの施術、まつげ美容液の使用をお控えください
  • 頭髪の生え際に存在するものの治療後4週間は、頭髪のカラーリングをお控えください

治療範囲に生じた異常(水疱形成・赤み・腫れ・痒み・痛み)や、ご心配なことがある場合は速やかにご連絡いただき当院を受診してください。自己判断で異常発生より1週間以上放置された場合、適切な処置がおこなえない場合があります。

どのようなリスク・副作用がありますか?

答え

太田母斑・ADMのレーザー治療では、治療後1〜1.5か月に色調が一過性に濃くなります。そのほか、疼痛、熱感、腫脹、発赤、痒み、痂皮形成(カサブタ)、びらん、水疱形成、瘢痕、炎症後色素沈着、炎症後紅斑、肝斑の出現・悪化、出血・内出血・紫斑、色素脱失(白抜け)、色調の不均一、色素の残存などが生じる可能性があります。すべての方に可能性とリスクがあります。医療には多くの不確実、不確定の要素が含まれているため、これらの反応が起こり得る確率を正確に説明することはできません。

レーザー治療後に生じうる反応

  • 疼痛、熱感、腫脹、発赤、痒み
  • 痂皮形成(カサブタができる)、びらん、水疱形成、瘢痕
  • 炎症後色素沈着
  • 肝斑の出現、肝斑の悪化
  • レーザー治療後の色調の増強(太田母斑、ADMの場合)
  • 炎症後紅斑
  • 出血、内出血、点状出血、紫斑、内出血後の皮膚の黄染
  • 色素脱失
  • 治療部位の皮膚の色調の不均一
  • 色素の残存
  • 眉毛、睫毛(まつげ)、まつげエクステ、ヒゲ、頭髪の抜去および毛先の燃焼(有毛部近くに存在する色素斑、腫瘍に対する治療の場合)
  • 一時的または永久的な局所の脱毛、減毛
  • 治療に使用する薬剤による副作用・アレルギー反応
  • 治療に使用する医療用テープや創傷保護剤などによる皮膚炎(発赤、痒み、湿疹など)

適切に治療をおこなっても色素脱失、瘢痕を生じる可能性が全くないわけではありません。レーザー治療後に生じた色素脱失および瘢痕に対する治療および他院へのご紹介はおこなっておりません。

腫れ・発赤・痒みが続く期間

レーザー治療後に生じる腫れは主に、注射麻酔の注入、レーザー照射時の衝撃波、レーザー照射後の熱傷に伴う炎症反応によるものです。注射麻酔注入による腫れは2時間程度、レーザー照射時の衝撃波による腫れは1日程度、レーザー照射による熱傷に伴う腫れは2〜3日程度で消退します。

レーザー治療後に生じる発赤は、主にレーザー照射時の衝撃波、熱傷に伴う炎症反応、治療後の皮膚の創傷治癒過程における血流の増加によるものです。衝撃波による発赤は1日程度、熱傷に伴う炎症反応の発赤は2〜3日程度、創傷治癒過程に伴う発赤は炎症後紅斑といい6か月〜2年程度続く場合があります。炎症後紅斑が消退する期間には個人差があります。炎症後紅斑の消退を早める治療および他院へのご紹介はおこなっておりません。

レーザー治療後に生じる痒みは主に、治療後に生じる炎症に伴って痒みを誘発する物質が産生されることや、創傷治癒過程にある皮膚のバリア機能が低下しており摩擦や化粧品などの外部刺激に対して過敏になるためです。

炎症後色素沈着が消えるまでの期間

レーザー治療後に炎症後色素沈着が生じた場合、消退までに顔と首では3か月〜6か月程度、身体の場合は1年〜1年6か月を要しますが、いずれの部位も長い方では2年程度を要する場合があります。炎症後色素沈着が消退する期間には個人差があります。

顔に存在する「色素斑または脂漏性角化症」のレーザー治療後に生じた炎症後色素沈着に対してのみ、レーザー治療から4か月後以降に美白剤を使用する場合があります。美白剤使用の必要性は医師が判断します。顔に存在する「色素斑または脂漏性角化症」ではない色素斑または腫瘍に対する治療後に生じた炎症後色素沈着の消退を早める治療および他院へのご紹介はおこなっておりません。

内出血・紫斑が消えるまでの期間

レーザー治療に伴う出血、内出血、点状皮内出血、紫斑は、主に注射麻酔の注射針穿刺および麻酔注入、レーザー照射時の衝撃波、レーザー照射による皮膚の毛細血管の損傷によるものです。内出血、点状皮内出血、紫斑が生じた場合、皮膚の黄染の過程を経て通常2週間程で消退しますが、血液抗凝固薬の内服中や体質、部位(特に眼瞼周囲)によっては完全に消退するまでに4週間以上の期間を要する場合があります。

治療した部分とほかの皮膚との質感・色調の差

レーザー治療をおこなった部分の皮膚は、治療対象が除去されて皮膚組織が新しく再構築されます。治療をおこなっていない部分の皮膚と、治療箇所およびその周辺皮膚との質感の差、色調のコントラストが生じます。時間の経過とともに質感の差や色調のコントラストは軽度になりますが、完全に同化することはありません。質感や色調を完全に同化させるための治療および他院へのご紹介はおこなっておりません。

レーザー治療は、レーザー照射により皮膚に発生する熱を利用し皮膚組織を破壊または損傷することにより治療対象を除去します。治療時に皮膚に生じる反応は主に熱傷であり、この熱傷は治療対象周囲におよびます。そのため、反応は治療対象部分に限局できるものではなく、治療対象の周囲1〜2㎜程度の範囲まで生じます。

治療後に皮膚が敏感になること・ニキビや湿疹・稗粒腫・ホクロ

皮膚表面に存在するメラニンおよび表皮(特に角質層)は皮膚免疫を担っています。色素斑または腫瘍をレーザーで除去する治療では、皮膚メラニンの減少または表皮の菲薄化が起こるため皮膚免疫が低下します。また物理的刺激(紫外線、摩擦、花粉などのアレルゲン、化粧品や薬品などの化学物質による刺激)に治療前よりも過敏になります。その結果、治療前よりもニキビや湿疹ができやすくなる場合があります。治療前後で皮膚疾患の罹患頻度が増減する可能性を治療前に予測することはできません。レーザーを照射した部分の皮膚を照射以前の状態に戻すことはできません。当院のレーザー治療後の皮膚にニキビや湿疹などの皮膚炎ができた場合、近隣の保険皮膚科の受診を推奨しています。

レーザー照射箇所の皮膚に稗粒腫という良性腫瘍ができることがあります。レーザー治療の影響でできた稗粒腫は通常6か月前後で自然に消退しますが、消退しない場合もあります。除去をご希望の場合、当院ではレーザー治療で対応しており別途自費治療費がかかります。

レーザー照射箇所の皮膚に新たにホクロができることがあります。レーザー治療の影響は否定できません。新たにできたホクロは自然に消退することはありません。除去をご希望の場合、当院ではレーザー治療で対応しており別途自費治療費がかかります。

広い範囲を1回で治療した場合の皮膚の赤み

同一部位の皮膚に多数の色素斑または腫瘍があり、1回のレーザー治療で同一部位全体を除去する場合、治療後の皮膚の赤みが出現または増強します。これは炎症後紅斑とは別の症状です。主に次の2つの理由によるものと考えられます。1)レーザー治療により治療対象を除去することは皮膚に熱傷を作ることであり、創傷治癒過程において皮膚の血流量が増えるため赤ら顔になる(皮膚血流量増加には皮膚血管の新生も関与しています)。2)レーザー治療により皮膚全体のメラニン量が減少し、紫外線や物理的刺激に対して皮膚が過敏になり慢性的な炎症がおきている。

出現または増強した皮膚の赤みは、レーザー治療前の皮膚色に戻らないことがあります。その治療は、当院の赤ら顔治療方針に準じて治療のご提案が可能な場合がありますが、別途自費治療費がかかります。

治療における患者様の治療効果への期待は様々です。さらに患者様の皮膚の反応も様々です。医療には多くの不確実、不確定の要素が含まれており、医療行為および医療行為の結果に確実性はありません。したがって、治療に際してはこの点をご理解いただき、治療効果にご満足いただけない場合でも、すでに実施された医療行為の治療費の返金はいたしておりません。レーザー治療後に生じた症状に対する診察および治療の費用は、その都度患者様負担となります。

太田母斑・ADMの治療費用はいくらかかりますか?

答え

保険診療です。Qスイッチ付レーザー照射療法の自己負担(3割負担)は、治療1回あたり照射面積4㎠未満で6,000円、4㎠以上16㎠未満で7,110円、16㎠以上64㎠未満で8,700円です。これに初診料870円または再診料230円などが加わります。当院では1回のご来院で照射面積64㎠以上の治療はおこなっておりません。

Qスイッチ付レーザー照射療法 レーザー料金(治療1回あたり・保険診療)
照射面積点数自己負担(3割負担)
4㎠未満2,000点6,000円
4㎠以上〜16㎠未満2,370点7,110円
16㎠以上〜64㎠未満2,900点8,700円
64㎠以上 ※当院では対応しておりません3,950点11,850円

当院では保険レーザー治療で確保可能な時間を限定しているため、1回のご来院で治療面積64㎠以上の治療はおこなっておりません。

その他の料金(保険診療)
項目点数自己負担目安(3割負担)
初診料291点870円
再診料76点230円
外来管理加算52点160円
ダーモスコピー(算定対象を診断した場合)72点210円
夜間・休日等加算(土曜12時以降のご予約の場合)50点150円
院外処方箋料60点180円
テープ麻酔(ペンレステープ)※1枚あたり3点10円
注射麻酔(キシロカイン1%注射液)※1mlあたり1点3円
  • 最新の診療報酬点数(令和8〔2026〕年度診療報酬改定)により算出したものです
  • 治療の料金は、治療当日の診療報酬点数に準じます
  • 保険診療の窓口負担(自己負担)は10円未満を四捨五入します
  • 処方箋調剤薬局で支払う調剤費・処方薬代は上記に記載されていません。処方薬に必要な代金の確認は、かかりつけの処方箋調剤薬局にてご確認ください

保険適用外(自費)となるもの

保険適用外の項目(税込)
項目適用条件費用(税込)
テープ麻酔(ペンレステープ)の再購入治療前に紛失した場合 1枚100円
コンタクトレンズ保存容器・保存液院内で購入する場合370円
フォトフェイシャルM22(前処置)色素斑が顔の広範囲にある場合 顔全体1回25,300円

前処置に使用する美白外用剤(ハイドロキノン4%)の費用は、料金表に記載がありません。カウンセリング時にご案内いたします。レーザー治療後に生じた症状に対する診察および治療の費用も、その都度患者様負担となります。

お支払い方法

現金またはクレジットカード(一括または2回払い)に対応しております。

料金の最新の情報は当院の料金表をご覧ください。

山手皮膚科クリニック院長 豊福一朋

この記事の執筆・監修

豊福 一朋(とよふく かずとも)

公益社団法人日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医/医学博士/経営管理学修士(MBA)

1992年から日本、カナダ、米国でシミの原因となるメラニンの研究をおこなってきました。2005年の開業時よりレーザーを使って多くの太田母斑とADMの治療をおこなっています。現在はQスイッチ、ピコ秒レーザーが普及して、一見してわかる典型的な太田母斑やADMがある方は幼少期〜青年期に治療を受けることが多くなっています。軽症の太田母斑、ADMは診断が難しく、通常のシミ、そばかす、肝斑として治療されている方も多くいらっしゃいます。IPLやシミ治療をおこなって効かない色素斑、ヒアルロン酸注入や脱脂をおこなっても消えない目のクマは太田母斑、ADMの可能性があります。また、レーザー治療をおこなって両側の眼瞼、眼瞼周囲、頬部にわずかに色素斑がのこる場合があります。これらはADMであることが多いです。

経歴
  • 1991年 長崎大学医学部卒業
  • 長崎大学病院泌尿器科、九州大学病院皮膚科にて卒後研修
  • 1994年 九州大学大学院医学研究科入学。同年、カナダ医学奨学金(Royal Canadian Medical Foundation)にてカナダ・アルバータ州立大学皮膚科(エドモントン)に留学
  • 1997年 九州中央病院皮膚科医長
  • 1998年 九州大学大学院医学研究科修了(医学博士)
  • 1999年 米国国立衛生研究所(NIH)(メリーランド州ベセスダ)研究員
  • 2001年 佐賀県立病院皮膚科医長
  • 2002〜2004年 慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)
  • 2005年 山手皮膚科クリニックを開設

保険診療に関する表記

太田母斑・ADM(真皮メラノーシス)に対するQスイッチ付レーザー照射療法
診療区分保険診療(Qスイッチ付レーザー照射療法)。日本国のルールとして、皮膚レーザー照射療法は、単なる美容を目的とした場合は保険治療が認められていません。
使用機器Qスイッチルビーレーザー「ナノスターアール」(ドイツAsclepion社製・波長694nm)
照射面積等1回のご来院で照射する面積は64㎠未満。診察時に治療希望部位の面積を計測し、実際の治療面積は治療時に確定します。
治療期間・回数太田母斑は4〜6か月、ADMは6か月の間隔を空けて繰り返します。おおよその治療回数は3〜5回です。同一の治療目的で同一箇所に対する照射は、他院でのレーザー治療歴も含めて原則5回を目安としています。
前処置前処置の要否は医師が総合判断します。必要な場合、美白外用剤(ハイドロキノン4%)または顔の広範囲ではフォトフェイシャルM22(IPL・自費)をおこないます。いずれも前処置であり、太田母斑・ADMの治療ではありません。
リスク・副作用治療後1〜1.5か月の色調の一過性の増強、疼痛、熱感、腫脹、発赤、痒み、痂皮形成、びらん、水疱形成、瘢痕、炎症後色素沈着、炎症後紅斑、肝斑の出現・悪化、出血・内出血・点状出血・紫斑、色素脱失(白抜け)、色調の不均一、色素の残存、局所の脱毛・減毛、薬剤による副作用・アレルギー反応、医療用テープ等による皮膚炎。適切に治療をおこなっても色素脱失、瘢痕を生じる可能性が全くないわけではありません。
費用(自己負担3割)レーザー1回あたり6,000円(4㎠未満)/7,110円(4㎠以上16㎠未満)/8,700円(16㎠以上64㎠未満)。ほかに初診料870円、再診料230円、外来管理加算160円、ダーモスコピー210円、夜間・休日等加算150円、院外処方箋料180円、テープ麻酔10円(1枚)、注射麻酔3円(1ml)。調剤薬局でお支払いいただく調剤費・処方薬代は含みません。
保険適用外(自費)の項目テープ麻酔の再購入100円(1枚)、コンタクトレンズ保存容器・保存液370円、フォトフェイシャルM22(前処置)25,300円、美白外用剤ハイドロキノン、レーザー治療後に生じた症状に対する診察・治療、治療後にできた稗粒腫やホクロの除去。いずれも税込。
年齢制限ご相談および施術ともに、満19歳以上の方を対象としています。
承認区分保険適用の医療機器を使用しています(Qスイッチ付レーザー照射療法として保険診療で実施)。

シミ・そばかす・肝斑・目のクマとして治療を続けても薄くならない色素斑は、太田母斑・ADMかもしれません。まずは診断からご相談ください。ご予約はWEB予約サイトの「保険レーザー治療 カウンセリング・経過診察の予約」から「ADM・太田母斑」をお選びください。

WEB予約サイトへ