保険診療のご案内

保険診療のご案内

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更新日:2018.8.14/公開日:2017.3.8
このコンテンツは山手皮フ科クリニック 院長 豊福一朋が100%オリジナルで書いています。

イボは、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV;human papillomavirus)が皮膚に感染してできます。イボのウイルスは正常の健康な皮膚には感染できないのですが、小さな傷などがあるとそこから皮膚に入り込んでイボをつくります。
一般には外傷を受けることの多い手足や外陰部にできやすく、アトピー性皮膚炎の子供では特に引っ掻くことの多い肘・膝窩にもできます。

イボの治療

1)液体窒素による冷凍凝固(保険適応)

保険適応での標準治療です。液体窒素を浸した綿棒でイボを冷凍凝固します。
冷凍により皮膚に炎症が起こり、からだの免疫が活性化してイボを排除します。
1週間に1回の頻度で行います。
痛みを伴うのが欠点ですが、確実性があり最も良い方法です。
液体窒素をスプレーで噴出させて、イボを治療する方法もあります。
先端部の噴出口の直径を変えることができ、いろいろなタイプのイボを治療することができます。

顔や頚部に多発するイボでは、治療によりイボはなくなっても、液体窒素を浸す綿棒の形に色素沈着(炎症後色素沈着)をおこすことが多く、後述する炭酸ガスレーザーがよいことがあります。

イボ治療綿棒

綿棒に液体窒素を浸してイボを冷凍します。

液体窒素による治療の様子

液体窒素による治療の様子

液体窒素スプレー

液体窒素スプレー先端部

液体窒素スプレー先端部 さまざまが形があり、イボの大きさ、深さで使い分けができます。

液体窒素スプレーでの治療の様子

2)よく苡仁内服(保険適応)

よく苡仁は漢方薬でハトムギのエキスです。
漢方薬といってもハトムギですので毒性はゼロできわめて安全な薬です。
レストランのサラダの上に健康食品としてのっていることがあり飲むと免疫を高めてイボが落ちることがあります。
少ないケースですがよく苡仁を飲むだけでイボがおちる方がいらっしゃいます。
通常は液体窒素による冷凍凝固、ステリハイド液外用と併用して治療します。
錠剤と粉末があり、お子様、ご高齢の方も内服できます。
※ハトムギは子宮を弛緩させる働きがあるので妊娠中は内服できません。

3)グルタルアルデヒド(ステリハイド液)外用(保険適応外自費診療)

グルタルアルデヒド(ステリハイド液)は消毒液の原液です。消毒液を作る時は原液を1000倍ほど薄めて使います。
ステリハイドはイボイルスが感染した角層を変性させ治療します。
ときどきしみることがありますが痛みはありません。
この治療単独で効果があることは少なく、当院では液体窒素による冷凍凝固と併用して自宅でおこなっていただきます。
治療のために通院が困難な方、液体窒素の治療の痛みに耐えられない方にはグルタルアルデヒド(ステリハイド液)単独で治療することもあります。
間違って飲むと危険ですから、1~3歳の小さなお子様がいらっしゃるご家庭では使用できません。
使用に際しては承諾書をいただいております。

4)べセルナクリーム(保険適応外自費診療)

尖圭コンジローマに使用される薬剤がイボの治療に使用できますが保険適応外になります。
薬価は1包1,170円で5包以上は必要になる思います。
イボの部位に1日1回、週3回、就寝前に塗布します。
塗布後はそのままの状態を保ち、起床後に塗布した薬剤を石鹸を用いて、水又は温水で洗い流します。

5)手術

保険適応ですが、イボの治療ではメスで切除する手術は通常行いません。
イボはウイルス性の病気なので、メスで切ってもウイルスが傷に残っていれば再発するからです。
足底などで1つしかない古い硬くなったイボで、液体窒素でなかなか治らない時は手術をおこなったほうがよい場合があります。

6)炭酸ガスレーザー(保険適応外自費診療)

イボを炭酸ガスレーザーで蒸散させる方法です。
液体窒素では治療が困難な難治性のイボや顔面・頚部に多発するイボの治療に使われます。
顔面や頸部では直径0.5mm、1mm、1.5mm、2mmといった非常に小さく限定された領域をレーザー照射できるので、治療後の炎症後色素沈着が最小限に抑えられ、顔、頚部、胸などに多発する小さなイボの治療に適しています。

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液体窒素では治療が困難な難治性のイボ

液体窒素による冷凍凝固を週1回おこなっていてもなかなか治らない方を対象にしています。
炭酸ガスレーザーは万能ではなく、かならず治癒するというものではありません。
炭酸ガスレーザーでの治療後も、引き続き液体窒素での治療が必要な場合がありますが、これをきっかけに治癒することがあります。
難治性イボの場合は炭酸ガスレーザーでイボを物理的に排除することのみで治るものではないと思われます。
炭酸ガスレーザーでイボとその周囲皮膚を蒸散させることで強い炎症が起きて、これがイボの対する免疫反応の引き金となって、結果的にイボがなくなると考えています。

治療例:

30歳男性の右の人差し指のイボです。皮膚科で液体窒素の治療を1年以上されているにもかかわらず、いっこうに治らないのでレーザー治療目的で来院されました。
治療回数1回、通院3回(通院期間1カ月。総治療費¥28,080
治療のリスク 炎症後の痛み(消炎鎮痛剤の内服で対応), 治療後の二次感染(内服・外用抗菌剤で対応)

レーザー照射前

局所麻酔をおこない、炭酸ガスレーザーでイボとその周囲組織を蒸散させます。

レーザー照射後3カ月
液体窒素の治療を行うことなしにレーザー治療のみで治癒しました。

頚部に多発するイボ

顔面、頸部のイボへの液体窒素治療で炎症後色素沈着が起こるのが嫌な方、通院が大変なので1回ですべてイボを治療したい方には炭酸ガスレーザーが適しています。
※頸部はイボ以外にアクロコルドン、皮膚軟性線維腫というイボより一回り大きい皮膚腫瘤の好発部位です。
アクロコルドン、皮膚軟性線維腫の治療では1か所1か所の麻酔の注射をおこなってレーザーで蒸散させるので、治療法が違います。

多発するイボ治療の詳細は「顔・頸部(くび)・おなかの多発したイボ」の項目をごらん下さい。

治療例:
40歳台男性の頸部に多発するイボです。液体窒素で治療するための頻回の通院が面倒で1回ですべて治療したいのでレーザー治療を希望され来院されました。
治療回数1回、通院3回(通院期間1カ月)。総治療費¥36,720
治療のリスク 炎症後の痛み(消炎鎮痛剤の内服で対応), 治療後の皮膚の炎症(ステロイド外用剤で対応), 炎症後色素沈着(自然に軽快、気になるとときはハイドロキノンなどの美白剤で対応)

レーザー照射前

レーザー照射直後

レーザー照射後3カ月

自費診療費用

外用剤 単位 価格(税込み)
ステリハイド液 30mL 500円
べセルナクリーム(院外処方※) 1包  1,170円

炭酸ガスレーザー料金

  大きさ 費用(税込み)
難治性イボ(1個)※1   直径5mm未満 10,800円
直径5mm以上8mm未満 21,600円
直径8mm以上  32,400円~
多発性イボ(1個)     324円※2

※1 複数個あるときに割り引いた金額でお見積りします。
※2 治療範囲は顔面全体、頸部全体といったある一定以上の領域のイボをすべて治療する場合の1個あたりの費用です。
ご指定されたイボを個別にレーザー治療したり、個数を限定して治療することはいたしません。
イボはウイルス性ですので、ある領域のイボはすべて治療する必要があるからです。

多発するイボ治療の詳細は「顔・頸部(くび)・おなかの多発したイボ」の項目をごらん下さい。