保険診療のご案内

保険診療のご案内

therapy

単純性血管腫・いちご状血管腫

単純性血管腫

単純性血管腫とは

単純性血管腫は赤ワイン色を示すことからポートワイン血管腫とも呼ばれます。 原因は皮膚の真皮の毛細血管の局所の異常(奇形)です。
生まれたときにすでに存在して、通常は均一な紅斑です。紅斑の色は明るいピンク色から濃い紫色まで様々です。表面は平坦で、周囲との明瞭がはっきりしています。
血管腫の主病変が真皮のどこに位置するかで、浅在性、深在性、びまん型に分類されます。
自然消退はしませんが、皮膚の厚さが加齢に伴って厚くなるため褪色する場合もあります。また、反対に色が濃くなったり、盛り上がって腫瘤を形成する場合もあります。
発生の頻度は、男性より女性に多く、好発部位は顔面と頸部ですが、四肢にも比較的多く見られます。

うなじの平坦な単純性血管腫
下腿の単純性血管腫
顔面の単純性血管腫
年月とともに赤色が増して、盛り上がってきている。

単純性血管腫の治療

治療は色素レーザーが第一選択です。年齢を重ねると盛り上がってくる場合があり、できるだけ早期の治療をおすすめします。
小児は成人に比べ皮膚が薄く血管腫が浅い所に存在するため治療によく反応します。治療開始が早ければ早いほど治療回数は少なく、治療効果も優れています。
結節状に盛り上がったものにはレーザーが無効な場合もあり、外科的に切除することもあります。

苺(いちご)状血管腫

苺(いちご)状血管腫とは

苺(いちご)状血管腫は未熟な毛細血管の増殖が原因です。
生まれてすぐ、あるいは生後数週以内に出現します。最初は平坦でも、生後3~7ヵ月頃に表面が苺(いちご)状に赤く盛り上がり、急速に大きくなった後に、数年かけて徐々に赤みが抜け、しぼんでいきます。 からだのどこにでも見られますが、最も多いのが顔面です。多くは平たい「局面型」、盛り上がった「腫瘤型」となります。皮膚の深い部分に存在する深在型では、皮膚表面には異状なく、ただ濃い青色の皮膚となります。 苺(いちご)状血管腫の大きさは、数mmから、顔面の半分以上の面積を占めるものまで様々です。目の周囲にあると、眼を開くことができなくなり、未治療では将来の視力低下の原因となります。また、頸部では呼吸困難、下顔面では開口障害、側頭部では難聴など機能障害を起こしたりするので、早期の治療が必要です。 機能障害をおこさない程度の苺(いちご)状血管腫では、治療しなくても自然に軽快あるいは消退します。2歳頃から退縮が始まり、5歳までに50%、7歳までに75%の苺状血管腫が自然に治癒すると言われています。しかし、自然に治っても、表面の凹凸や白抜け、皮膚が厚くなる、しわ・たるみを残すことも多く、私は生まれてすぐから治療するべきだと思います。

苺(いちご)状血管腫の治療

乳児の苺(いちご)状血管腫は急速に大きくなることがあり、開業医では治療はむつかしく、色素レーザーを備えた病院(虎ノ門病院皮膚科など)での治療をお勧めします。
治療としてはスポンジによる圧迫、色素レーザー治療、凍結療法、ステロイドの局注・内服、外科手術、硬化療法、放射線照射などがあります。
最近は、プロプラノロール塩酸塩のシロップ製剤(商品名ヘマンジオルシロップ小児用0.375%)が治療に用いられます。低血糖をおこすことがあり、病院の皮膚科では小児科と相談しながら治療することが多いそうです。
苺(いちご)状血管腫の症状が固定して、痛みに耐えられる年齢になったら、開業医でのレーザー治療が可能になります。

血管腫の治療

VビームⅡ

血管病変の治療には波長595nm(ナノメートル)のロングパルス色素レーザー(ダイレーザー)を照射するシネロン・キャンデラ社のVビームⅡが優れています。
VビームⅡはシネロン・キャンデラ社のVビームの後継機種です。
シネロン・キャンデラ社レーザーの特徴ダイナミッククーリングディバイス(DCD)という冷却装置がついていることです。このDCDはレーザー照射の直前に冷却ガスを皮膚表面に吹き付けて、その次の照射されるレーザーの熱から表皮を守ります。このDCDにより安全に治療することが可能となっています。また、DCDは冷却することで照射時の痛みを緩和もおこないます。
脱毛に使用するロングパルス・アレキサンドライトレーザー(ジェントルレース)や色素レーザー(Vビーム、VビームⅡ)にはこのDCDが装備されています。

シネロン・キャンデラ社VビームⅡ
VビームⅡ先端部 照射直前に先端部から冷却ガスを噴射して治療部位を熱から保護します。
ダイナミッククーリングディバイス(DCD)による冷却のイメージ
レーザー照射の直前に冷却ガスを噴射して治療部をあらかじめ冷却します。直後にレーザーを照射します。あらかじめ冷却することにより高い出力で安全に病変部の血管を破壊することが可能となります。

VビームⅡは以下の血管病変に効果があります。(※のついた疾患は健康保険を使って治療ができます。)

  • 赤ら顔
  • 酒さ
  • 下肢の静脈の拡張
  • 血管腫
    • 単純性血管腫※
    • 苺(いちご)状血管腫※
    • 蛇行性血管腫
    • サーモンパッチ・正中部母斑※
  • 静脈湖(口唇の静脈の拡張)
  • 老人性血管腫
  • 赤いニキビ跡
  • 肥厚性瘢痕・ケロイド

VビームⅡレーザー治療の流れ

1)受診

血管腫治療は健康保険適応ですので予約なしで受診ください。予約診療はおこなっておりません。
診療ではレーザー治療の効果、ダウンタイム(顔が赤くなったり腫れる期間)、費用の説明をいたします。

2)レーザー照射のながれ

原則、後日の治療となります。
当日のレーザー機材に空きがあれば、診察後に治療が可能な場合があります。

  • 化粧を完全に落とします。
  • VビームⅡにてレーザー照射をおこないます。
  • 照射後にアイスパックで冷却して、炎症をとめるステロイド外用剤を塗布します。
    またステロイド外用剤を処方します。治療後に痛みが予想される場合は鎮痛剤を処方します。

3)治療後のケア

  • 当日やシャワー浴が可能ですが、熱いお湯や強く治療部位をこすることは避けてください。バスタブにつかって体が温まると、炎症がすすみヒリヒリ感が強くなります。
  • 入浴はレーザー照射の翌日から可能です。
  • 化粧がいつできるかは血管腫の程度によります。
  • 顔面での照射部位が小さい場合、2~3日間は照射部位とその周辺が腫れます。また色調が濃くなり、一部に水疱(水ぶくれ)をつくる場合があります。これは血管がレーザーに反応して熱傷をおこしているからで治療効果の裏返しです。
  • 顔面の広範囲の照射では、照射翌日、翌々日からお顔が腫れます。目が小さくなるくらい腫れます。腫れは5~7日でおさまります。
  • 照射の出力は加減できますので、腫れが出ない程度の弱い出力で照射することができます。治療効果は減弱し、治療回数は増えます。
  • 照射直後から紫斑(紫色の腫れ)がでる場合もあります。紫斑は7日~14日で消失します。

VビームⅡにる治療費用

費用VビームⅡによるレーザー治療は、単純性血管腫・苺(いちご)状血管腫・毛細血管拡張症に限り保険適応となります。保険診療ではおよそ4ヵ月に1回の照射となります。

単純性血管腫・苺状血管腫・毛細血管拡張症(保険診療)

大きさ(面積) 価格
10㎠未満 2,170点
(保険診療自己負担分 ¥6,510)
照射面積が10平方センチメートルを超えた場合は、10平方センチメートル又は その端数を増すごとに所定点数に500点(自己負担分¥1,500)を加算します。ただし、8,500点(自己負担分¥25,500)の加算が限度となります。
50㎠(例) 4,170点(2,170点+2,000点)
(保険診療自己負担分 ¥12,510)
100㎠(例) 6,670点(2,170点+4,500点)
(保険診療自己負担分 ¥20,010)
180㎠以上(例) 10,670点(2,170点+8,500点)
(保険診療自己負担分 ¥32,010)