保険診療のご案内

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毛細血管拡張症

毛細血管拡張症とは、皮膚の真皮の毛細血管が拡張したもので、血流が通常にくらべて増加した状態で皮膚が赤くなることをいいます。
正常な状態でも気温、緊張、飲酒によって皮膚の毛細血管は拡張して皮膚が赤くなりますが、治療が必要な毛細血管拡張は拡張した状態が元に戻らなくなった状態をいいます。

毛細血管拡張症・あから顔の症状

欧米では毛細血管拡張症は性状(症状)から以下の1)から4)の4型に分類されています
(Redisch and Pelzerの分類)。
この1)から4)の分類には日本では「赤ら顔」といわれる、「一本一本の血管が確認できない淡い発赤が常にあり、周囲の温度変化で赤みが増強したり減弱したりするタイプ」がありません。これを5)紅斑タイプと分類することもあります。

1)単純(線状)タイプ;simple(linear) type
2)樹の枝状タイプ;arborizing type
3)クモ状タイプ;spider type
4)丘疹タイプ;papular type
5)紅斑タイプ;erythematous type

1)単純(線状)タイプ;simple(linear) type

血管の直径や長さは様々で盛り上がりは無く、赤色や青色を示す枝分かれのない血管の拡張。老年の鼻や頬部に多くみられますが、若年でも認められます。写真は30歳台男性です。

2)樹の枝状タイプ;arborizing type

枝分かれを認める以外は単純(線状)タイプと同じです。写真は30歳代女性の前腕

3)クモ状タイプ;spider type

中心の血管から周囲360度にわたり枝をだします。上肢に多く、年齢は若く、出産をきっかけに出現することがあります。また心臓病、肝臓病に伴うことがあります。女性ホルモンであるエストロゲンとの関連がいわれています。
顔面、特に頬部では拍動性(心臓の鼓動とともに脈打つこと)がある場合があります。

4)丘疹タイプ;papular type

皮膚の表面からわずかに隆起した小さい紅色丘疹上の血管拡張です。斑点状で直径は1mmから大きいときは1cmほどになることもあります。単発、多発いずれもあり、躯幹(胸、腹、背中)にみられます。

5)紅斑タイプ;erythematous type

一本一本の血管が確認できない淡い発赤がずっとあるタイプです。鼻の周り、頬部にあるものは脂漏性湿疹として、鼻全体にあるものは酒さとして外用剤で治療されていることが多いのですが、効果はありません。若年者に多く20歳からすでにみられます。

20歳台 女性鼻全体と両側頬部に赤ら顔があります。
脂漏性皮膚炎といわれて他院で外用剤による治療を受けていましたが、ほうれい線の部分に紅斑がないことで脂漏性皮膚炎でないことがわかります。

混合タイプ
樹の枝状タイプ、丘疹タイプ、紅斑タイプがいりまじった状態です。
中年期以降から増加します。

毛細血管拡張症・あから顔の原因

毛細血管拡張の原因は5つに分けられます(Mitchel P Goldman and Richard G Benettの分類)。 1)先天的疾患:うまれつきの毛細血管の異常、2)主に膠原病から来る二次的なもの、3)皮膚病の部分症状、4)ホルモン由来のもの、5)身体の損傷からくるものです。詳細は以下の表にお示しいたします。

毛細血管拡張症の成因(原因)

1)先天性
血管性母斑
火焔状母斑
  星彩状血管腫
先天性神経脈管病
  運動失調性毛細血管拡張症
  Sturge-Weber syndrome
  Maffucci’s syndrome
  Kippel-Trenaunay-Weber Syndrome
  先天性多形皮膚萎縮型(Rothmud and Thomson syndrome)
  Bloom’s syndrome
  Cockayne’s syndrome   遺伝性出血性毛細血管拡張症(Rendu-Osler-Weber disease)
本態性進行性毛細血管拡張症
本態性全身性毛細血管拡張症
家族性(常染色体優性)
後天性(ホルモンあるいは感染による刺激)  
  両側性母斑様毛細血管拡張性症候群  
  瀰漫性新生児血管腫症
 2)二次的皮膚付属器の後天性疾患
膠原病
  紅斑性狼瘡(特に爪周囲)
  皮膚筋炎
  汎発性鞏皮症
  (特に爪周囲、皮溝の石灰化、嚥下運動不良、肢端硬化症、毛細血管拡張症)
その他
  恒久性毛細血管拡張性斑点状発疹(肥胖細胞症)
  癌性毛細血管拡張症(転移性嬢瘍)
 3)先行する皮膚疾患の部分症状
酒さ
静脈瘤
基底細胞癌
糖尿病性類脂肪性壊死
血管性多型皮膚萎縮症
毛細血管炎(血管拡張性紫斑)
色素性乾皮症
弾力繊維性仮性黄色腫
4)ホルモン 
妊娠
副腎皮質ホルモン由来
  Cushing’s syndrome
  医原性(全身性、局所性)
卵胞ホルモン(一般的には多量投与
 5)身体的損傷
紫外線皮膚炎
放射線皮膚炎
凍傷および熱傷
手術後
  特に緊張を伴う縫合部や外鼻形成部
外傷や感染

Mitchel P Goldman and Richard G Benettの分類を和訳

毛細血管拡張症・あから顔の治療

1)単純(線状)タイプ;simple(linear) type、2)樹の枝状タイプ;arborizing type、3)クモ状タイプ;spider type、4)丘疹タイプ;papular type、5)紅斑タイプ;erythematous typeのすべてが治療可能です。
とくに5)の紅斑タイプは若年の方にも多く、皮膚科では「原因のない赤ら顔」として放置され、治療をあきらめている方も多いのですが治療は可能です。

ほかに「ニキビのあとの赤ら顔」、中年以降にみられる「加齢による赤ら顔」も治療できます。
治療は色素レーザーであるVビームⅡがもっとも多く使われますが、ロングパルスYAGレーザー(ジェネシス)、IPL(ライムライト)を使用することもあり、ほかの症状も考慮して選択します。

1)色素レーザー:VビームⅡ

波長595ナノメートルの色素レーザーが治療の第一選択となります。当院ではシネロン・キャンデラ社のVビームⅡで治療を行います。毛細血管拡張症のタイプにもよりますが、1カ月以上あけて1~6回の照射を行います。血管の太さ(直径)、形状が均一なものほど照射回数は少なく、1~2回で消えることもあります。混合タイプのようにいろいろな形状の血管が混ざっていると治療回数は多くなります。毛細血管拡張症治療では麻酔は使用しません。VビームⅡはレーザー照射時に内蔵されたダイナミッククーリングディバイス(DCD)という冷却装置が冷却ガスを吹き付けて、熱ダメージから皮膚を保護して疼痛を軽減します。軽くゴムではじかれたような痛みがあります。

治療例

40歳代 男性。30歳ころから両側頬部に赤ら顔が出てきて、次第に範囲が広がってきたので受診されました。樹の枝状タイプ、紅斑タイプがいりまじった混合タイプです。2カ月おきに4回の照射をおこない消失しました。

治療前

レーザー照射直後は炎症による赤みがでます。2日程度で炎症は消えました。

4回照射後です。毛細血管拡張はほぼすべて消失しました。

治療例

40歳代 女性。いつのころからか背部に線状の赤みがあって、気になっていました。単純(線状)タイプと樹の枝状タイプの混合タイプです。1回の照射でかなりの毛細血管拡張が消失しています。

治療前

治療後(照射1回のみ)

2)ロングパルスYAG(ヤグ)レーザー:ジェネシス

顔面の赤ら顔(毛細血管拡張の紅斑タイプ)治療に使います。
ジェネシスは1064nmという波長のロングパルスYAGレーザーを皮膚から離して中空照射し ます。
レーザーは皮膚深く浸透して真皮上層部を加熱し、コラーゲンの増生を促し、肌のキメ、ハリを改善させます。さらに、真皮上層部の微小脈管構造を加熱し、赤ら顔を改善します。麻酔なしでも痛みが少なく、ダウンタイムがありません。30分程度の時間を必要とします。
効果はVビームⅡに劣りますが、毛細血管治療でのVビームⅡが病変部のみ治療となりダウンタイムがあるのに対し、ジェネシスは顔全体に照射するので赤ら顔治療にプラスして肌質の改善作用があり、ダウンタイムがないのが特徴です。 キュテラ社 クールグライド/ジェネシス/ライムライト複合機

3)IPL:ライムライト

IPLとはIntense pulsed lightの略で、コンピューターで制御された強力な可視光線を照射して治療を行う光治療器です。
赤ら顔、シミ・ソバカス、肌のくすみを治療し、肌質をよくします。軽い赤ら顔があって、治療のついでにシミ、ソバカス、肌のくすみ、化粧のノリをよくするといった使い方をします。赤ら顔治療の効果としては、VビームⅡ≫ジェネシス>ライムライトとなります。
VビームⅡにより治療では赤く炎症を起こす“ダウンタイム”がありますが、IPLほとんどありません。 キュテラ社 ライムライトハンドピース 

機種別治療効果比較

   Vビーム(治療モード) ジェネシス ライムライト
毛細血管拡張  ★★★★★  ★★  ★ 
赤ら顔 ★★★★★  ★★★ ★★ 
肌質改善 ★  ★★★ ★★ 
毛穴の開き ★  ★★★ ★★ 
シミ・ソバカス  効果なし 効果なし ★★★
くすみ 効果なし ★★★
フェースアップ  効果なし ★★★

★ 

注)VビームⅡではパスル幅を変えたフェースアップモード(パルス幅:20ミリセカンド)があり、このモードでは肌質の改善が起こりますが、毛細血管の治療効果が弱くなります。 

費用

VビームⅡ

費用VビームⅡによるレーザー治療は単純性血管腫・苺状血管腫・毛細血管拡張症に限り保険適応となります。保険診療ではおよそ4ヵ月に1回の照射となります。

単純性血管腫・苺状血管腫・毛細血管拡張症(保険診療)

大きさ(面積) 価格
10㎠未満 2,170点
(保険診療自己負担分 ¥6,510)
照射面積が10平方センチメートルを超えた場合は、10平方センチメートル又は その端数を増すごとに所定点数に500点(自己負担分¥1,500)を加算します。ただし、8,500点(自己負担分¥25,500)の加算が限度となります。
50㎠(例) 4,170点(2,170点+2,000点)
(保険診療自己負担分 ¥12,510)
100㎠(例) 6,670点(2,170点+4,500点)
(保険診療自己負担分 ¥20,010)
180㎠以上(例) 10,670点(2,170点+8,500点)
(保険診療自己負担分 ¥32,010)

※VビームⅡの価格は参考価格です。血管の性状、密度、赤ら顔の程度で価格は前後します。

単純性血管腫・苺状血管腫・毛細血管拡張症以外の疾患でのVビームⅡの費用(自費診療)

大きさ 価格(税込)
顔面(額を除く) ¥32,400
手のひら1枚程度 ¥32,400
両側頬部 ¥21,600
鼻または鼻周囲 ¥10,800
手のひら1枚以上 お見積りします

※VビームⅡの価格は参考価格です。血管の性状、密度、赤ら顔の程度で価格は前後します。

ロングパルスYAG(ヤグ)レーザー:ジェネシス
部位 価格(税込)
全顔(1回)(初回お試し) 10,800円
全顔(1回) 21,600円
5回セット(15%OFF!!) 91,800円
ライムライト
部位 価格(税込)
1回(全顔1周) 18,360円
5回セット(全顔1周)(25%OFF!!) 68,850円
6回目以降(全顔1周)

16,200円

全顔2周時追加料金 5,400円