アトピー性皮膚炎の治療はこれまで、ステロイド外用剤とタクロリムス軟膏(商品名プロトピック軟膏)しかありませでしたが、2018年に生物学的製剤ではじめてデュピルマブが治療薬として厚生労働省に承認されました。デュピルマブは皮下注射をおこないアトピー性皮膚炎の皮膚炎を根本から抑えることができる治療薬です。

生物学的製剤は現在様々な薬剤が開発中です。生物学的製剤はこれまで、リウマチなどの自己免疫疾患や乾癬などの難治の皮膚疾患、クローン病などの消化器疾患で効果があるとわかり、現在国内では保険適応薬として使われています。皮膚科領域では、乾癬、アトピー性皮膚炎、そして強皮症などでも臨床治験がおこなわれています。

これまでのステロイド外用剤での治療は確実な効果があります。しかし、中程度から重症の方では、これ以上はよくならないという効果の限界がありました。また、長期の使用により皮膚が薄くなるなどの副作用がありました。生物学的製剤は重症の方にもよい効果が証明されており、これから、さまざまな生物学的製剤が皮膚病でも用いられる時代がやってきています。

外用剤
クリサボロール PDE4阻害剤 米国では承認(EUCRASA)
RVT-501 PDE4阻害剤 日本国内治験中
JTE-052 JAK阻害剤 日本国内治験終了
注射剤
タクロキヌマブ IL-13抗体 日本国内治験中
ネモリズマブ IL-31抗体 日本国内治験中
デュピルマブ IL-4,IL-13抗体 日本国内使用可能(デュピクセント
経口剤
ウパダシチニブ JAK1阻害剤 日本国内治験中
バリシチニブ JAK1/2阻害剤 日本国内治験中

山手皮フ科クリニックでは、アトピー性皮膚炎での生物学的製剤の臨床治験をおこなっています。

ご興味のあるかたは、https://www.yamate-clinic.com/clinical_trial.htmlをご覧ください。