
シミは多くの人の悩みです。私はシミ治療を得意分野の1つとしています。長崎大学卒業後、九州大学医学部皮膚科に入り、皮膚の色のもととなるメラニン細胞(色素細胞、メラノサイト)の研究を長年おこなってきました。その後、カナダアルバータ州立大学病院皮膚科、アメリカ合衆国国立衛生研究所(NIH)でも引き続きメラニン研究をおこないました。私がシミの専門家であるので、当院でもっとも相談が多いのはシミ治療です。一概に”シミ”と言っても、たくさんの種類があるのをご存じですか?シミを消すには”どんなシミ”かを判別することが大切です。ところが、これがむつかしいのです。皮膚科専門医でも正確に診る人は極めて少ないのが現状です。ですから、「皮膚科、美容皮膚科に通っているけど、シミが消えない」となります。ここでは、どんな種類の”シミ”があるか、どんな治療があるかを簡単に解説します。それぞれを詳しく知りたい方はそれぞれの詳細な開設が当院ホームページにありますからご覧ください。
目次
1.シミとは
「シミ」ってなんですか?単純な質問ですが、皮膚科専門医でもすぐに答えはでてこないものです。そもそも「シミ」の明確な定義がないからです。私は、シミは「顔の色が不均一な状態」、別の表現だど「顔の皮膚の局所的な色素の増強」と考えています。顔では皮膚の色が不均一な状態が、見た目を悪くしたり、歳をとったように見せるのです。シミにはいろいろな種類があります。
シミの種類
| シミの種類 | 年齢 | 原因 |
| 老人性色素斑 | はやくは20歳から、歳と取るごとに増加 | 日光(紫外線)による遺伝子変化 |
| 脂漏性角化症 | はやくは30歳前半から、歳と取るごとに増加 | 日光(紫外線)による遺伝子変化+加齢 |
| そばかす | 小学生くらいから | 遺伝が大きい+紫外線 |
| 唇のシミ | はやくは20歳から、歳と取るごとに増加 | 性質は老人性色素斑. 日光(紫外線)による口唇のダメージ |
| 肝斑 | 30歳代からと教科書にあるが、実際は20歳前半からみらえる | 摩擦と紫外線、一部ホルモンも関係 |
| 太田母斑 | 幼少時から | 真皮にある異常メラノサイトのメラニン産生※ |
| 後天性真皮メラノーシス(ADM | 思春期から | 真皮にある異常メラノサイトメラニン産生※ |
※真皮には通常はメラノサイト(色素細胞)は存在しないか、存在しても色を産生していない。
では、これからそれぞれの特徴と治療方法の違いを簡単に書きます。詳細を知りたい方はそれぞれのページをご覧ください。
クリニックを受診してシミの治療で気を付けたいこと
私のクリニックには、たくさんの方がシミ治療でいらっしゃいます。これまでシミの治療をされたことがなく、最初に当院を受診される方はだいたい20%程度です。残り80%の方はこれまで他のクリニックでシミの治療を受けられています。
80%の方は実にさまざまな種類の治療を、複数のクリニックで、そして何回も、ときには20回以上受けられています。でも、シミは消えなかったわけです。
ここで、どのようなクリニックで治療を受けたらよいかを専門医の意見としてみなさんにお伝えします。
- 診察でじろじろと顔を観察する。
医師が拡大鏡をつかって、シミの範囲、厚さ、境界をちゃんとみないとシミの種類はわかりません。パッとみてシミは診断できません。 - どんなシミがあるかを伝えてくれる。
顔に1種類のシミしかないことは稀です。多くは、そばかす、肝斑、老人性色素斑、脂漏性角化症、それにホクロが混じっています。これを1つ1つ区別できているか - シミの原因を説明してくれる。
原因が説明できるということは、それぞれにシミが区別できていることになります。 - 具体的な治療の説明をする。
「とりあえず、フォトフェイシャルをやってみましょう!」、「まずはトーニングですね」….. 診断ができてないわけです。
それでは、ぞれぞれのシミの解説をご覧ください。
2.老人性色素斑
同義語:日光黒子
歳を取ると顔の出てくるシミの代表です。ほとんどの中年以降の男女に出現します。「老人性」と名前がついていますが、早ければ20歳代で、多くは40歳以降に出現します。顔面・手背・前腕など日光(紫外線)にあたる部位に見られます。一部は脂漏性角化症へ移行します(後述)。

老人性色素斑治療の注意点
老人性色素斑は美白剤では薄くなるだけで消えません。
フォトフェイシャルなどの光治療は効きません。
炭酸ガスレーザーの治療は有効ですが、瘢痕を残さないためには熟練が必要です。
ピコ秒レーザーやQスイッチレーザーがよく効きます。
山手皮膚科クリニックの老人性色素斑治療
老人性色素斑の治療ではピコ秒アレキサンドライトレーザー(ピコシュアプロ)やQスイッチルビーレーザーを使用します。
ダーモスコピー(拡大鏡)で確認して、表面が不規則に肥厚したものは、脂漏性角化症または脂漏性角化症に移行する可能性を考慮し、ピコ秒アレキサンドライトレーザー(ピコシュアプロ)、Qスイッチルビーレーザーに加えてスキャナ付き炭酸ガスレーザーを併用します。
※老人性色素斑の詳細はこちらをご覧ください。
3.脂漏性角化症
同義語:老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)、老人性イボ
早ければ30歳代から、主には40歳以降に出現し、加齢とともに増える皮膚の良性腫瘍です。80歳以上ではほぼすべての方に存在し、皮膚の老化現象のひとつとされています。別名、老人性疣贅、老人性イボといいますが、通常のイボ(尋常性疣贅)のようにウイルスが原因ではありません。
脂漏性角化症は、顔面、頭部、前胸部、上背部などの日光露出部によくみられますが、脇の下、脇腹、腹部、鼡径部(股)、陰部、大腿(太もも)など日に当たらない部分にも発生します。
色は褐色調から黒色です。大きさは直径数mmから2~3cmくらいで、やや盛り上がっています。平坦に見えても拡大鏡で見るとわずかにもり上がっているのが特徴です。


脂漏性角化症治療の注意点
美白剤は効きません。
フォトフェイシャルなどの光治療は効きません。
炭酸ガスレーザーの治療が必要です。
ピコ秒レーザーやQスイッチレーザーのみでは消えないことがあります。
山手皮膚科クリニックの脂漏性角化症治療
レーザー治療
脂漏性角化症はピコ秒レーザー、Qスイッチレーザーのみの治療では完全に取れないことが多いです。当院ではスキャナ付き炭酸ガスレーザーを使用します。
褐色調や黒色をした脂漏性角化症に対しては、老人性色素斑から移行したものであることを考慮し、ピコ秒アレキサンドライトレーザー(ピコシュアプロ)、Qスイッチルビーレーザーに加えてスキャナ付き炭酸ガスレーザーを使います。
※脂漏性角化症の詳細はこちらをご覧ください。
4.そばかす
同義語:雀卵斑(じゃくらんはん)
典型的なそばかすは3歳頃から顔面、頸部、前腕などの紫外線が当たる部位に、直径3mm程度の類円形、表面平坦な褐色斑が多発します。紫外線の多い夏季に色が濃くなり、冬季に薄くなるのが特徴です。年齢が増すとともに、数が増え、色調が濃くなります。

そばかす治療の注意点
美白剤で薄くなります。塗らなくなると色調が戻ります。
フォトフェイシャルなどの光治療で薄くなります。濃いそばかすは消えますが薄いそばかすは残ります。
ピコ秒レーザーやQスイッチレーザーが最適な治療です。
山手皮膚科クリニックの「そばかす」治療
レーザー治療
そばかすの治療ではピコ秒アレキサンドライトレーザー(ピコシュアプロ)やQスイッチルビーレーザーを使用します。そばかすはレーザーでなければ除去ができません。
クスミ、日焼けによる色素沈着、肝斑が存在する場合、プレトリートメントとしてフォトフェイシャルM22とトラネキサム酸の内服等の前処置が必要です。
※そばかすの詳細はこちらをご覧ください。
5.唇のシミ
口唇の色素沈着です。大多数が下口唇に生じます。正式な日本語名はなく、口唇のシミのことです。症状は下口唇に多いことから、刺激因子として紫外線が考えられています。また、歯で口唇を噛む習癖が原因とも考えられますが、はっきりとした発生機序は不明です。単発のことが多いですが、多発することも少なくありません。20歳代、30歳代に多く、男女比は1:4で女性に多く見られます。自然に消えることはほとんどありません。口唇のホクロとは異なります。

唇のシミ治療の注意点
炭酸ガスレーザーでの治療はおこなってはいけません。瘢痕になります。
ピコ秒レーザーやQスイッチレーザーが最適な治療です。
山手皮膚科クリニックの唇のシミ治療
レーザー治療
ピコ秒アレキサンドライトレーザー(ピコシュアプロ)やQスイッチルビーレーザーを使用します。
※口唇のシミの詳細はこちらをご覧ください。
6.肝斑
30~50歳代の女性の顔面にできる左右対称性な褐色斑です。頬(ほほ)、額(ひたい)、上口唇の上(鼻の下)が好発部位です。左右対称に境界が比較的明瞭な均一な褐色調の色素斑を生じ、目の周囲が抜けるのが特徴です。紫外線により夏季に増悪、冬季に軽減します。妊娠を契機に発症することがあります。

肝斑治療の注意点
美白剤は効果があります。色調が薄くなります。
トラネキサム内服は有効です。
フォトフェイシャルなどの光治療では、設定の仕方で悪化したり、薄くなったりします。
ピコ秒レーザーやQスイッチレーザーを照射してはいけません。
レーザートーニング、ピコトーニングでは効果がでる場合と、悪化・白抜けする場合があります。
山手皮膚科クリニックの肝斑治療
フォトフェイシャルm22+スキンケア指導
肌にヒリヒリ感や炎症が生じないオリジナルの設定で、フォトフェイシャルM22をおこないます。当院のフォトフェイシャルM22は照射により肝斑が悪化することはありません。レーザーと異なり、面での治療が可能となるため、お顔全体がトーンアップします。
肝斑治療では、摩擦の除去が非常に重要となるため、フォトフェイシャルM22初回時に、看護師がスキンケア指導をおこない、日頃のお手入れの注意点をお伝えします。
内服薬
トラネキサム酸の内服※トラネキサム酸内服単独の治療はおこなっておりません。
摩擦の防止
化粧品、サンスクリーンを肌に外用するときに無意識に力が入っていると、皮膚は摩擦されます。頬(ほほ)、額(ひたい)、上口唇の上(鼻の下)は直下に骨があり、かつ皮下脂肪が少ない場所なので摩擦により皮下に慢性的な炎症がおこり、引き続き色素沈着がおきます。これが肝斑の原因となります。
紫外線対策
紫外線は肝斑の増悪要因です。サンスクリーン剤の使用はきわめて重要です。
外用薬
ハイドロキノンを症状に応じて部分的に使用する場合があります。※ハイドロキノン単独の治療はおこなっておりません。
※肝斑の詳細はこちらをご覧ください。
7.太田母斑
太田母斑は、主に顔面三叉神経領域第1枝および第2枝の支配領域(額~上下眼瞼・こめかみ・鼻~頬部)に出現する褐青色の色素沈着です。出生時または1歳未満から認められるケースが約半数で、多くは思春期までに発症します。30歳以降に出現することは稀です。

太田母斑治療の注意点
フォトフェイシャルなどの光治療は効果がありません。
ピコ秒レーザーやQスイッチレーザーで効果があります。
レーザートーニング、ピコトーニングでは効果がでますが、ところどころ白抜けしてまだら状になります。
山手皮膚科クリニックの太田母斑治療
レーザー治療
Qスイッチルビーレーザーを使用します。
クスミ、日焼けによる色素沈着、肝斑が存在する場合、プレトリートメントとしてフォトフェイシャルM22とトラネキサム酸の内服等の前処置が必要です。
※太田母斑の詳細はこちらをご覧ください。
8.後天性真皮メラノーシス(ADM)
同義語:後天性両側性太田母斑様色素斑
かつては遅発性で両側に出現する太田母斑の一部の考えられていました。そのため「後天性両側性太田母斑様色素斑」という名がつきました。しかし、前述した典型的な太田母斑とは出現する年齢・分布が違います。現在は後天性真皮メラノーシス(Acuired dermal melanosis; ADM)(以下ADMと略します)と呼ばれています。発症年齢は8歳から72歳までと様々です。多くは20歳代後半から30歳代半ばが多いとされています。

ADM治療の注意点
フォトフェイシャルなどの光治療は効果がありません。
ピコ秒レーザーやQスイッチレーザーで効果があります。
レーザートーニング、ピコトーニングでは効果がでますが、ところどころ白抜けしてまだら状になります。
山手皮膚科クリニックの「老人性色素斑」治療
レーザー治療
ピコ秒アレキサンドライトレーザー(ピコシュアプロ)を使用します。
クスミ、日焼けによる色素沈着、肝斑が広範囲に存在する場合、プレトリートメントとしてフォトフェイシャルM22とトラネキサム酸の内服等の前処置が必要です。
※ADMの詳細はこちらをご覧ください。
9.治療のながれ
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STEP1
予約
当院は完全予約制です。ご予約は「予約サイト」から承っております。
老人性色素斑、そばかす、脂漏性角化症、唇のシミの予約
から「シミ・そばかす・脂漏性角化症」のご相談を選択してください。

「唇のホクロ・シミ・くすみ」のご相談を選択してください。
を選択ください。肝斑の予約 ※肝斑以外にシミがある方は上の「老人性色素斑……の予約」からご予約ください。
から「肝斑・肌のくすみ」のご相談を選択してください。
太田母斑、ADMの予約
から「肝斑・肌のくすみ」のご相談を選択してください。
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STEP2
初診・再相談
治療についての詳細が入ります。自由に記事をカスタマイズ可能です。
写真撮影

ビジアでの撮影風景 全顔のシミでは画像解析機で写真撮影をおこないます。
唇のシミではデジタルカメラで撮影します。
診察・カウンセリング

院長による診察風景 気になる症状をお伺いし、治療の提案をおこないます。当日の治療はおこないません。
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STEP3
治療の予約
カウンセリング時にご提案させていただいた治療のご予約は、予約サイトからお取りいただけます。
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STEP4
治療
シミぞれぞれに適して機器にて治療をおこないます。

シミ治療に使用するレーザー、IPL機器
10.費用
「料金のご案内」をご覧ください。料金のページにとびます。それぞれの項目をクリックしてください。
11.執筆・監修・更新情報

この記事の執筆者
豊福 一朋医師
公益社団法人日本皮膚科学会認定
皮膚科専門医/医学博士/経営管理学修士(MBA)
メッセージ
『顔のシミの種類、特徴、治療での注意点』のページをご覧いただきありがとうございます。私は1991年に九州大学皮膚科に入って以来、国内外でシミの原因となるメラニンの研究をおこなってきました。2005年の開業以来、レーザーでのシミ・そばかす、脂漏性角化症、太田母斑、ADMの治療をおこなっています。シミの治療は私のもっとも得意とする分野です。
美容皮膚科治療の中でシミの治療は難しいと言われています。それはシミの種類が多く、簡単には見分けがつかないからです。また一人の顔にさまざまな種類のシミが同時に存在していることも、治療を難しくしています。シミならピコレーザー、肝斑であればトーニングと簡単にはいかないものです。では、どんな医者がよいのでしょうか?私は皮膚科専門医あるいは形成外科専門医が、顔を十分に観察してどこにどんなシミがあるかを的確に説明できるなら信頼して治療をまかせられると思います。
近隣にそのような医師がいない場合、当院で一度カウンセリングを受けてみませんか。カウンセリングで治療を押し付けること一切ありません。安心して受診ください。
経歴
- 1991年
長崎大学医学部卒業
- 1991年
長崎大学病院泌尿器科、九州大学病院皮膚科にて卒後研修
- 1994年
九州大学大学院医学研究科入学。
同年、カナダ医学奨学金(Royal Canadian Medical Foundation)にて
カナダ・アルバータ州立大学皮膚科(エドモントン)に留学 - 1997年
九州中央病院皮膚科医長
- 1998年
九州大学大学院医学研究科修了(医学博士)
- 1999年
米国国立衛生研究所(NIH)(メリーランド州ベセスダ)研究員
- 2001年
佐賀県立病院皮膚科医長
- 2002年〜2004年
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)
- 2005年
山手皮膚科クリニックを開設




