
目次
1.稗粒腫とは──症状と原因

稗粒腫は、表皮直下に角質(ケラチン)が袋状にたまることでできる小さな嚢腫です。直径1〜2mm程度の白〜黄白色の硬い丘疹として現れ、眼瞼(まぶた)周囲に多く見られます。
乳児の稗粒腫は自然に消えることがありますが、成人の稗粒腫は自然に消えることが少ないとされています。やけどや深い擦り傷、放射線皮膚炎、水疱症の経過などに続発することもあります。
2.似た症状との見分け方(脂腺増殖症/多発したイボ)
稗粒腫(milia)は表皮直下の角質が袋状にたまった小嚢腫で、成人では自然消退しにくいのが一般的です。
一方、脂腺増殖症は皮脂腺の良性増殖による黄白色の丘疹で、Tゾーンや頬に多く、自然には消えにくい病変です。
多発したイボ(ウイルス性疣贅)はヒトパピローマウイルス(HPV)による感染症で、首〜体幹に多発するタイプを当院では治療対象にしています(手足・鼠径部など一部は対象外)。

| 見分けポイント | 稗粒腫 | 脂腺増殖症 | 多発したイボ(ウイルス性) |
| 主な見た目 | 1–2mmの白〜黄白色・硬い小丘疹 | 1–5mmの黄白色ドーム状、毛穴由来でTゾーン・頬に多い | 粒状〜ざらつき、多数散在しやすい |
| よくある部位 | 眼瞼周囲、頬 | 額・鼻・頬(Tゾーン) | 首・体幹(顔もあり) |
| 成り立ち | 角質の嚢腫 | 消えない | HPV(ヒトパピローマウイルス)感染 |
| 自然経過 | 乳児は自然軽快あり、成人は消えにくい | 消えない | ウイルス性で増える傾向がある |
| 当院での主な対応 | 炭酸ガスレーザー | スキャナ付炭酸ガスレーザーで1回完結を目指す | スキャナ付炭酸ガスレーザーで一気に多数を除去 |
| 詳しく読む(クリックするとリンク先にいきます) | 脂腺増殖症ページ | 多発したイボページ |
当院での対応
- 稗粒腫:顔・顎裏のみ対応。1回のご来院で5個まです。治療時は注射麻酔をおこないます。経過診察は原則不要です。
- 脂腺増殖症:顔・顎裏のみ対応。スキャナ付炭酸ガスレーザーを使用して治療します。直径に応じた手技設計で再発・瘢痕に配慮(詳細は脂腺増殖症ページへ)。
- 多発したイボ:顔・首・体幹のウイルス性イボが対象(手足・鼠径部などは対象外)。スキャナ付炭酸ガスレーザーで多数を計画的に治療。(詳細は多発したイボページへ)。
3.稗粒腫の治療法(一般論)
針やメスで小切開し、白色の角質塊を排出するのが標準的な方法です。
レーザーを併用する施設もあります。
4.当院で行う稗粒腫レーザー治療(対象・個数・費用)
当院では炭酸ガスレーザーを用いて顔・顎裏の稗粒腫の治療を行います。治療に際しては局所麻酔薬の注射をおこないます。
対象
顔面・顎裏とします。
個数
1回のご来院で最大5個まで治療可能です。
稗粒腫レーザー治療費用

| 大きさ | 直径2㎜未満 | 直径2㎜以上 |
| 費用 | 1個5,500円 | 要見積り |
※複数個をご希望の場合、各稗粒腫の距離が5mm以上離れていることが必要です。治療する2個が隣り合っていると傷が融合して大きくなり、傷跡を残すことがあります。
5.来院から治療・経過の流れ
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STEP1
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STEP2
初診・再相談
問診(Web問診の確認をします。)
↓
視診・ダーモスコピーにて症状を観察します。
↓
写真撮影をおこないます。
↓
診断を確定し、治療の説明をします。
※当日施術は行いません。
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STEP3
治療の予約
施術の予約:Web予約(メニュー:自費レーザー治療<小範囲>医師施術の予約→稗粒腫を選択してください。)
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STEP4
治療
メイクオフ(部位のみ)→写真→注射麻酔→炭酸ガスレーザー照射→クーリング→処置・ご自宅ケアの説明となります。

稗粒種治療の手順 原則、経過診察は不要です。気になる症状(盛り上がり・膿など)があればご連絡ください。
6.ダウンタイムとセルフケア(化粧・入浴・運動など)
- 当日:洗顔・シャワーは可能です。飲酒・入浴・激しい運動は控えてください。
- 翌日から:入浴・運動が可能です。
- 創部の保護:ビジダームという総省保護剤で1週間保護します。保護材貼付中は治療部位への化粧はできません。
- 内服:消炎鎮痛薬を2日間内服していただきます。
- 合併症・注意:赤み・痛み・痒み・水疱・炎症後色素沈着などが起こりえます/毛のある部位では一時的または永久的な脱毛となる可能性があります/まれに肥厚性瘢痕・ケロイドになることがあります。
7.受けられない方/申告が必要なこと
以下に該当する場合は事前に必ずご申告ください。該当時は治療が受けられないまたは延期となることがあります。
- 受けられない:妊娠中/ケロイド体質・肥厚性瘢痕の既往/イソトレチノイン内服中~終了後30日以内 ほか。
- 申告が必要:過去の注射麻酔で体調不良/高血圧・不整脈・糖尿病・B/C肝炎/消毒・薬剤アレルギー/抗凝固薬内服/免疫抑制治療中/授乳中 など。
8.よくある質問(FAQ)
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稗粒腫は自然に消えますか?
乳児では自然に消えることもありますが、成人は自然消退しにくいとされています。
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自分でつぶしても良いですか?
自分でつぶすと、治療部に感染がおこり、傷が残ることがあります。治療はクリニックで感染対策に留意した処置が安全です。
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どの部位が治療対象ですか?
当院では顔・顎裏の稗粒腫に対応しています。
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何個までできますか?
1回のご来院で5個まで。複数個の同日治療は各病変の距離が5mm以上離れていることが条件です。2つの治療部位が隣り合っていると傷が融合して、痕になることがあります。
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経過診察は必要ですか?
原則不要です。不安な症状があれば受診ください。経過観察も自費診療となります。
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痛みはありますか?
炭酸ガスレーザー使用時前に麻酔薬を注射します。穿刺時・注入時に痛みがあります。レーザー照射による痛みは麻酔でコントロールされます。
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料金はいくらですか?
2mm未満は1個5,500円、2mm以上は見積りです(税込・将来変更の可能性あり)。
9.執筆・監修・更新情報

この記事の執筆者
豊福 一朋医師
公益社団法人日本皮膚科学会認定
皮膚科専門医/医学博士/経営管理学修士(MBA)
<更新日>
メッセージ
準備中
経歴
- 1991年
長崎大学医学部卒業
- 1991年
長崎大学病院泌尿器科、九州大学病院皮膚科にて卒後研修
- 1994年
九州大学大学院医学研究科入学。
同年、カナダ医学奨学金(Royal Canadian Medical Foundation)にて
カナダ・アルバータ州立大学皮膚科(エドモントン)に留学 - 1997年
九州中央病院皮膚科医長
- 1998年
九州大学大学院医学研究科修了(医学博士)
- 1999年
米国国立衛生研究所(NIH)(メリーランド州ベセスダ)研究員
- 2001年
佐賀県立病院皮膚科医長
- 2002年〜2004年
慶應義塾大学大学院経営管理研究科(MBA)
- 2005年
山手皮膚科クリニックを開設
炭酸ガスレーザーによる稗粒種治療の概要
| 診療区分 | 自由診療 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 照射出力等 | 1.5~2.0J/c㎡ | ||||
| 治療期間及び回数 | 1回で終了、経過診察は治療1週間、3か月後(不要の場合あり)。1顔の治療は5個まで | ||||
| 施術によるリスク・副作用 | 治療直後にはレーザー照射部位に発赤と痛みがでます。 | ||||
| 施術に要する費用 |
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未承認医薬品等であることの明示:レザック炭酸ガスレーザーは国内未承認機器です。入手経路等の明示:レザック社より、医師が個人輸入しております。
※承認を受けていない医薬品・医療機器については下記のページをご確認ください https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/ 国内の承認医薬品等の有無の明示同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。諸外国における安全性等に係る情報の明示
注)治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。

