ポテンツァ・ダイヤモンドチップ｜高周波を用いた顔のたるみ治療について皮膚科専門医が解説します。

公開日2024.6.01

ポテンツァダイヤモンドチップ

ポテンツァダイヤモンドチップは高周波（ラジオ波　RF）を皮膚表面から照射して、顔のたるみとタイトニング（引き締め）に高い効果を発揮します。

１回の照射でモノポーラー方式とバイポーラー方式という２つの照射がおこなえるのが特徴です。

モノポーラー方式では皮膚の真皮層の深い部分と脂肪組織に、バイポーラー方式では皮膚の表皮層〜真皮層の浅い部分にエネルギーを与えて加熱します。

治療直後から真皮コラーゲンと脂肪組織の隔壁の収縮がおこり、皮膚のタイトニング効果をすぐに実感できます。

また、真皮のコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの基質を治療後数か月にわたって増加させることで、皮膚の弾力性とハリを改善します。

この治療のメカニズムはサーマクールとほぼ同じです。効果はやや弱くなりますが、サーマクールの弱点であった治療中の痛みが非常に軽い、あるいはないことが特徴です。ダウンタイムがほとんどないのも特徴です。

料金の設定は一般に高い価格設定のサーマクールに比べてリーズナブルになっています。

ポテンツァダイヤモンドチップの効果

ポテンツァダイヤモンドチップは下の２つの効果があります。ほとんどの方で施術直後から効果を感じることができます。

• タイトニング
• 小顔効果

ポテンツァダイヤモンドチップを使用するときはポテンツァ本体の先端のチップを交換します。

ポテンツァダイヤモンドチップ

ポテンツァダイヤモンドチップの施術が受けられない方

• 妊娠中
• 重度の皮膚炎
• 体内に金属を埋め込んでいる
• ペースメーカーを使用している

独自の照射方式

1ショットでモノポーラとバイポーラが照射される独自の照射方式が採用されています。

真皮深層までエネルギーを深く伝達するモノポーラと、表皮～真皮浅層に電極間で均一に密度の高いエネルギーを伝達するバイポーラを、効果的に皮下に伝達することができます。

コラーゲンの収縮により即時的な肌の引き締め効果が得られ、熱影響を受けた線維芽細胞は、中長期的にコラーゲンとエラスチンの増生を促します。

フラクショナル状に配列された電極よりRFが照射されることで、肌への負担が少なく、痛みを抑え、効果を最大限に得ることができます。ダウンタイムがほとんどないのも特徴です。

DIAMONDチップには、“ダイヤモンドのように輝く肌を手に入れる“という意味が込められています。

高周波治療の原理

高周波とはなにか

高周波は波長3KHz（キロヘルツ）～300GHz（ギガヘルツ）の周波数をもつ電磁波です。

このなかにはラジオに使用される周波数も入っているためラジオ波（Radio Frequency：RF）と呼ばれます。

医療では電気メスとして使われ始めた歴史があります。現在では美容医療でたるみ治療に使われます。

高周波はタイトニングに適した性質があります。高周波は電流と似た性質で電気抵抗の少ないところを流れます。

皮膚の構成成分で電気抵抗の高いところは細胞膜です。それに対して真皮のコラーゲン線維、脂肪隔壁（脂肪細胞を小さく集めた分画の線維組織）は抵抗が少ないところです。

高周波を皮膚に流すと、高周波は抵抗の高い細胞膜に流れないので細胞を痛めることがありません。一方、高周波は電気抵抗の小さい真皮のコラーゲンや脂肪組織の隔壁を流れ、発熱します。

高周波治療での効果

顔のたるみの治療の高周波を用いた場合おもな効果は

• 治療直後から実感するタイトニング効果
• その後数か月かけておこるリモデリング効果

の２つです。

治療後すぐに感じるタイトニング効果

高周波治療では、治療後にすぐに顔が引き締まるタイトニング効果が感じられるのは特徴です。これは超音波を使ったHIFU（ハイフ）にはない特徴となります。

真皮でのタイトニング効果

高周波が真皮を流れるとき、高周波は抵抗の高い細胞（線維芽細胞、血管内皮細胞、神経細胞）には流れず、抵抗の低いコラーゲン（膠原繊維）、エラスチン、ヒアルロン酸などの基質を流れます。

高周波がコラーゲンを流れるときに発熱するので、コラーゲンの構成成分であるタンパク質は熱凝縮します。これにより真皮が引き締まります。これが真皮における即時のタイトニング効果です。

真皮の構造.　真皮には約70％を占める線維状のコラーゲン（膠原線維）が３次元で網の目のように交差している。コラーゲンはエラスチン（弾性線維）やヒアルロン酸などの基質とともに皮膚の弾力性とハリを保っている。高周波はコラーゲンの中を流れ発熱する。加熱されたコラーゲンは瞬時に収縮する。これが、治療直後からおこるタイトニング効果となる。

脂肪組織でのタイトニング効果

高周波は次に脂肪組織を通過します。脂肪組織は抵抗の高い脂肪細胞と抵抗の低い細胞隔壁があります。

高周波は脂肪細胞を避けて、抵抗の低い脂肪隔壁を流れます。真皮のコラーゲンと同じように脂肪隔壁は熱凝固で収縮します。

脂肪細胞は不変ですが、脂肪隔壁が熱凝固で収縮して脂肪組織が引き締まります。これが脂肪組織における即時のタイトニング効果です。

脂肪組織図. 黄色い部分は脂肪細胞のかたまり　脂肪細胞のかたまりを区切っているのが脂肪隔壁　脂肪細胞の細胞膜は抵抗が高いので高周波は流れにくい。一方、脂肪隔壁は抵抗が低いので高周波はここを流れ、発熱する。加熱された脂肪隔壁は収縮する。結果、脂肪組織のタイトニング効果が即時にあわられる。

即時のタイトニング効果.　ダイアモンドチップで高周波は主に真皮のコラーゲン、つづいて脂肪組織の脂肪隔壁を流れ、瞬時に加熱する。加熱によってコラーゲンと脂肪隔壁は収縮する。治療直後から顔の引き締まった感じ（タイトニング効果）を感じる。

続いて起こる真皮のリモデリング効果

顔面の表面は外側から表皮、真皮、皮下組織（脂肪組織）、SMASと支持靭帯、筋肉、骨の組織が層状になっています。

たるみの原因がこれらの組織のどれか１つに原因があるのではありません。それぞれの組織の老化が同時に組み合わさっているものです。

顔のたるみの詳しい原因、治療方法は、顔のたるみ、フェイスリフトをご覧ください。

ダイアモンドチップが顔のたるみに効くのは、おもに真皮の若返りによるものです。

老化した真皮ではなにがおこっているか

顔のたるみの原因のひとつに真皮の光老化があります。長い間、紫外線にさらされることでおこります。

真皮には細胞成分と細胞外マトリクスが存在します。

細胞成分には、線維芽細胞、マクロファージ、肥満細胞、血管内皮細胞、神経細胞があります。

細胞外マトリクスは真皮の細胞以外の成分です。コラーゲン、エラスチン、基質があります。細胞外マトリクスは皮膚の弾力性に維持の役割をもっています。

紫外線（とくにUVA）が真皮に深くまで到達して、細胞外マトリクスを変性劣化させます。これが、皮膚の弾力性の低下となり、シワ、顔のたるみの原因の一つになります。

細胞成分のなかで線維芽細胞は細胞外マトリクスを産生します。加齢により線維芽細胞の数は減少しています。

紫外線老化による真皮の変化.　長期にわたって紫外線を浴びたことで真皮では、皮膚の弾力性を保つコラーゲン（膠原繊維）、エラスチン（弾性線維）の変性劣化がおこります。また、ヒアルロン酸などの基質も減少します。ヒアルロン酸は水分の保持にかかわっていて、減少すると肌のみずみずしさが減ります。真皮の弾力性と水分保持力の低下で皮膚のたるみ、シワができます。

リモデリングとは

紫外線による老化で変性した細胞外マトリクスは皮膚の弾力性と水分保持量を低下させます。

これらが、顔のたるみ、シワの原因となります。

残念ながら、マッサージ、化粧品などで変性して細胞外マトリクスを回復させることはできません。

以前から、脱毛、美肌の目的でなにかしら、レーザー、IPLなどの治療を長い間おこっている人の皮膚は老化が遅いことが知られていました。

最近は、その理由が解明されてきています。

皮膚にレーザー、IPL（光治療）、高周波、超音波などで定期的に熱を加えると、真皮には微細な熱傷がおこります。

我々のからだは、微細な損傷を受けるとかならず、修復をおこないます。

微細な熱傷は真皮の変性したコラーゲン、エラスチン、基質（細胞外マトリクス）でおこっています。

からだは敏感にその熱傷を感じとり、すぐに修復を開始します。熱傷で変性した真皮の成分を吸収する一方、線維芽細胞を増やして、あたらしく細胞外マトリクスを産生します。

施術から数か月かかっておこります。これにより、紫外線老化で変性劣化した細胞外マトリクスの一部が吸収され、新しい細胞外マトリクスとおきかわります。

その結果、数か月かけて皮膚の弾力性やみずみずしさが回復していきます。これを真皮の「リモデリング（再構築）」と呼びます。

真皮の「リモデリング（再構築）」　長いあいだの紫外線の影響で真皮には光老化がおこっています。コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの基質が変性劣化しています。これが皮膚の弾力性の低下の原因となり顔のたるみの一因となっています。また、水分保持が減り、肌のみずみずしさが失われています。これらの症状の改善にはレーザー、高周波などの治療機器で真皮に微細な熱傷がおこる程度の熱を加えます。微細な熱傷の修復過程で細胞外マトリクスはあたらしくなり、皮膚の弾力性、水分の保持能力が回復します。

ダイアモンドチップの遅発効果. 高周波による治療で真皮に微細熱傷がおこる。熱傷の修復過程では、まず線維芽細胞が増え、組織を修復する。つづいてコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの基質といった細胞外マトリクスの産生がおこる。

独自の照射方式

モノポーラー（単極式）

ポテンツァダイヤモンドチップでは1ショットでモノポーラとバイポーラが照射される独自の照射方式が採用されています。

モノポーラーでは、背中や腰に電極版を貼って、高周波を発射します。

高周波はポテンツァダイヤモンドチップから体を通って、背中や腰の電極版を通って体から抜けます。

モノポーラーではエネルギーが深く伝達され真皮深層と脂肪組織で熱エネルギーにかわり発熱します。

真皮深層のコラーゲン、脂肪組織の脂肪を分画する脂肪中隔の線維組織を収縮させます。

モノポーラーは高周波（RF）が皮膚表面から背中や腰に貼った電極版に向けて流れます。高周波は皮膚に対して垂直に流れるので、約2～4㎜の深さの真皮深層から脂肪組織（おもに脂肪隔壁）を発熱させることができます。

バイポーラー（双極式）

バイポーラーでは、高周波は皮膚表面に接している電極の間を通ります。

高周波は真皮の浅い層でコラーゲンを熱凝固により収縮させます。

バイポーラでは高周波（RF）は皮膚表面の電極から電極に間を皮膚表面に水平方向に流れます。真皮浅層で発熱します。

真皮のモデリングと脂肪組織のタイトニング

ダイヤモンドチップでは「モノポーラ」と「バイポーラ」という2つの方式で高周波（RF）を連続照射します。真皮全層と脂肪隔壁で発熱します。

モノポーラーとバイポーラーでの高周波の発熱で、真皮のコラーゲンの熱凝固して収縮します。脂肪中隔の線維組織も同じ原理で収縮します。

これらが即時的な肌の引き締め効果となって感じられます。

また、真皮に存在する線維芽細胞は熱の影響を受けた、増殖してその数を増やします。線維芽細胞はその後数か月かけてコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸注入などの基質の新生を促します。

直後から顔があがった感じがして、その後、数か月かけて皮膚の弾力性とハリが回復していきます。

モノポーラーとバイポーラーの２つの照射方式で、真皮全層と脂肪組織の脂肪隔壁で発熱します。高周波は真皮のコラーゲンに直接働き熱で収縮させます。これは皮膚のタイトニングの即時効果を発揮します。その後、時間をかけてコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの基質（細胞外マトリクス）があたらしく産生されるリモデリングがおこります。同時に細胞外マトリクスを産生する線維芽細胞も増えます。この図にはありませんが、脂肪細胞では高周波は脂肪細胞は素通りしますが、線維性の脂肪隔壁で発熱して収縮させます。これは脂肪組織の引き締め効果となります。真皮と脂肪組織での効果で顏のたるみが改善されます。

ポテンツァダイヤモンドチップ、HIFU（ハイフ）、サーマクールの違い

ポテンツァダイヤモンドチップとHIFU（ハイフ）ともに、顔のたるみ、タイトニングに効果がある機器です。

２つの機器にサーマクールを加えて、比較したのが下の表です。

ポテンツァダイヤモンドチップはタイトニング（引き締め効果）、HIFU（ハイフ）はリフトアップ(引き上げ）に強いことがわかります。

※ほうれい線、マリオネットラインの下には神経があるので照射ができません。

山手皮膚科クリニックでのたるみ治療

上記の表でもお示ししたように、ポテンツァダイヤモンドチップはタイトニング（引き締め効果）、HIFU（ハイフ）はリフトアップ(引き上げ）の効果が期待できます。

山手皮膚科クリニックでは2つの機器を同時におこなうことで、お互いに弱いところを補って、1回でタイトニング（引き締め効果）とリフトアップ(引き上げ）を発揮します。

ポテンツァダイヤモンドチップ+ウルトラフォーマーMPT　（ダイヤモンドハイフ）

「注射針を刺すのは怖い」という方は当然いらっしゃいますし、それが普通です。

顔のたるみ治療では、注射針を刺さないで機器を用いた治療方法があります。非侵襲的治療と呼ばれます。

光、ラジオ波（RF）、超音波、レーザーを用いた治療です。これらは、顔の輪郭の土台となる骨、SMAS、支持靭帯、脂肪組織の上に存在する真皮の治療に重点を置いた治療方法です。

これらの中で超音波を用いたHIFU（ハイフ）は唯一、SMASのタイトニング（引き締め）が可能です。

当院では、RF治療器ポテンツァをつかったポテンツァダイヤモンドチップとウルトラフォーマーMPTを同時におこなうたるみ治療をおこなっています。「ダイヤモンドハイフ」と呼んでいます。

ラジオ波と超音波治療を組み合わせた、いわば「良いとこ取り」のたるみ治療です。

ポテンツァダイヤモンドチップ+ウルトラフォーマーMPT　（ダイヤモンドハイフ）の治療メカニズム. ダイヤモンドハイフとは山手皮膚科クリニックで勝手に名付けています。ポテンツァダイヤモンドチップは真皮にまんべんなく熱をあたえることができるすぐれた高周波治療です。ニードルRFのような表面麻酔を必要としません。また、高周波は真皮コラーゲンと脂肪隔壁に熱を加えるので即時のタイトニングが期待できます。欠点はたるみ治療でぜひともアプローチしたいSMASに有効な熱を与えられないことです。これがHIFUを加える理由です。ウルトラフォーマーMPTで使う4.5㎜プローブでは確実にSMASに熱凝固を与えることができ、SMASのタイトニングが可能です。また、3㎜プローブでは真皮深層と脂肪細胞を加熱できます。ポテンツァダイヤモンドチップとウルトラフォーマーMPTを組み合させることで真皮～SMASをまんべんなく加熱することができます。

山手皮膚科クリニックタイプ別顔のたるみ治療

たるみのタイプによる治療法

顔のたるみを3つに分類してみました。

下図左は頬部に脂肪が沈着して下垂して、俗に「ブルドッグ型」といわれる顔のたるみです。

右は顔の痩せがあり、頬部がコケていて（痩せていて）、顔がたるんでいるタイプです。

中央はその中間です。

いずれのタイプでも治療を1回の治療^※でおこなう場合は、顏の輪郭形成の土台となる骨にアプローチするヒアルロン酸注入を核としています。

ブルドッグ型ではヒアルロン酸注入をおこなってから、経過を診て、希望があれば１～3か月あけてスレッドリフトや脂肪溶解注射をおこないます。

通って回数をかけて治療する、注射針を刺すのは怖いという方には、ヒアルロン酸注入やスレッドリフトはおこなわず、ポテンツァダイヤモンドチップとHIFUを組み合わせた治療がお勧めです。

「顔が痩せていてたるんでいる」方には、ポテンツァダイヤモンドチップのみで、HIFUをおすすめしない場合があります。HIFUを繰り返すと脂肪組織が薄くなり、痩せがさらに目立つことがあるからです。

顔のたるみの3つの分類. 山手皮膚科クリニックではそれぞれにあった治療方法を提案します。

頬がブルドック型にたるんでいる

頬がブルドック型にたるんでいる場合の治療の選択肢

たるんでいる

顔がたるんでいる場合の治療の選択肢

顔が痩せていてたるんでいる

顔が痩せていてたるんでいる場合の治療の選択肢

ダイヤモンドハイフの治療動画

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12.治療の流れ

１）予約

診察はすべてWEBからご予約をお取りいただく予約制です。クリニック受付ならびにお電話では予約の受付はいたしておりません。

「予約サイト」へいき、選択メニューボタン

から　「たるみ・ほうれい線」のご相談　を選択ください。

２）初診

診療は自費診療です。初回相談料は3,300円（再相談は1,650円）となります。症状を拝見し、最適な治療法をご提案いたします。

３）治療

当日の予約に空きがある場合に限り、カウンセリングと同日に施術をお受けいただくことが可能です。

カウンセリング時に当院からの同日施術への誘導、営業行為は一切ありませんのでご安心ください。

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13.施術料金

ポテンツァダイヤモンドチップの概要

注）治療には、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。

治療に用いる医薬品および機器は当院の医師の判断の元、個人輸入の続きをおこなったものです。
個人輸入において注意すべき医薬品等についてはこちらをご参照ください。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1.html

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