更新日:2019.5.19/公開日:2017.3.7
このコンテンツは山手皮フ科クリニック 院長 豊福一朋が100%オリジナルで書いています。
静脈湖(じょうみゃくこ)(venous lake)
下くちびるに黒いできものができて、皮膚科にいくと「静脈湖じょうみゃくこ)」という血管腫と診断されます。
治療のために大学病院の皮膚科や形成外科に紹介されますが、そこでは「わずかに傷が残りますが、メスで手術しましょう。」となることが多いようです。
あなたが「わずかな傷といっても下くちびるに垂直方向に残るのはいかがなものか」と心配されているのであれば、山手皮フ科クリニックにいらっしゃいませんか。
レーザーをつかってほとんど目立たない傷で治療できると思います。

静脈湖をメスで切除するのは大変です。
手術創が赤唇部(赤いくちびる)を超えるので口唇に直線状の傷を残すこととなります。
当院では米国CUTERA(キュテラ)社のクールグライドを使って治療します。
クールグライドには治療部先端に冷却装置がついており、数秒間治療部位を冷却してレーザーの熱エネルギーから口唇を保護します。
照射は一瞬で終了します。

治療例1
来院時

下口唇中央に直径3mmの静脈湖があります。
終了時

治療終了後 静脈湖は消失しましたが、治療部位の口唇はやや硬くなっています。
症例説明:30歳台女性です。下口唇の黒い腫瘤の治療目的で来院されました。拡大鏡検査にて静脈湖の診断です。診療当日に治療を希望され、レーザー照射を1回おこないました。
治療後1か月目の写真では治療部にわずかな瘢痕がみられます。これは1年程度の時間をかけて消失していきます。
治療回数1回、来院回数2回(初診時、1カ月後)。治療費用:レーザー照射\21,600、軟膏\150
治療例2
来院時

下口唇右の長径5mmの静脈湖があります。
治療直後

レーザーを照射すると静脈湖は熱変性します。
終了時

治療終了後6か月ではきれいに消失しました。治療1か月で治療部位は凹んでおり、時間とともにも盛り上がってきたそうです。
症例説明:40歳台女性です。下口唇左の黒い腫瘤の治療目的で来院されました。拡大鏡検査にて静脈湖の診断です。診療当日に治療を希望され、レーザー照射を1回おこないました。
治療直後はレーザー照射で静脈湖が熱破壊されます。照射後は痛みがですので、炎症を止めるステロイド外用剤と消炎鎮痛剤(2~3日分)を処方します。
治療後6か月目の写真では瘢痕をのこさずに治っています。この方の場合きれいに消えましたが、わずかに陥凹したり、わずかに照射部位が固くなったりします。
治療回数1回、来院回数2回(初診時、6カ月後)。治療費用:レーザー照射(長径5㎜)\27,000、消炎鎮痛剤と軟膏\310
治療時間 | 1分以内 |
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治療回数 | 1回 |
治療後の通院 | 治療3ヵ月後 |
治療できない方 |
ケロイド体質の方
医師が治療不可能と判断した方
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治療に際しての注意 |
・麻酔は必要ありません。
・食事は直後より支障なく可能です。
・治療部位にテープは貼りません。
・治療部位には消炎のためにステロイド外用剤を処方します。
・治療後は抗生剤と鎮痛剤を処方します。
・傷は約2週間で治ります。静脈湖が大きいとまれに1か月ほどかかることがあります。
・治療部位は数か月間傷痕が固く残り、次第にやわらかくなります。
・照射部位は血管病変が消えたのち、陥凹や粘膜の肥厚が残る場合があります。
・稀に治療部位に小さく再発することがあります。この場合再度治療が必要です。照射料金は不要です。
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治療のながれ
- 静脈湖を含む血管系の病気の診断は保険診療となります。
- 診療は予約ではありませんので、保険証をご持参の上、直接受診ください。
- 静脈湖である場合は治療の説明、費用のお見積りをいたします。
- ご希望があれば診療に引き続きレーザー治療が可能です。
- レーザー機器がほかで使用中の場合、レーザー室が使用中の場合はお待ちいただくこととなります。
費用
静脈湖の長径 | 料金(税込み) |
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3mm未満 | ¥16,500 |
3mm以上5mm未満 | ¥22,000 |
5mm以上7mm未満 | ¥27,000 |
7mm以上10mm未満 | ¥33,000 |
抗生剤、痛み止め、消毒液、軟膏は別途実費(1000円程度)となります。