保険診療のご案内

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更新日:2018.7.4/公開日:2017.11.29
このコンテンツは山手皮フ科クリニック 院長 豊福一朋が100%オリジナルで書いています。

扁平母斑・蒙古斑・異所性蒙古斑

こんにちは。山手皮フ科クリニックの院長の豊福一朋です。
扁平母斑は生まれつきの「あざ」で小さいものを含めるとたくさんの人に見られます。顔、腕、ひざ下の扁平母斑は人目にふれるので、治療を希望される方が多いあざです。
以前は、扁平母斑はレーザーでも消えないといわれてきましたが、Qスイッチレーザーを高い出力で繰り返し照射することで、消えることが分かってきました。

扁平母斑

扁平母斑は「茶色のあざ」です。
扁平(平坦)で隆起せず、薄い褐色あるいは濃い褐色(ミルクコーヒー色)で色むらがなく均一です。
茶色のあざの中に直径1mm程度の小さな黒い点が混在することもあります。
ミルクコーヒー色から”カフェオレ斑”と呼ばれますが、厳密にはvon Recklinghausen(レックリングハウゼン) 病(神経線維腫症1型)などにみられるものが「カフェオレ斑」と呼ばれ、ほかの疾患と関係ないものを「扁平母斑」と呼びます。
形は円形、卵状(長円形)や不整形で、大きさは2mm程度から手のひら大までさまざまです。
場所はどこにでも出現します。
扁平母斑は出生時にすでに存在するか、生後早い時期に出現します。
思春期になって出現する場合もあります。これは遅発性扁平母斑と呼ばれます。
出現後は自然になくなることはなく、形は一生かわりません
稀な疾患ではなく、1~2個の扁平母斑は人口の10~15%程度にみられます。
生まれつきの扁平母斑、遅発性の扁平母斑とも、将来悪性化することはありません

von Recklinghausen(レックリングハウゼン) 病(神経線維腫症1型): 思春期以前で径0.5cm以上、思春期以降で径1.5cm以上のカフェオレ斑が6個以上あれば 扁平母斑のなかでvon Recklinghausen 病を疑い検査が必要です。

顎部の扁平母斑
色むらがなく均一な褐色斑
下腿の扁平母斑
頬部の扁平母斑
うすい茶色のあざの中に直径1mm程度の小さな褐色点が混在しています。

扁平母斑の治療

  • 1)メスでの切除
    悪性腫瘍ができることはないので、整容的な目的から切除をおこなうことがあります。
  • 2)皮膚剥削術
    ダーマローラーという器具で扁平母斑の皮膚を薄く削り取る外科的治療です。
    比較的大がかりな手術である割には再発が多い治療です。
  • 3)冷凍治療
    液体窒素で扁平母斑を冷凍凝固して薄く取り除く治療ですが、やはり再発が多い治療です。
  • 4)外用療法
    ハイドロキノンとトレチノインの外用併用療法が効果があるという報告があります。手軽で安全な治療法ですが、どのくらい効果があるかは統計データがありません。完全に治すことはむつかしいようです。
    保険適応ではありません。
  • 5)フラクショナル炭酸ガスレーザーによる治療
    効果があるという報告がありますが、どのくらい効果があるかは不明です。保険適応ではありません。

    シネロン・キャンデラ社フラクショナル炭酸ガスレーザー”コア2”
  • 6)Qスイッチレーザーによる治療
    安全で扁平母斑の治療では第一選択です。効果があるのは33%(3人に1人)といわれています。
    また、同じ部位に繰り返し照射することで3回照射で約30%、6回照射で約60%の人に効果があったという報告があります。
    しかし、全部が均一にきれいに消えるのではく、色むらが残ることもあります。

    シネロン・キャンデラ社Qスイッチレーザー”ALEXレーザー”
  • 下腿の扁平母斑のレーザー有効例
    扁平母斑の中央部にQスイッチレーザーをテスト照射した6か月後の写真です。照射部の色が抜けています。このような方は効果が期待できます。

蒙古斑・異所性蒙古斑

仙骨部、腰部、臀部に生下時からみられる青色のあざで、生後2年ころまでは色調が増加しますが、その後は青色調は退色していき、10歳前後で消失します
黄色人種のほぼ100%、黒人80~90%、白人1~20%にみられます。
直径は数cm程度で、数は尾仙骨部に1個のこともありますが多数のことが多く、その場合はほぼ左右対称性、ときに地図上に分布して癒合することもあります。
部位は尾仙骨部がもっとも多く、次いで腰殿部に多く、これらを”主斑”と呼びます。
背、肩、四肢にみられるものを”副斑”あるいは”異所性蒙古斑”とよびます。顔面、頭部にでることもあります。
成人まで残るものは全体の3~4%で、広範囲な蒙古斑、色調が濃い蒙古斑、四肢、胸、腹部にある異所性の蒙古斑では持続する傾向があります(持続性蒙古斑)。

20歳男性の肩甲部の異所性蒙古斑
23歳女性の肘窩の異所性蒙古斑

蒙古斑・異所性蒙古斑の治療

自然に消退していくので治療は必要ありませんが、成人になっても残り、異所性で露出部に存在して整容上みかけが悪いときは治療の対象となります。
治療はQスイッチレーザーを使います。保険適応です。

治療の費用

▼Qスイッチレーザーによる治療費用(保険適応)

面積(単位 ㎠) 保険点数 自己負担額(30%)
4㎠未満 2,000点 ¥6,000
4㎠以上16㎠未満 2,370点 ¥7,110
16㎠以上64㎠未満 2,900点 ¥8,700
64㎠以上 3,950点 ¥11,850

※Qスイッチ付レーザー照射療法は、頭頸部、左上肢、左下肢、右上肢、右下肢、腹部又は 背部のそれぞれの部位ごとに所定点数を算定します。

※各部位において、病変部位が重複しない複数の疾患に対して行った場合は、それぞれ算定します。