当院における新型コロナウイルス感染予防対策について

山手皮フ科クリニックは患者様と職員の健康を第一に考えております。
緊急事態宣言が出る間際には、当院で患者様に安全にレーザー治療をお受けいただきたくとも、その方法を検討する時間も物資もありませんでした。
また、クリニックとしては職員が安全に勤務できる環境を整備する必要があり、職員それぞれが自分自身と患者様の健康を守るために必要な感染症に対しての知識や予防法・適切な消毒方法について知らなければなりませんでした。
2020年4月7日(火)に自費診療をストップしてから、感染予防対策の検討と、物資の準備、職員教育とトレーニングを実施してまいりました。
今回ご案内する感染予防対策は、これまで当院が行ってきた標準的な感染予防に、「新型コロナウイルスの除去と不活化」を目的とした内容を加えたものです。
完全な滅菌状態を目指すものではありません。
ウイルスは単独では増殖ができず、宿主となった人の飛沫により伝播すること、新型コロナウイルスはエンベロープウイルスであることなどの特性を理解したうえで、効果および医療機器やクリニック設備への影響、費用、入手のしやすさなどを考慮し、適当とされる消毒方法を採用いたしました。
患者様に使用する物品においては、可能な限り使い捨てのものとしています。
内容にご不明点やご意見がございましたら、クリニックまでお問い合わせください。
院長の私を筆頭に職員一同、患者様に安心・安全な治療をお受けいただけるよう最善の準備をしてご来院をお待ちしております。
山手皮フ科クリニック 院長 豊福一朋

クリニック感染予防方針

クリニックを診療停止とする場合

  • 当院職員から陽性者が発生した場合
  • 来院患者が陽性者であったと判明した場合において、その患者への対応が濃厚接触に該当するか、クリニック施設の汚染がないかを、院長と看護師長で検証し、保健所、所属医師会に報告、相談の上、濃厚接触と施設の汚染が認められた場合

職員を休職させる場合

  • クリニック業務外での活動で、陽性者の濃厚接触者となった場合
  • 37.5℃以上の発熱がある場合、明らかな感冒(風邪)症状がある場合

患者様へのお願い

  • 以下の方はご来院をご遠慮ください
    1)37.5℃以上の発熱、咳、鼻汁、倦怠感、風邪症状がある方
    2)海外渡航歴があり、帰国後14日以内の方
    3)新型コロナウイルスに感染または感染疑いのある方と濃厚接触があってから14日以内の方
  • 自費治療(看護師・医師ともに)および予約にて治療を行う患者様には、来院時の検温(非接触型体温計にて実施※)にご協力いただきます。
    37.5℃以上の発熱がある場合、その日の治療はお受けいただけません。

  • 自費診療の患者様は必ずマスク着用でご来院ください。
    マスクを着用せずにご来院の場合、その日の治療はお受けいただけません。
    クリニックからマスクの提供はいたしかねます。
  • 看護師の自費治療および、洗顔が必要な予約の患者様には、ご来院時に手洗いをしていただきます
  • スキンケアやお化粧後には、手洗いまたはアルコール消毒をお願いいたします。

クリニックと職員の実施事項

  • マスクの着用
  • こまめな手洗いと手指消毒
  • 毎日の検温と体調確認
  • 診察室・治療室・トイレのドアノブ・荷物台・洗面台の消毒液を用いた清拭(30分毎)
  • 院内の換気
  • 診療後のソファや椅子、机、棚、洗面台の消毒液を用いた清拭(平日:午前・午後の診療後共に実施)
  • 医師のレーザー治療と看護師施術において、1患者様毎の物品準備および環境整備と消毒
  • 看護師施術で使用する部屋全体の環境整備と消毒清拭(洗面台、床、椅子、マシン、ワゴン
  • 塵やホコリの除去(院内の入念な清掃)など。

スタッフ全員参加の新型コロナウイルス感染症の特徴、感染防止対策の勉強会の様子

実施具体例

待合室

常時、換気をおこないます。自動ドアを開放しております。
一人ひとりが密接にならないようにしています。

一人ひとりが接しないようにお座りいただきます。

待合の座るスペースが半分になりますので、椅子を用意いたしました。

自費診療の待合室もレイアウトを変えております。

患者様が使用する物品を可能な限り使い捨てにしています。

患者様が使用する洗顔用品、麻酔用品、ベットシーツは可能な限り使い捨てのものといたしました。

ヘアバンド、タオル(不織布)、洗顔剤、メーク落とし、ヘアバンドは個別にパックされ、使い捨てです。

自己麻酔のセットは、消毒可能なコンテナに変更しました。ラップの箱もセロテープでコーティングし、清拭消毒可能としています。

ベッドにて治療を行う場合、使い捨てのシーツを使用します。

ベットシーツ(茶)、頭部シート(白)、頸部・胸部の覆い(白)は使い捨てとなります。

使い捨ての不織布

頻回な消毒と器具の滅菌

オートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)

金属製、ガラスの医療器材はすべてオートクレーブを使用しています。

消毒剤の使い分け

消毒剤は特性に応じて以下のように使い分けています。

左から次亜塩素酸ナトリウム、イソプロパノール、エタノール、アルコール含有清拭剤(2種)

エタノール

  • 手指消毒に用います。
  • 治療や施術に際しての消毒には用いません。
  • イソプロパノールよりも、ウイルス除去効果が高いとされていますが、エタノールの需要増で入手が困難となる場合があるため、当院では手指消毒にのみ使用します。

イソプロパノール

  • クリニック設備(ドアノブ、荷物台、棚、洗面台、文具等)の消毒
  • 使用後の機器の消毒(マシンのディスプレイ、ハンドピース、バー等)
  • 使用前のポリプロピレン容器に使用 ※使用直後のポリプロピレン容器には次亜塩素酸ナトリウムを使用します。
  • エタノールよりも、ウイルス除去効果が劣るとされていますが、エンベロープウイルスであるコロナウイルスの不活化には十分な効果があります。入手のしやすさ、費用面(エタノールよりも安価)を考慮し手指消毒以外の用途で広範に使用します。

    治療ごとに院長はレーザー機器の操作盤、レーザー先端部をアルコール消毒します。

次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)

  • 脱毛レーザーのディスタンゲージ(皮膚に触れるプラスチック部分)に使用
  • 使用直後のポリプロピレン容器に使用 ※ポリプロピレン容器は使用前にイソプロパノールで消毒します。
  • 利点として安価であり入手が容易なことがあげられますが、消毒液として使用する場合に、都度作成が必要であり、濃度や効果が常時均一に保てないこと、金属への腐食性がありクリニック器材は金属製品や金属の部品を伴うことが多いため、原則プラスチック製品のみに使用する方針です。

脱毛レーザーのディスタンゲージ(皮膚に触れるプラスチック部分)は次亜塩素酸ナトリウム(左)で消毒、ポリプロピレン容器はイソプロパノールで消毒します。

エタノール除菌ウエットティッシュ

  • 随時行うPCキーボードやマウス、机周りの消毒
  • コロナウイルスの完全な不活化はできませんが、物質表面のウイルス量を減少させることは期待できます。

(補足)消毒液用スプレーボトルについて
当院では薬品卸業者より正規に入手した消毒液を、プラスチック噴霧器に移し替えて使用しております。自家作成と希釈等は一切行っておりません(※)。
2020年4月26日現在、噴霧スプレー付きの製品が全く入手できないことによる臨時的な対応です。
厚生労働省の指導を守り、メーカーの消毒液ボトルからプラスチック噴霧器に直接移し替えております。
また、噴霧スプレー付きの製品が入手できましたら、随時切り替えていく予定です。
※次亜塩素酸ナトリウム消毒液を除く

よろしければご参考ください。

健栄製薬株式会社 『消毒剤マニュアル(第五版)』  

新型コロナウイルス感染症について (日本ウイルス学会サイト)  

新型コロナウイルス感染症の発生に伴う消毒用エタノールの取扱いについて(厚生労働省2020/2/28発表)