豊福一朋のステロイド使用に関する私見

ステロイド使用に関する私見

ステロイド悪者論について

私のクリニックではステロイドの外用を行います。ステロイド外用剤に関しては間違って情報が多く、ここに私見を述べさせていただくとともに、文末に「よくある質問Q&A」を書いておきます。
最近は減りましたが、以前はマスコミや雑誌などで、ステロイド外用剤はよくないといった報道がよくなされていました。よく、患者さんからもステロイドは使いたくないといった相談を受けます。
ステロイド外用剤を過剰に恐れるのは日本人だけです。私がいたカナダ、米国ではそのような悪評はありませんでした。なぜ日本だけでステロイド外用剤の悪評がたったのかには理由があると思います。ひとつは、マスコミがセンセーショナルな報道を好むこと、もうひとつは日本の医療特有の問題です。日本では整形外科、外科、内科などでついでに皮膚病の相談をすると簡単にステロイド外用剤が処方されます。正しい診断がなされ、正しくステロイド外用剤が処方されて皮膚病が治ってしまえば良いことです。しかし、治らないのにずっとそこで治療され、しかも治療が不適切な場合があります。そのようなときに副作用がでてきます。また、私が医師になる以前、20年以上前に一部の皮膚科医師の不勉強で使用の不適切があり、そこで出現した副作用がマスコミに過剰に取り上げられ、ステロイド悪者論ができたと聞いています。
北米では皮膚病があれば最初に簡単な皮膚科のトレーニングも受けているホームドクターに行きそこで短期で治りそうな皮膚病であればステロイド外用剤が処方され、なおらない場合はすぐに皮膚科専門医に紹介されます。ホームドクターにかかるのは、医療制度により最初から皮膚科専門医に受診できないからです。ホームドクターがずっと皮膚病を診ることはなく、ましてやホームドクター以外の皮膚科が専門でない医師が皮膚病をみることはありません。専門外の疾患の治療でミスがあると訴訟になることがあるからです。ヨーロッパでもおなじような制度になっています。
日本では最初から皮膚科専門医に受診できるので、不適切な使用により副作用がでることはまずありません。ステロイド外用剤は適切な使用を行えば、皮膚疾患の治療期間を著しく短縮できます。ステロイド外用剤の治療はさじ加減が重要で、我々は皮膚科のトレーニングで徹底的に使用法をたたき込まれます。私のクリニックではステロイドの外用は行います。
また、ステロイド外用剤を極端にきらって民間療法に走ると、弱みにつけこまれ高額の商品を購入させられることになります。以前、公立病院に勤務していたころ、ステロイドは絶対に嫌だといって、あやしい漢方薬局で高額な漢方薬を毎月購入している方がいました。それでも数カ月おきに皮膚科にいらっしゃるので不思議でしたが。症状はどんどんひどくなるのですが、薬局にいくたびに「今は悪い液がでていてこれがおこるとよくなる」、「もう少しの辛抱」、「次はこの薬でよくなる」とずっといわれ続けこれが2年以上続いた人がいました。その後、私は病院を移ったのですがどうなったのでしょうか?ちまたにはこのような悪質な業者がいてステロイド悪者論を上手につかっています。興味のあるかたは「アトピービジネス」(文藝春秋 竹原和彦著)が参考になります。

よくある質問Q&A

Q:ステロイド外用剤を一度使用するとやめられなくなりますか?

A:× 間違い
虫さされ、かぶれ(接触皮膚炎)、やけどなどでは一時的な使用しかしません。また、一時的な使用でよくなります。私は比較的強めのステロイドを短期で使用します。過剰な恐怖感から弱いステロイドを中途半端に使っていると、治療期間が長引かせ、かえってステロイドの使用量、使用期間が多くなり(いわゆる)副作用が出現することとなります。ステロイドを怖がるほど、副作用がでやすいというパラドックスがおこります。

Q:ステロイド外用剤を中止するとリバウンドが起こる

A:× 間違い
医学用語でリバウンドとは、ステロイドの内服、注射で病気の治療を続けているときに、突然中止すると、もともとの病気の症状以外に、別の強い全身作用がでることです。「ステロイド外用剤を中止するとリバウンドが起こる」というのは、慢性の皮膚疾患(たとえばアトピー性皮膚炎)を治療しているときに、よくなっていないのに勝手に自己判断でステロイド外用を突然中止したときに、そもそもの皮膚症状が増悪していることをいっていると思います。治療を適切におこなって、ステロイドのランクを徐々に落として中止に持っていくことが慢性皮膚疾患の治療です。

Q:ステロイド外用剤を使用すると骨がボロボロになる。

A:× 間違い
ステロイドの内服や注射を長期間おこなうと、骨がもろくなることがあります。しかし、外用剤が皮膚から吸収される量はきわめて微量で、骨に影響することはありません。また、最近のステロイド外用剤は皮膚から吸収され、血管に入る前に不活性化して身体に影響を及ぼさなくなるハイテクなステロイド外用剤もあります。

Q:ステロイド外用剤を使用するとニキビができやすくなる。

A:○ 本当です
ステロイド外用では、皮膚局所の免疫力を弱めるので、かび(たむし)がでたり、にきびが出ることがあります。いままでと変わった皮膚症状があれば相談してください。ステロイド治療と並行して、あるいはいったん中止してかび、にきびを治療すればよいです。

Q:ステロイド外用剤を使用すると色が黒くなる。

A:× 間違い
皮膚に炎症を起こすと、表皮のメラニン細胞が刺激され過剰なメラニンが産生されて、色が濃くなります(色素沈着)。炎症があると、炎症の赤色が目立って色素沈着はわかりませんが、炎症が治まると色素沈着が目立ち色が黒くなるわけです。したがって、ステロイドで色が濃くなるわけではなく、ステロイドで皮膚の炎症が治まり、色素沈着で黒くなるわけです。ステロイド外用剤を使用すると色が黒くなるというのは間違いです。

Q:ステロイド外用剤は皮膚に蓄積する

A:× 間違い
もし、皮膚にステロイドが蓄積すれば、アトピー性皮膚炎などで突然ステロイド外用剤を中止しても、悪くなることはないと思いますが、実際、そのようなことはありません。間違いです。

Q:ステロイド外用剤を長期間使用すると、血管が浮いて、皮膚が薄くなる。

A:○ 本当です
顔面など皮膚の薄いところに長期間ステロイド外用剤を使用した場合、身体でも強いステロイドをきわめて長期間外用した場合は、副作用で血管が浮いてきたり、皮膚が薄くなることがあります。そもそも、このような使い方に問題があります。このようなことが起こらないよう治療するところに皮膚科専門医の技量があります。

Q:ステロイド外用剤を使用すると成長障害がおこる?

A:× 間違い
乳幼児にステロイドの内服や注射を長期間おこなうと、成長障害をおこすことがあります。外用剤が皮膚から吸収される量はきわめて微量で、成長に影響することはありません。しかし、全身に大量のステロイド外用剤を長期間使用すると、成長障害がおこる可能性はあります。もっとも皮膚科ではそのようなことは行いませんが。

Q:妊娠中や授乳中にステロイド外用剤を使ってはいけません?

A:× 間違い
妊娠中、授乳中にステロイド外用剤は広範囲でなければ安全に使用できます。妊娠中は湿疹ができやすくなります。ステロイド外用剤を嫌って我慢しているうちに、かきむしって全身に湿疹が広がり、結局のところ大量のステロイド外用剤を全身に使用しないといけなくなることはしばしば見られます。妊娠中は痒み止めの内服剤を使用しなくないので早期のステロイド外用剤での治療がよいと思います。絶対にステロイド外用をしないとのポリシーでかきむしって全身に湿疹が広がり、痒みのために不眠が続いて、それでも外用を我慢しているのが胎児に良いのでしょうか?

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“美白ネット”は当医院長が監修している美白に関する情報サイトです。
美白ネット
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“UVカット口コミランキング”は当医院長が監修しているUVカットに関する情報サイトです。
UVカット口コミランキング
http://www.uv-cut.jp/

当医院長が監修致しました。

VoCE2008年11月号
VoCE 2009年5月号
のビューティー用語 辞典「美ィキペディア(ヴィキペディア)」を当医院長が監修致しました。
VoCE2009年9月号
の「ivoce魂隊が行く!」で当医院が紹介されました。
VoCE2010年5月号
の「シミの勝ち組」を当医院長が監修致しました。
VoCE2012年5月号
の「美白のギモン」を当医院長が回答致しました。

その他取材

2010年5月17日夕刊フジ」に当医院長が取材を受けました。
2010年6月17日Japan Times」に当医院長が取材を受けました。
2011年7月28日アルバ」の紫外線対策の記事を当医院長が監修致しました。
2011年9月22日夕刊フジ」に当医院長が取材を受けました。

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