自費診療のご案内

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肝斑の症状

肝斑は女性の顔面にできる左右対称性シミです。30~50代の女性の顔面、とくに頬(ほほ)、額(ひたい)、上口唇の上(鼻の下)に左右対称に境界が比較的明瞭な均一な褐色調の色素斑を生じ、目の周囲が抜けるのが特徴です。肝斑は両側性にできる色素斑である雀卵斑(そばかす)や遅発性両側性大田母斑様色素斑と区別がつきにく場合があります。また、シミ、ソバカス、大田母斑と同時に存在する場合もあります。

典型的な肝斑: 両側頬部の肝斑は目の周囲を避けて存在しています。このように目の周囲に色素斑がないのが肝斑の特徴です。目の周囲にまで色素斑があるときは大田母斑、遅発性両側性大田母斑様色素斑のことがあります。また口唇の上(鼻の下)に”ひげ”のような形の色素斑も肝斑です。

両側頬部にある濃い均一な色調の色素斑。目の周囲には及んでいません。

 両側頬部に目の周囲を避けて弧を描くように肝斑があります。
 頬部全体にひろがる網目状の肝斑

肝斑とそのほかのシミ(ソバカス、シミ、大田母斑、遅発性両側性大田母斑様色素斑)との区別の仕方

1)遅発性両側性大田母斑様色素斑

遅発性両側性大田母斑様色素斑は20~40歳ころから両側性に出現する色素斑で肝斑と区別しにくい場合があります。目の周囲(眼輪筋の内側)にまで存在し、時に眼球結膜(白目の部分)にも色素斑があることがあります。境界が明瞭でないことも遅発性両側性大田母斑様色素斑の特徴です。色調は肝斑の茶褐色と違い典型的な遅発性両側性大田母斑様色素斑は灰青色ですが、区別が困難な場合が多いです。色調はまだら模様でこれも色素が均一な肝斑と違うところです。

2)シミ・ソバカスとの区別のしかた

シミ・ソバカスは鉛筆で囲めるような小さな色素斑(黄色で囲んだ部分)です。一方、肝斑はべたっと均一な色素斑で範囲が大きく、鉛筆で囲もうとしても一部で境界不明瞭な部分があり、きれいに囲めません(赤色で囲んだ部分)。

肝斑の原因

多くは妊娠をきっかけに出現します。また、経口避妊薬でも出現しやすく、高齢になると自然に消失することから、女性ホルモンの分泌と深い関係があるといわれています。閉経後に薄くなるといわれていますが、実際は60歳台でも濃い肝斑が残ることがあります。70歳以上になると消失するようです。紫外線の多くなる夏に目立つようになり、冬には薄くなることが多く、紫外線が増悪要因になります。睡眠不足、ストレスでも悪化することがあります。

肝斑の治療

肝斑はほかのシミと違いレーザー治療が効きません。それどころか、レーザーを使用するとシミが濃くなるということが起こります。
レーザートーニングは一時的に薄くなりますが、レーザーの照射をやめることでもとに戻ってしまいます。肝斑に対して効果がないというのが、シミを専門としている皮膚科の一般的な意見です。 フラクショナルレーザーも肝斑には効果がありません。
フォトフェイシャル、ライムライト、フォトシルクなどの光治療(IPL)は肝斑を治療することはできませんが、これらの治療器には「肝斑モード」という設定があります。肝斑でお悩みの方は、肝斑のほかにも、全体のくすみ、シミ、ソバカスがあることが多く、光治療(IPL)をおこなう時に肝斑に照射しても悪化させないで、くすみ、シミ、ソバカスを治療ができるというのが「肝斑モード」です。光治療(IPL)でも照射の出力を上げると肝斑は濃くなります。
クリニックでは内服剤と外用剤による治療を行います。トラネキサム酸の内服に加え、ビタミンC誘導体外用、ハイドロキノン外用、あるいはトレチノインとハイドロキノン併用外用療法を行います。

1)ビタミンC誘導体外用

最も手軽な治療法で、1日2回程度肝斑に外用するだけです。ビタミンC誘導体は皮膚に浸透し、活性型ビタミンCに変わって、メラニン細胞の過剰なメラニン生産を減らします。この作用により肝斑を薄くすることができます。
外用を中止すると次第に肝斑は元に戻ります。皮膚への浸透を促進させるのにイオン導入をおこなうとより効果的です。また、ビタミンC誘導体はこれ以外に①毛穴の開き、②ニキビ、③小じわ、④肌のキメなどの改善が期待できます。

  作用 適応
表皮  チロジナーゼ(メラニンを作る酵素)の活性 抑制メラニン生成抑制 黒色酸化型メラニンの還元(脱色) 抗酸化作用により抗紫外線作用

美白作用
美白作用
美白作用
日焼け防止

真皮 コラーゲン産生促進
抗酸化作用によるコラーゲン劣化防止 
 小じわ、皮膚のはり、毛穴の開きの改善

2)ハイドロキノン外用

ハイドロキノン1940年代に米国で開発されて以来、世界中で使用されているもっとも歴史が古く、かつ安全な美白剤です。現在においてもハイドロキノン以上の効果があり安全性が高い美白剤は開発されていません。ハイドロキノンはビタミンC誘導体の100倍の美白効果があるといわれています。肝斑治療では1日1~2回外用する手軽な治療法です。濃度は3~4%で使用します。濃度が高いから効果があるわけではなく、5%を超えると皮膚への刺激症状がおこったり、皮膚炎から炎症後色素沈着が起こるなど、かえって皮膚の色が濃くなってしまいます。

  作用 適応 
表皮 チロジナーゼ(メラニンを作る酵素)の活性抑制
メラノソームの分解
炎症後の色素沈着抑制
美白作用

 3)トレチノインとハイドロキノン併用外用療法

ビタミンAの誘導体であるトレチノインは表皮に対してターンオーバーを促進して表皮を厚くし、真皮に対してはコラーゲンの産生を促し皮膚のハリを改善するなど、外用することで皮膚の若返りが期待される外用剤です。

  作用 適応
表皮  角質剥離
表皮の肥厚(ケラチン増殖)
表皮ターンオーバー促進
間質内ヒアルロン酸増生
くすみ、にきび抑制
美白
美白、にきび抑制
小じわの改善
真皮 真皮乳頭層の血管新生
コラーゲン産生促進
皮脂腺機能抑制
創傷治癒促進
小じわ、皮膚のはり改善
にきび抑制 

トレチノインは妊娠を希望されるな女性には処方しておりません。また、トレチノイン使用中の避妊を指導しています。
トレチノインとハイドロキノンを組み合わせると、効果が高い肝斑治療が可能となります。

【外用の方法】

1)0.04%トレチノインとハイドロキノンの連日外用法

0.04%トレチノインとハイドロキノンを1日2回(朝洗顔後と入浴後)外用します。2回の外用が難しければ朝夜どちらか1回でも結構です。0.04%トレチノインは濃度が薄く、皮膚が赤くなるなどのトラブルを抑えたマイルドな治療法です。肝斑が薄くなっても0.04%トレチノインとハイドロキノンは継続します。トラブルが少ないので、クリニックに通院するのは2カ月に1回程度になります。効果がないときは5倍の濃度の0.2%トレチノインを使用します。ビタミンCとトラネキサム酸の内服をおこなうとより効果があります。

<順序>
洗顔 → 化粧水 → トレチノイン →( 美容液 → 乳液 )→ ハイドロキノン → サンスクリーン→ 化粧

2)0.4%トレチノインとハイドロキノンの外用法

0.4%トレチノインは通常使用する0.04%トレチノインの10倍の高濃度で、ハイドロキノンを組み合わせると、非常に効果が高くなります。治療方法は「漂白期」と「治癒期」に分かれます。治療開始6~8週までは「漂白期」といい、0.4%トレチノインとハイドロキノンを併用し、強力に表皮メラニンの排出を促します。治療開始後数日のうちに皮膚が紅くなり、ポロポロと表皮が薄くはがれ、肝斑のシミが薄くなっていきます。この状態を続けると若干の紅みをのこし肝斑は薄くなっていきます※。
その後、0.4%トレチノインを中止しハイドロキノンのみを外用する「治癒期」に移ります。紅みは次第に消失していきます。漂白期では皮膚の刺激症状がでるので、1週間おきの診察が必要となります。治癒期へ移行した時点で診察は2カ月に1回となります。ビタミンCとトラネキサム酸の内服をおこなうとより効果があります。 トレチノインの作用により、シミが消えるだけでなく、皮膚のハリがよくなり、毛穴の開きや小じわが改善されます。
※治療効果には個人差があります。

0.4%トレチノインを用いた治療では漂白期に赤みと皮膚の表皮剥離、皮膚のヒリヒリ感などの刺激症状がおこりますが、正常な反応なので治療は継続します。この写真以上に赤みが強くなったり、皮膚の刺激症状が強いときは、0.04%トレチノイン、0.2%トレチノインを用いた連日外用法へ変更します。

治療前 下眼瞼の外側に弧を描くように肝斑があります。

治癒期の状態0.4%トレチノインとハイドロキノンの外用、ビタミンCとトラネキサム酸内服薬を併用して肝斑は消えました。

肝斑の治療費用

製剤 容量 保管 価格
0.04%トレチノイン(ジェル)(院内製剤) 5g 冷蔵庫 ¥3,240
0.2%トレチノイン(ジェル)(院内製剤) 5g 冷蔵庫 ¥5,400
0.4%トレチノイン(ジェル)(院内製剤) 5g 冷蔵庫 ¥6,480
ハイドロキノンクリーム(ロート社製) 6g 常温 ¥2,160
ハイドロキノンクリーム(サンソリット社製) 30g 常温 ¥7,560
ビタミンC内服薬 1か月分 常温 ¥2,160
トラネキサム酸内服薬 1か月分 常温 ¥2,160

※初診料金3,240円、再診料1,080円が別途必要となります。